海外ETFの年間コストをゼロに近づけるには、貸株の「カストック(SBI証券)」を使う

「バンガード」や「ブラックロック」に「ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズ(SSgA)」など、魅力ある海外ETFを扱っているところはいくつか存在します。日本でも「セゾン投信」やレオスキャピタルの「ひふみ投信」などは分散投資もでき、結果も出していて非常に優秀な商品を扱っています。しかしコストという面ではまだまだ海外勢に分があり、特にバンガードのコストは一桁異なります。これが後々ボディーブローのように積み重なるので、コストというものは安いに越したことはありません。

カストック(Kastock)とはSBI証券の貸株のこと

日本で初めてアメリカ株式の貸株に対応したのがSBI証券の「カストック」です。貸株とは自分が保有している株式を、証券会社に貸し出すことで金利を受け取るというものです。これは日本の株式の場合は他でも対応していますが、海外株式についてはSBI証券が国内で初めて導入しました。

ETFは株や投資信託に比べてメリットもいっぱい、きちんとした毎月分配金ももらえます

2017.03.23

ETFと株と投資信託の違いについては上記を参照ください。簡単に説明すると、株の集合体である投資信託を株にしたような感じがETFで、それを国内ではなく海外から調達するものを海外ETFと言います。

貸株はほとんどの銘柄が対象になっている

貸株の金利は随時見直しが入り、金利が変更になる事があります。下記を見てみると対象でない銘柄は僅か「76」とほとんどが対象となっています。


出典:貸株金利について SBI証券

中には1%を超える銘柄も40銘柄あり、株価の変動による利益(キャピタルゲイン)や配当金による利益(インカムゲイン)と、貸株を合わせれば3重の可能性を秘めています。

確かに「たかが0.01%」と思うかもしれません。しかし海外ETFのコストは非常に安く、現在の信託報酬(年間コスト)からのパーセンテージで見てみると、割引率は高いと言えます。

銘柄 コスト 貸株 削減率
SPDR S&P500 ETF (SPY) 0.0945% 0.01% -10.58%
バンガード S&P 500 ETF(VOO) 0.05% 0.01% -20%
iシェアーズ S&P 500 ETF(IVV) 0.04% 0.01% -25%
バンガード 米国生活必需品セクター ETF(VDC) 0.10% 0.05% -50%
iシェアーズ MSCI フロンティア 100 ETF(FM) 0.79% 0.30% -38%

このように上手く使えば銘柄によって海外ETFの年間コストは、貸株からの利息を当てることで下げることが可能です。もちろん信託報酬や貸株利息は変更になりますので、メイン運用として考える事は出来ません。しかしただでさえ低いコストを更に下げることが出来れば、配当金ももらえるため、再投資してより複利運用も可能ですし貸株中でも売却は可能と流動性も高いのです。

海外ETFは「楽天証券」より「SBI証券」の方が買いやすい理由

2017.03.31

SBI証券は手数料や税金面で他の証券会社と比べて買いやすい理由があります。特に海外ETFとNISA(ニーサ)の相性は抜群です。

将来的にETFのコストはもっと安くなる

将来的には投資信託や海外ETFのコストは更に安くなる、と言われています。例えばS&P500のiシェアーズ S&P 500 ETF(IVV)は、年間のコストが0.04%ですがこれが更に下がった場合、貸株が上がった場合、等を考えると実質のコストがほぼ無くなってきます。ではどうやって運用会社は儲けを出していくのでしょうか。

運用コストが0になったとしても「貸株」をすることによって、手数料が運用会社に入ります。例え0.??%でも純資産額が5,000億あれば、1兆円あれば十分利益を得ることが出来るのです。しかしあくまで可能性ですのでそのような未来が来るかどうかは分かりません。しかし現在コストの値下げ競争がある為、現在より信託報酬が下がる可能性は十分あります。

貸株のリスクはたった1つ「信用リスク」です

では貸株のリスクは何でしょうか、良い事だらけならば誰もが使うはずですがそうではありません。それは信用リスク、つまり「投資者保護基金の対象から外れる」ことです。

対象にならないという事は、万が一証券会社が倒産した場合に保護されない可能性があるのです。基本的に貸株は「無担保で証券会社に自分の株を貸す」ということになります。額が少ないうちは問題ありませんが、大きな金額になってくるとダメージは相当なものになります。

口座数で言えばSBI証券・楽天証券・松井証券・マネックス証券あたりは口座数も100万単位を超えており、規模は大きいですが営業収益というと全く別のランキングになります。野村ホールディングス・大和証券グループ・三菱UFJ証券ホールディングスなどが圧倒的に上位を占めており、SBI証券が追随しています。

証券会社が破綻するようなことは滅多にないとは思いますが、日本4大証券の一角であった「山一證券」の倒産もありましたのでゼロとは言えません。投資に絶対という言葉は存在しませんし、そんなことを言う商品があれば疑うべきです。しかし投資である以上、リスクを恐れていては資産を増やすことは出来ません。事故を恐れて自動車や電車に乗らない選択肢もいかがなものかと思います、大事なことは判断する為のバランスです。

貸株中にもらえる配当金相当額は、雑所得or事業所得となり総合課税対象です。株式の譲渡損と損益通算は出来ませんし、外国税額控除の適用とはなりません。税金(確定申告等)の面で、少しややこしくなる可能性があるのも注意しなければなりません。少しでも多くリターンを得るには相応のリスクが必要になります、貸株はよく検討してからメリットとデメリットを分かった上で、どうするのか判断をしましょう。