なぜ「ソーシャルレンディング」で危ないファンドに手を出すのか

企業にお金を融資して、その返済を利息としてもらうソーシャルレンディングですが、案件やサービスが多岐に渡り募集されています。しかし中には面白い案件もあれば、危ないような何かあれば返ってこなくなるのではないか、といったリスクの高いローンファンドもあります。しかしリスクが高く、利回りがそこまで高くないにもかかわらず投資をする方が数多く存在します。

利回りとリスクは比例する

利回りというのは、簡単に説明すると年間で投資した額のいくら儲かるかという数字の事です。例えば100万円を投資して年間10万円得られれば、100万円の10%で10万円、つまり利回りは10%ということになります。

この利回りは一般的に高ければ高いほどリスクが高く、低ければ低いほどリスクが低いものです。国債でもない限り、保証や保全は完璧には行えませんし募集する際に募集者が元本を保証と謳う事は出来ません。

担保とはどういうものか

投資をするローンファンドには、担保もしくは保証が付いているもの、もしくは両方が付いている、付いていないファンドが存在します。これらはどういった物なのでしょうか。

例えば【担保】というものは、借りたお金が返せなくなった場合に保険として抑えておく物を指します。お金が返せなくなった時は、保険として抑えている物件、例えばマンションや土地などを売却して返済に充てるというものです。TAS評価(タス)というもので金額が出されていたり、抵当権として第1順位、第2順位として設定されています。

TAS評価とはその物件の現在の価値を、不動産鑑定手法によって査定したものです。順位とは、第1順位が優先的に売却した際のお金を受け取る事が出来、第2順位はその次に優先的にお金を回してくれるといったものです。つまり第3順位や第4順位になると、取りはぐれが起きるわけです。

担保にしている不動産の価値は日々変化するものです。2億円の価値がある物件が保険として抑えられており、2億円融資しているファンドがあるとします。焦げ付いて返済不能に陥った場合はどうなるのでしょうか。その際に土地や建物に変化があり、1億円の価値しか無い場合はこうなります。

第1順位:1億円
第2順位:1億円

第1順位で投資している方へは、保険の物件を売却して返済がされます。しかし第2順位として優先順位が低い物件では、お金がトータルで1億円しか戻ってきませんので回収できません。投資金額が丸々損をするというわけです。

保証とはどういうものか

では保証とはどういうものなのでしょうか。マンションやアパートを借りるときの保証会社のようなもので、返済できなくなった場合は保証先が肩代わりしてくれるのです。元本額や直近の返済期日までの利息を保証してくれる場合が多いでしょう。

中には「代表者連帯保証」というすごく頼りない保証もあります。これはそのプロジェクトが破綻した場合、代表者(個人保証)が変わりに保証するというものです。確かに大企業の社長なら貯金もすごいでしょうし、自由に使えるお金も相当なものでしょう。しかしソーシャルレンディングで借りる会社の社長に、どれほどの返済能力があるのでしょうか。事業規模として年商が少ないような会社では、焦げ付けば会社の倒産の可能性も0ではありません。それほど連帯保証が代表というのは心もとない、ないよりマシな保証なのです。

担保も保証も無いローンファンド

中には担保も保証も無いファンドもあります。これは通常利回りが高く、リスクが高い上級者向けの商品です。にも関わらず、大丈夫だろうという思いで気軽に投資をして痛い目にあう投資家が増えています。

運営会社がある程度実績があり、運用期間が短いなら投資をしても良い場合も有ります。しかし運用期間が長い場合にはあまりにもリスクが高すぎます、それは逆に考えれば分かることです。

あなたがお金を借りた場合、返せなくなっても家はとられず、給料は差し押さえされない、何年も待ってあげるよ、と言われればどうでしょうか。かなり楽だと思いませんか、これはそういうことを言っています。もちろん実際には裁判や何らかのアプローチはありますが、担保・保証が無いので強制権がありません。裁判も何年かかるか分かりませんし、返るかどうか分からないお金をずっと待っているのも嫌なものです。

投資をする際は必ず「担保」か「保証」があるファンドにしよう

何かあったときのリスクを考えれば、担保・もしくは保証が無い物件への投資は考えられません。その2つがあった場合でも、100%の回収はありえない位です。

現在は東京に不動産が集中しており、担保物件が多数存在します。しかし東京オリンピックが終わったらどうなるのでしょうか、それが心配でなりません。圧倒的力のある物件が多い、東京でそのような心配になるのですからその時の地方はどこまででしょうか。地方の一棟マンションを押さえてあると言っても、少子化や過疎も進行していますし、今後は増えていくかどうかも不明です。

そう考えると、あまり運用期間の長い都市部以外の担保物件に関しても、今後のリスクに目が行くようになります。ソーシャルレンディング会社によっては、「抵当権を設定しています」とだけ書いて、実は第3順位(書いていない)でデフォルトすればお金が戻る気配も無い、そんなところもあるかもしれません。どこまで情報が開示されているかをきちんと見極め、あまり高くない利回りで担保も保証も無いファンドがあった場合、今一度投資をすべきかどうか考えてみてください。