Jリート株(ETF)の組み合わせで、毎月分配金をもらう仕組みを作るには

国内のJリート株式銘柄(不動産)を保有していれば、決算期に配当金がもらえます。しかしリート単体の株は、保有するためには数万円から数十万円もお金がかかるため気軽に購入できません。毎月配当金をもらうようにポートフォリオを構築しても良いのですが、1つの銘柄が大きく値を下げるとダメージは深刻で、それを防ぐ為に分散投資をすると多額の資金が必要になります。そこでそれらを解決してくれる方法が「リート集合体の株」を買う、つまりETFというわけです。


Jリート株を購入すると結構お金がかかる

国内の不動産に投資をしているJリートを購入するには、個別に株式銘柄を選定する必要があります。Jリート平均の利回りは「約3.7%」(時期によっては3%~4.5%近くまで幅がある)ですが、最低単元株数を購入となるとそれなりにお金を用意する必要があります。

不動産と一口に言っても、事業所をメインにしているところや商業施設に住宅と種類は様々です。例えば5銘柄の分散投資をして下記を購入するといくらかかるでしょうか。

【総合不動産】
・大和ハウスリート投資法人(8984)

【事業所メイン不動産】
・ジャパンリアルエステイト投資法人(8952)

【住宅メイン不動産】
・アドバンス・レジデンス投資法人(3269)

【商業施設メイン不動産】
・日本リテールファンド投資法人(8953)

【ホテルメイン不動産】
・星野リゾート・リート投資法人(3287)

282,200+611,000+304,000+225,800+576,000=1,999,000

もちろん基準となる価格は上下しますが、約200万円かかる計算になります。目安ですが年間配当金は約68,000円で配当利回りは約3.44%となります。

しかし見て分かる通り、1つ当たりの株価が高く10%でも下がろうものなら5万、6万とすぐに落ちてしまうような銘柄まであります。もちろん数万円から購入できるJリートもありますが、とても気軽に購入という価格ではありません。キャピタルゲイン(株の売買益)とインカムゲイン(配当金)の両方を得られますが、特定銘柄の価格における比率が大きい為、リスクが高いと言えます。

Jリートで毎月分配金(配当金)が欲しい時、投資額はいくらかかるのか調べてみた

投資信託でJリートを構成すると買いやすい

投資信託のJリート投資には2つの方法があります。それは「毎月分配型投信」と「インデックス投信」です。Jリートで構成されているファンドは、日本のリート個別銘柄で構成されており、1つのファンドへ投資するだけで分散投資の効果があります。

投資信託は「積み立て」も出来ますし、1口単位の解約や分配金の「自動再投資」も出来るのがメリットです。更に1,000円から購入できるところも多く、忙しいサラリーマン(会社員)でも世の中の同行に目を配らなくても投資が出来るのです。

毎月分配金をくれる毎月分配型投信ですが、現状ほとんどが「タコ足配当」となっており基準価額が上がっている上昇局面以外は資産を形成しにくくなっています。それに加えて「買い付けの手数料」が高く、年間コストの「運用管理費用(信託報酬)」も安くないので、長期的に見ればインデックスファンドの方が良いでしょう。

インデックスファンドは、例えば日経平均・TOPIX(トピックス)・東証やジャスダックの指数・NYダウ(ニューヨークダウ)と同じような動きをするよう作られたファンドです。毎月の分配金を出さない代わりに再投資して複利運用し、効率の良い投資方法となっています。しかし効果が出るまでに数十年かける必要があり、いざ資金が必要な際は元本を割れていても取り崩す必要があります。

不安定な株やFXよりソーシャルレンディングはいかが?

余剰資金で銀行に寝かせておく位なら、インデックスファンドへ投資するのはアリでしょう、しかし無理をして生活資金をつぎ込むくらいならソーシャルレンディングなど他に方法もあります。なぜならインデックス投信の効果が分かるのは数十年先の為、少しずつ確実に増やしていきたいと考える方へは合わないからです。

ETFでリートはダブル収入の可能性がある

ETFは株式銘柄で構成された「投資信託が株になった」ような面白い銘柄です。少し説明が分かりにくいでしょうか、中身を見てみると以下の形です。

【株】←ETFは株として売買される

【投資信託】中身は投資信託

【株】投資信託の中身は株

このような構造になっています。もっと詳しく知りたい方は以下の、株・投資信託・ETFの違いをご参照ください。

ETFは株や投資信託に比べてメリットもいっぱい、きちんとした毎月分配金ももらえます

ではETFで毎月分配型を作る場合はどうすればよいのでしょうか。今回はリートで構成してみましょう。

・NZAM 上場投信 東証REIT指数(1595)
・NEXT FUNDS 東証REIT指数連動型上場投信(1343)
・MAXIS Jリート上場投信(1597)
NZAMは「1月、4月、7月、10月の各15日」が分配となっています。
NEXT FUNDSは「2月、5月、8月、11月の各10日」が分配となっています。
MAXISは「3月、6月、9月、12月の各8日」が分配となっています。

このように各上場投信共に分散投資をしているので考える必要は無く、分配日を設定するだけで毎月分配型となるのです。しかしこれは個別銘柄の株でも実現は可能です。

ETFは投資信託を買うような資金で購入できる

ETFの魅力は手軽な価格で購入できるということです。例えば「NZAM 上場投信 東証REIT指数(1595)」を購入しようと思えば、売買単位は10口なので約18,000円で購入できます。それぞれ3種類を購入しても約60,000円と株式に比べて手軽であり、特定の銘柄による下落幅が少なくリスクが抑えられます。

ETFは万能ではありません

万能な投資方法というものはありません、ETFにはメリットもあればデメリットもあります。資金に余裕があれば株式で購入した方が、利回りも高く物によっては配当金と株主優待がダブルでもらえる可能性があります。ETFに株主優待はありません。

投資信託のように積み立ては出来ませんし、売りたいときに投資信託のようにすぐに全部売ることが出来ず、流動性はそこまで高くありません。しかし毎月分配型のようにタコ足として原資から削るのではなく、きちんとした利益からお金を出しています。更にはキャピタルゲイン(株の売買益)とインカムゲイン(配当金)の両方を得られる可能性が高く、確実に毎月お金が入るのは安心ではあります。

株はリスクが高く、投資信託は資産形成に時間がかかりすぎる・・・そのような中間層の機能を併せ持ったものがETFというわけです。これからETFについての投資情報も発信していきます。