積立投資には投資信託の他に、金・銀・プラチナなどの実物資産があります。実際に現物として持っておいたり、専門業者の金庫に保管してもらったり(特定保管)・コストを抑えてデータ上で資産として持つ消費寄託などがあります。3種類の積立投資が盛んですが、同時に始めたはずなのに「銀」だけ上がっています、どうしてでしょうか。
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金とプラチナは似たような動きをする
銀を語る前に「金」「プラチナ」の話をしましょう。金・プラチナと聞くと怪しい高価買取の業者のCMを思い出します。地方では商店街の一角に、都会でもショッピングフロアの隅っこに「古くなった金やプラチナを持ってきてください!」と書かれています。
ここでふと疑問が出てきます、金やプラチナはあるのに銀がありません。それもそのはず金やプラチナはグラム当たり3,000円とか4,000円と金額は高いですが、銀はグラム当たりは60円や70円なのです。よっぽど重くない限りは、買取としての価値は低いという事です。
左上が「金」の価格で右下が「プラチナ」の価格です。中央で大きく下がって大きく上がってくるなどタイミングは似ています。しかし最終的には微増に留まっています。そして左の高い時期を超える価格には到達していません。
銀は少し動きが異なる
では「銀」はどうなっているのでしょうか。見てみると確かに中央で下がって戻ってきていますが、1番右が極端に上がっています。銀の価値が上がっているという事は、それだけ銀の需要が増えているのです。
なぜ銀が上がっているのか?
実は大昔は金よりも銀の方が価値が上でした。それは金の砂金等の採取方法に比べて、銀の採取方法が限定されていたからです。しかし最近では採取方法の向上で、銀があふれたことから価値が下がっています。下がっているといっても金よりという意味です。
金は宝石や指輪・ネックレスなど宝飾品に使われますが、銀は主に工場や医療に使われます。
銀の投資で有名なのがハント兄弟の件
銀が金より価値が低いのを利用して、市場の6割を買い占めて独占したハント兄弟がいました。株でも良く聞く仕手筋というものです、
米テキサス州出身のウィリアム・ハ ーバート・ハント氏はかつて、世界屈指の資産家だった。1970年代には 兄のネルソン・バンカー・ハント氏と共に、米国の市場の60%に相当す る1億9500万オンスを超える銀を買い占めた。80年の初めまでに、兄弟 が保有する銀の価値は90億ドル(現在のレートで約8500億円)以上に達 した。
出典:ブルームバーグ
数週間後に80%も下落し、破産したのは有名な出来事です。
銀の価値が上がっている
イギリスのEU離脱問題で、金融資産の金・プラチナ・銀が軒並み上がっていますが、銀だけは上がり具合が他の比ではありません。上昇率は倍近くに上り、どうしてこうなっているのでしょうか。
銀高騰で銀連動型ETFへの資金流入がここ3年で最大に-チャート
銀価格の年初来上昇率が金のほぼ2倍となる中、銀連動型上場投資信託(ETF)で最大の「iシェアーズ・シルバー・トラスト」への投資資金の流入が、ここ3年余りで最大となっている。その理由は、英国民投票での欧州連合(EU)離脱決定による影響を鎮めるため、各国・地域の中央銀行が取り組みを進めるとの楽観的な見方が高まり、銀の工業用需要の拡大につながっているためだ。
出典:ブルームバーグ
やはりイギリス問題が絡んでいるとの見方が多いようです。ずっとマイナスだったパフォーマンも銀だけが上がっているのは驚きです。しかし若干上がりすぎなような気配があるので、これ以上期待するのもどうかなという状況です。
現在の積立のパフォーマンスはどうなっているのか
参考:1年ちょっと[金][プラチナ][銀]を毎日積立をした結果を発表します
数ヶ月前の私の投資状況ですが、下記の通りでした。
【金】4,650円で取得 売ると4,300円
【銀】62円で取得 売ると52円
【プラチナ】4,000円で取得 売ると3,300円
銀とプラチナの下落が激しい頃でした。現在はどうなっているのでしょうか。
【金】4,600円で取得 売ると4,480円
【銀】62円で取得 売ると66円
【プラチナ】3,930円で取得 売ると3,670円
金は少し上がっただけですが、銀はあっという間にプラスになりました。プラチナも少し持ち直しています。購入時に3%程手数料を持っていかれるので、マイナススタートからここまでよく巻き返したものです。しかし銀よりもやはり金の方が市場価値という面で、安定して安心して積立できそうです。