絶望のみ、5年間のソーシャルレンディング投資結果について

一時期ブームになっていた「ソーシャルレンディング」投資ですが、最近では盛り上がりが無くなりました。それもそのはず、延滞やデフォルトや破産が多発し、既に終わったコンテンツ、オワコンと化してしまったからです。安全を最優先に投資をしたはずがなぜこんな事になってしまったのでしょうか。


安全を最優先に投資先を選んだはずなのに失敗…

ソーシャルレンディングとは、お金を貸したい人と借りたい人を結び付けて…つまり、皆で1つの対象にお金を出し合って投資をし、リターン(お金/分配)を得るいう仕組みです。

もちろん投資にはリスクが付きものですので、そのリスクを軽減させる為に「担保」「保証」が付いている物と付いていない物があります。もちろん付いていない物はリスクが高い為、投資は行わない方針だったのですが「担保」「保証」なんてものは虚偽や誇大もあれば、蓋を開けてみれば到底許されない内容だったことも度々あったのです。

安全を優先した投資の3年間の投資結果はどうだったのか

私自身は他の投資家よりもリスクを抑えて投資をしていたつもりです。なぜなら「担保」「保証」がないファンド(投資の案件の事)には基本的には投資は行わなかった為です。いわゆるハイリスクハイリターンには投資は行いませんでした。

私のソーシャルレンディング投資方針

投資する内容としては「ミドルリスク」「ミドルリターン」以下に限定し、基本的には不動産抵当(順位はもちろん第1順位)がされている事、その他でもそれなりに担保されているであろう所にしか投資は行いませんでした。

このようにいわゆる、担保も保証も無いいわばギャンブルや博打といった投資には手を出さず、何か問題が起こった際はその抵当の不動産を売却すれば投資資金は戻ってくる(物件評価額が投資募集金額を上回っている為)、そう思っていたのです。

5年間の投資成績発表:衝撃前の収支

ではここで5年間の総収入と総支出を確認します。利益を得るはずなのに「総支出?」とお思いですが、いわゆる運用がうまくいかずラッキーバンクのデフォルトしたファンドに投資を行っていたになります。では衝撃前の収支をご覧ください、これはまだ序章です。

総収入手取り50万4千円に対してデフォルト31万8千円(分かりやすいように千円台でまとめています)となり、5年間で投資結果は、プラス18万6千円となりました。年間3万7千円程で、もちろん投資対象がなく遊んでいる期間もありましたが、1つのデフォルトでほぼ利益が吹っ飛んでいます。しかし驚くのはここからです、衝撃後の収支をご覧ください。

5年間の投資成績発表:衝撃後の収支

何が衝撃かといいますと、実はマネオ(maneo)とグリーンインフラレンディングでは、延滞につぐ延滞でもう2年ほどお金が返ってきておりません。このままいけばデフォルトになりそうですが、仮に最悪なった場合はこのようになります。

総収入手取り50万4千円に対してデフォルト89万8千円(分かりやすいように千円台でまとめています)となり、5年間で投資結果は、マイナス39万3千円となります。完全にやらなければ良かったというレベルです。年間数十万から300万程運用し、ただただ国へ源泉徴収の税金と業者へ業者達の生活費を貢いだだけとなります。

なぜ元本割れしたか、デフォルトに陥ったのか、大損になった理由とは?

それではマネオ、グリーンインフラレンディング、ラッキーバンクの3社でなぜこうなったかを確認していきましょう。

ラッキーバンクのデフォルトについて

まずラッキーバンクですが、仮に回収できなくてもそれ以上の不動産を担保して抑えているから安心度は高いですよと言っていたにもかかわらず、いざ回収不可能でデフォルトすると、3分の1しか戻ってきませんでした

つまり不動産価値として出していた書類は大嘘、もしくは誇大、虚偽に近い、もしくは回収できる売却できる力が無かった、等が考えられます。ここが投資の匿名性が問題と言われる所以です、何も本当の所が分からないのです。どこの何ていう物件かが分かれば、評価額が本当だったかは分かりますが、それが分からない。

