基準価額が「異常に低い」投資信託は何者か

投資信託を一覧から検索してみると、国内株式・海外株式・国内債券・海外債券・不動産など様々な資産タイプが存在します。純資産順に並べたり、トータルリターンで並べたり、買い付け順位を見たりと並び替えると、聞いたことも無い投資信託が出てきます。そこでふと気になったのが、基準価額の低い投信です。

基準価額が高いor低いどちらがよいのか?

基準価額とは、その投資信託が現在「どのくらいの価値があるか」ということが数字で表されているものです。例えば5,000円の基準価額の投信と、15,000円の基準価額の投信があった場合、どちらが優秀な投信かは分かりません、状況が全く異なるため単純に数字だけでは比べることが出来ないのです。

基準価額が低いのはなぜか?

ではなぜ基準価額が低くなっているのでしょうか。当初のスタート地点では基準価額が10,000円からのスタートです、例えばこれが8,000円になった場合、どんな理由が考えられるのでしょうか。

1:分配金を過剰に出しているから

毎月分配型投信の場合、毎月の分配金を過剰に出すことによって利回りを上げています。しかし純資産から過剰に出したことで、基準価額が下がってしまうのです。

2:投資対象の株価が下がっているから

例えば人気の投資信託に、「ニッセイ日経225インデックスファンド」というものがあります。これはその名の通り、日経平均株価の動きに連動するように構成されています。ということは、日経平均が株価が下がれば自然とそれに投資している投資信託の基準価額も下がるのです。

設定日によって基準価額は変化する

例えばリーマンショックの際に、株価が大暴落しましたがその直前に10,000円で設定された基準価額の投資信託があった場合、5,000円まで下がることはあるでしょう。そしてその5,000円にまで下がったときに、10,000円と基準価額が設定された投資信託もあります。

内容は全く同じでも、設定されたタイミングによって基準価額は異なってしまうのです。そのため、どちらが割安か割高かという判断は出来ません。

基準価額が下がり続ければ0円になることはあるのか?

個別銘柄の株の場合は紙切れの0円になる可能性はありますが、投資信託の場合下がり続けても0円になることはまずありえません。それは投資信託が株の集合体だからであり、1つの株が倒産して上場廃止になっても他の株で支えられているため、0円になることは無いのです。

ファンドの基準価額が3,000円で毎月50円の分配を行なった場合、基準価額は毎月50円分ずつ下がります。仮にこれが1年間続くと分配金は合計600円となり、保有資産の価値に変化がなければ、基準価額は2,400円に下がるという計算になります。ファンドが分配金として払い出せる範囲は決まっているため、際限なく分配金を出し続けられるわけではありませんが、このまま50円の分配を続けていくと、基準価額は60ヵ月(5年)で0円になってしまう計算になります。

出典:日興アセットマネジメント

現在の毎月分配型ファンドのように毎月過剰に分配を行った場合、基準価額はどんどん下がっていきます。純資産額が元々少ないファンドの場合は、払い続ける出し続ける体力がありません。

その為分配を途中で減配することがあります。50円から30円にというようにアナウンスが出ます。この時は上記のような心配をしているのであって、少しでも長く稼動し続けるように減配してでも運用を続けるのです。

基準価額が何で下がっているのかを見極めよう

楽天証券で見てみると、基準価額を低い順に並べると下記のようなものがヒットします。

・大型株ファンド(大和証券投資信託委託)
・MHAM株式オープン(アセットマネジメントOne)
・新光Wベア・日本株オープンIII(アセットマネジメントOne)
・ワールド・リート・セレクション欧州(岡三アセットマネジメント)

特に大型株ファンドは設定が1961年と投資信託史上最古アクティブファンドとなります。55年以上の実績があり、トータルリターンも良く、最近の成績ではTOPIXを上回っています。基準価額がここまで低いのは、設定された環境がここだけ他と異なる為です。

他のファンドでもそうですが基準価額が低いのは、設定時期がたまたま悪かったのか、分配金を過剰に出しているのか、構成されている株式のチョイスが悪いのか、運用が下手なのか、もちろん悪い理由ばかりではありません、理由は様々です。

投資信託の運用成績を測るには、基準価額を見るのではなく「トータルリターン」を見る事が大事です。ここ数年の成績は実際どうだったのか、他の投信と比べて成績が良いのか悪いのか、よい投資信託かどうかはそこが1番重要なのです。