資産を形成するにはのんびりと貯めるか、一気に稼ぐかの2通りがあります。もちろんどちらの資産運用も正解か不正解かは、その人のライフスタイルによるでしょう。家族がいて子供がいるとリスクは取れなかったり、独身で若ければ資産を大きく増やす可能性にかけることも出来ますが、リスクも高くなります。債券は定年まで一流企業で働けて、ボーナスや退職金に年金と心配ない生活ならのんびりと、という方法は向いていますがそうでない場合は、資産形成に向けて「攻める」必要があります。
株は債券の遥か上を行くリターンが期待できる証明
債券は一般的にリスクも低くリターンも低く、株式と反対の性質を持っています。歴史を見てみると、株式のリターンは債券のリターンを圧倒しています。
出典:Research Institute Credit Suisse
上記はここ1900年~2015年までの115年間のリターンを表しています。青色が「株」、黄色が「債券」、緑色が「国債」です。日本・ドイツ・フランスなどでは1940年から1950年に起こったハイパーインフレでは、下がりきった分が未だに戻ってきていません。アメリカやヨーリッパでさえ、急激な落ち込みは無いにせよ株とはトータルリターンが比べ物になりません。債券は大きい出来事が起こった時は、復活できない程の壊滅的なダメージを食らうのです。
確かに複利運用でコツコツ投資をするのは有りですが、年間で数%の違いは結果的に圧倒的な複利差を生みます。先程も述べたように「極力安全に資産を運用」したくて「早期リタイヤなども考えていない」場合は良いかもしれませんが、リターンは虚しいものです。
アーリーリタイヤをしたいかどうか?
近年では過労や社蓄・ブラック企業・パワハラ・モラハラ・マタハラなど社会を取り巻く仕事の環境は良いニュースがありません。アーリーリタイヤとは、定年を待たずにリタイヤすることで会社に囚われずに自由に生活をするというものです。
確かに一流企業で給与や退職金がたくさんもらえ、福利厚生や手当ても抜群で定年までとなればお金には困らないでしょう。しかしそんな方は資産運用なんて考える必要も無いでしょうし、考える時間もありません。もしも安全に資産を運用したいなら「日本国債」や「定期預金」で良いでしょうが、ボーナス賞与が無かったり退職金も無く、定年までとてもじゃないが・・・という中小企業も多いはずです。1日でも資産を早く増やすにはどうしたら良いのでしょうか。
債権には投資をしないと言っても、暴落が怖い時は?
株式100%でポートフォリオを構築すると、大幅な株安時は資産に大ダメージを受けてしまいます。しかしデイトレーダーではありませんので、そこは「買い増し」という選択肢をするべきです。リーマンショックも考えるとマイナス50%は覚悟しておき、いざという暴落時に拾えるようにキャッシュ(現金)は手元に置いておいた方が良いでしょう。現金が無ければ暴落時に拾えないため、株式100%投資はリスクが高すぎて逆に手を出さない方が無難です。
社蓄生活からの開放やリタイヤを考えているならば、コツコツ投資をしている時間は多くありません。少しでもリスクを取ってリターンを狙いに行くべきです。問題があるとすれば「暴落時」にきちんと拾うことが出来るかということでしょう。その時の為に投資信託なら積立がありますし、海外ETFでも手動で購入しておけば問題ありません。
個人的には日本の未来は、すさまじい少子高齢化の勢いで「明るくは無い」と考えていますので、世界のほとんどのお金を牛耳っているアメリカに投資をすることが良いと考えています。
アメリカの株式のみだと分散投資にならないのでは?
出典:Research Institute Credit Suisse
上記は世界の株式市場を牛耳っている割合です。アメリカだけで「52%」と過半数を超えているのが分かります。アメリカの会社は世界各地で動いています。アップル・マイクロソフト・コカコーラ・P&Gなどもそうですし、お金の大半がアメリカに集まっていればアメリカに投資をするだけで分散投資に近い事が出来るのです。アメリカが転げば日本も世界も転びますし、分散投資をしすぎると年間利回りを下げてしまいます。
コツコツとゆっくり資産を形成し、会社員として安定して定年まで働くならセゾン投信の「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」などが候補に入るかもしれません。私は積立辞めましたが。
債券の割合が50%と高く、コストもバンガードにしては現在では安く感じなくなりました。ニッセイやたわら等、手数料の安いところが増えています。安定という意味では良いかもしれませんし、社長の考えも納得できますが、私の増やしたいやり方はコレじゃないんですよね。
バンガードを購入するなら海外ETFの「バンガード・S&P 500 ETF (VOO)」がオススメです。年間コストは0.05%ですし、2016年末の時点での年間トータルリターンは約14%と優秀です。ただし今から購入する場合は、ブラックロックの「iシェアーズ・コア S&P 500 ETF(IVV)」が年間コスト0.04%と激安で、純資産総額は10兆円を超えているのでコスパは最高クラスです。
国内ETFも良いですが、投資対象が限られますしファンドも多くありません。海外ETFも昔に比べて手数料や特定口座対応等で手を出しやすくなりました。少しでも資産運用を加速させたい場合は、日本の株や債券ではなくアメリカの株式で勝負してみてはいかがでしょうか。ちなみに私も「日本の株」やその他の「債券」にも手を出していますがこれは趣味です。