しかし全案件に不動産が担保され、社長自らメディアにも出て信用をアピールしており、結果的に騙された形です。巷では集団訴訟が行われているとのことです。

マネオの延滞について

2018年から始まったファンドでずっとずっと延滞が続ています。マネオによると理由は返済が滞った、との事ですが私自身の投資は20数万円。投資家たちの投資金額は12億円6億円と書かれており、大型案件だった事が分かります。これが返済されなければとんでもない事になります。

不動産開発のファンドで、不動産を第1順位で担保してるのに返済不可能とはどういう事なのか?太陽光発電の開発の為に土地を第1抵当で担保しているのに返済不可能とはどういうことなのか?

何のための抵当なのか、不動産や土地に価値がないのか、早く返済していただきたいものです。マネオグループがソーシャルレンディング業界で最も信頼していたので、ここが崩れると詰みます。

グリーンインフラレンディングの延滞について

主に太陽光発電やバイオマス発電、水力発電等の自然エネルギー投資に特化した会社です。30数万円投入していますが2018年以降2年も分配が止まったままです。投資家に分配されるはずだったお金が他の会社へ振り込まれたりと、状況も黒に近い。利回りが高いのでリスクが高いとは思っていましたが、一応マネオグループなので信用したのが間違いだったかもしれません。

ソーシャルレンディングは危ないのか?

危ないのか危なくないのかと問われれば「危ない」と言わざるを得ません。どんなに分散投資をしても1つの会社が複数のファンドを作っている以上、分散投資をしても意味がなく1つの会社が転ぶと30も50も一気にファンドがダメになります。

いわゆるローリターン、ハイリスクに当たるという事が、今回で判明しました。会社が上場しているとか利回りのかなり低い案件ならばローリターン、ミドルリスクまで抑えられるかもしれませんが、正直割に合いません。1回のデフォルトで数年分の利益が一気に吹き飛ぶからです。

何より今回の事で衝撃を受けたのは不動産を担保にした抵当が全く信用できないという事が分かりました。東京24区の都会のど真ん中なら価値は下がりにくいとは思いますが、そもそも本当に担保されているのかも不明(ラッキーバンクでは証明書と価格を掲載していたが信用できなかった)ですし、何かあった際に売却できる力があるかもわからない、足元見られ安く売却する可能性だってあるわけです。デフォルトしてもサービス提供会社は困らない為、積極的に投資家を保護する気が無いところも多いのです。

ソーシャルレンディングのほとんどがオワコン

現在投資を行っていたソーシャルレンディングサービスは、どのような状況になっているのでしょうか。

投資をしていた現在のサービス会社

maneo⇒サービス停止
グリーンインフラレンディング⇒サービス停止
クラウドリース⇒破産
ガイアファンディング⇒サービス停止
クラウドバンク⇒営業中
ラッキーバンク⇒サービス停止

悲惨です、唯一営業しているのが「クラウドバンク」ですが、公正取引委員会より過去2回「営業停止命令」が出されています。ほとんどがサービス停止をしており、しかも業務改善命令が出されたり、金融商品取引業の取り消しがされたり、訴訟が行われているところも多く完全にオワコン(終わったコンテンツ)です。

今後の方針はどうするのか?

ソーシャルレンディングからは完全に撤退を行います。あちこちで訴訟が行われており新型コロナウイルスの影響で不動産抵当なども今後更に信用出来ず、こんなリスクの高い投資を行うなら「株」「投資信託」「ETF」の方が透明性があって良い事が分かりました。

何とか「マネオ」と「グリーンインフラレンディング」には返済をしてもらいたいものですが…。皆さんも私のように失敗したくないならば、危ないソーシャルレンディング投資だけはやめておきましょう、どんなに実績があろうともデメリットが多く大損します。