2015年中盤から始めたソーシャルレンディングですが、2016年はがっつり1年間戦いました。後半は少し投資資金を空中に浮かしてしまい、投資機会損失期間がありましたが概ね良好な投資となりました。利回りは何パーセントだったのでしょうか、計算してみましょう。
目次
現在の投資先ソーシャルレンディング
現在私が投資をしているソーシャルレンディングサービス会社は以下の通りです。ちなみに昔はソーシャルレンディングもクラウドファンディングも同じような意味合いでしたが、現在では投資系をソーシャルレンディングと呼ばれている事がほとんどで、寄付や支援系がクラウドファンディングと呼ばれています。
・Maneo(マネオ)
ご存知最大手の登録ユーザー数約4万人の提供会社、事業用や太陽光、不動産などのファンド案件が多い。LCレンディングやガイアファンディングなどの取次ぎも行っている。
・Crowdbank(クラウドバンク)
業務停止から見事復活、運用期間の短いファンドが多い、これは安全面という点でポイント高い。中小企業支援や太陽光関係が多く、風力発電なんてのもあります。オリックス銀行の融資内定済みなんていう面白いのもありました。
・Luckybank(ラッキーバンク)
全体的に利回りが高く、マネオやその他の利回りが若干下がってきた時にここだけ利回りを上げて、再び勢いが出てきました。主に東京の不動産抵当での案件がほとんど。タイミングによっては争奪戦になるため、最近は敬遠気味。
・Gaiafunding(ガイアファンディング)
海外のアメリカでの不動産投資です。テキサス・カリフォルニア・ロサンゼルスといった地域の物件が目立ちます。
・Crowdlease(クラウドリース)
アミューズメント企業への投資です。パから始まる遊戯、と言えばお分かりいただけるのではないでしょうか。それらの中小企業への設備投資がほとんどです。
今後の投資先予定や考えについて
他に参入を検討しているのは、Green infla lending(グリーンインフラレンディング)です。やはり太陽光や水力・風力といった原子力に頼らない自然エネルギーは、日本では「利回りの安定」という意味では強いです。sakura social lending(サクラソーシャルレンディング)は、地域を活性化するという意味では面白いですが、規模の小さい企業への投資はどうしてもリスクが高くなりがちなので様子見です。
安心を担保するなら上場会社のグループ、LClending(エルシーレンディング)も担保と保証があるローンファンドが多いので魅力です。
Americanfunding(アメリカンファンディング)も、ガイアとの分散投資という意味では良いかもしれませんが、どちらにせよアメリカの不動産です。
他には「みんなのcredit」にも興味はありましたが、このような書き方は個人的に何だかなという感じがします。1億10万円の案件で「6.60%~14.50%」。
募集案件1「1億円:6.60%」募集案件2「10万円:14.50%」で、ほとんど案件1しか無いという。
参考:《第88号》 M&Aローンファンド みんなのcredit
利回りが非常に高いが正直良く分からない、Crowdcredit(クラウドクレジット)。カメルーンやペルー、リトアニアなど発展途上国での支援のファンドがほとんどです。しかし本当の意味での分散投資を考えると、こういったサービスがあるのは投資家には選択肢が広がります。
2016年のソーシャルレンディング利回り計算終了
では2016年の総合利回りはどれくらいになったのでしょうか。全てのファンドを足して計算した数字です。もしかすると若干の見落としがあるかもしれませんが、ほとんどこのような感じです。なお、数字は「税引き後」となっています。
分配月
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税引き後利益
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2016年01月
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4,119円
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2016年02月
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662円
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2016年03月
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3,082円
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2016年04月
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12,599円
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2016年05月
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10,155円
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2016年06月
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15,052円
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2016年07月
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13,511円
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2016年08月
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13,850円
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2016年09月
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18,775円
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2016年10月
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13,271円
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2016年11月
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12,662円
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2016年12月
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13,819円
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合計
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131,557円
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利回りは「4.24%(税引き後)」となりました。ということは税引き前でも「5.32%」程でしょうか。思ったよりも少ないな、というのが感想です。なぜなら私の投資したローンファンドは比較的高い8%や9%も多かったからです。
参考データを出すと、2015年のソーシャルレンディング投資の年間利回りは「6.8%」となっています。しかもこの数字は税引き後です、なぜここまで利回りが低下したのでしょうか。
なぜソーシャルレンディングの利回りが、大きく低下したのか
個人的には税引き後でも5-6%、税引き前なら7%以上を目指す方針の投資でした。ではなぜここまで利回りが低下してしまったのでしょうか。焦げ付いてデフォルトしたのでしょうか?いいえ、そのようなローンファンドは1つもありませんでした。主な原因は2つあります。
原因1:投資先が無い・もしくは条件の悪い投資先に二の足を踏む
以前こちらで書いたように繰上返済の割合が多かったことです。繰上返済とは、「返せるお金がまとまったので全部返したい」というもので、お金を借りた事業者が完済したことを言います。
例えば2月1日から10月1日までの8ヶ月運用するはずが、6月1日までの4ヶ月運用(終了したという事)となり、6月1日に全額戻ってきた、といった具合です。そうすると10月1日に運用先を探す予定が、すぐに探さないといけなくなり、お金が宙に浮いてしまいすぐに投資できないことになります。もちろん良い投資先があればいいですが、そうとは限りません。
ラッキーバンクのように同時に動いている投資先が無かったり、すぐに埋まってしまったりするとお金が暇をしてしまうのです。またマネオのように利回りが低い案件や担保・保証が無い案件ばかりの時期に直面すると、投資をする条件が整わないのも問題です。
お金が予定より早く戻ってくる⇒投資先を探す⇒良い投資先が見つからない⇒出てくるまで待機 このような現象が起こってしまい、投資効率が悪くなっているのが1番の原因です。
原因2:貸付実行までの待機期間がある
ソーシャルレンディングは機械が行っているわけではなく、人が人にお金を貸しています。自動的にお金が動くわけではなく、様々な企業への手続きが必要になります。それは担保であったり契約であったりと様々です。
例えば5月1日から募集が始まったローンファンドがあったとします。募集の締め切りが5月15日と2週間です。しかし貸付は6月1日からという表記になっています。つまり、5月15日に締め切ってから、2週間は「待機期間」が存在することになります。
この間はもちろん配当金等は発生せず、いわゆる投資家にとっては「無駄な時間」となります。しかも5月15日に投資をしたのならまだしも、5月1日に投資をしていたら、6月1日までの1ヶ月間が利回りに換算されない待機期間になります。こんなことがあれば当然、利回りは大幅に低下するというわけです。
2017年は安全に効率よく運用する
2017年もソーシャルレンディング投資は続けますが、1番大事にすることは「安全」です。担保はあるのか、保証はどのようになっているか、それをきちんと確認し落ち着いて投資できる環境が1番投資には向いています。
そしてお金が宙に浮いている期間を少しでも無くし、日々止まらずに動き続けるように状況を定期的にチェックすることが大事です。知らない間に償還されており、再投資をし忘れていたなんてことにならないように、現在の状況を確認するように意識していきます。