東京電力福島第1原発を始め、福島にはいくつかの原子力発電所があります。東日本大震災で大打撃を受けたのは事実ですが、原発に変わる新たな発電所として風力発電所が注目されています。
自然エネルギーの発電所として、太陽光発電、水力発電、風力発電、地熱やバイオマスなど様々な種類があります。原発で被害の多かった福島では、風力発電で電気を生む試みが始まっています。
原発のあった近辺で風力発電が建設される
丸紅や東京大学、三菱重工業など11社・大学が参画する福島洋上風力コンソーシアムは22日、出力7000キロワット、高さ220メートルという世界最大級の洋上風力向け発電設備の安全祈願祭を小名浜港(福島県)で行ったと発表した。今後、沖合に曳航(えいこう)し9月中旬から試運転に乗り出し、12月中旬から実証運転を開始する。
その1つが大手商社の丸紅や東京大学が参加しているプロジェクトです。2015年の12月から運転を開始するそうで、新たな発電源として注目されています。原子力に比べてリスクが低いのが特徴で、コストやどのくらい発電するのかを検討して商業化にこぎつけようとしているとのこと。
浮体式で、洋上風力発電とのことだが、浮体ということは浮いている、つまり海上に発電所が立つのである。太陽光は陸上で、今までの風力も山の上へ風車を建ててというのが多かった。場所は、東京電力の福島第二原子力発電所から20キロ程はなれたところだそうだ。
かなり力を入れているらしく、世界最大の風車となる予定で新しい発電所の電力量が注目されます。
JR東日本も風力発電を事業として準備
出典:JR東日本の再生可能エネルギー基地 太陽光、風力など相次ぎ事業化
荒波がしぶきを上げ、強風が吹き付ける日本海沿岸。JR東日本はその風を使った風力発電事業の準備を進めている。羽越本線の道川-下浜間(秋田市)の鉄道林用地に、高さ約80メートルのタワー、直径約90メートルの風車の風力発電施設を建設する。2015年秋に着工し、16年秋の運転開始を目指す。
JR東日本も風車を作り、風力発電に参入する。場所は秋田市で鉄道林用地とのこと。青森でバイオマス発電事業も立ち上げるそうで、鉄道会社も発電事業に参加する時代になりました。
【JR東日本の太陽光発電所】
・秋田追分太陽電池発電所
・秋田天王太陽電池発電所
・花巻愛宕太陽電池発電所
どれも岩手や秋田と東北が多い、風の通り道や日照時間で有利な地域が多く、地の利を生かした商法になりそうです。鉄道会社としては、沿線が盛り上がらないと収入も悪くなってしまうので、盛り上げるのと同時に働く人などを増やし、少しでも人口を増やし鉄道を利用する人を増やしてもらおうという狙いもありそうです。
福島県に企業が続々と参入を計画
風力発電事業大手のユーラスエナジーホールディングス(東京)が、福島県いわき市遠野町と同市田人町で風力発電事業を計画していることが1日、分かった。
同社などによると、遠野町で三大明神風力発電事業(仮称)、田人町で田人風力発電事業(仮称)を展開する。三大明神は風力発電機を最大18基設置し、最大出力は5万4000キロワットとなる見通し。田人は風力発電機を最大12基設置し、最大出力は3万6000キロワットと見込んでいる。ともに平成29年4月に着工の予定。
風力発電の大手が参入する予定との事、合計で30基を予定しかなりの発電量が想定できそうだ。着工は平成29年との事でもう少し先になりそうです。
先を見越して電力を発電するのは良いが、電力の買取価格は年々減少傾向にあります。数年後いくらになっているか、買取自体がどうなっているかは誰にも分かりません。ただし、電力販売の自由化が近くなってくるにつれて、自前の電力発電所を持っていることは経営の上で強みであり、電力は何をするにも必要なものなので戦略としては合っていそうです。
風力発電には問題点も?風力発電公害って知っていますか?
愛媛県宇和島市と愛南町の境界付近で計画されている風力発電事業で、ガイアパワー(徳島県)などが建設を予定する風車10基について、近隣の同市津島町御槙地区の住民らでつくる「みまきの将来を考える会」(黒田太士代表)が2日、計画中止を求める署名223人分と意見書を石橋寛久市長宛てに提出した。
地元の団体が計画中止署名を提出したそうで、地区の7割以上の署名になったとの事。署名の理由は。低周波による問題や自然破壊などをあげている。
風力発電所が近くに出来ると、風車の風を切る音で眠れなくなったり、例えば沖縄の基地で戦闘機の音が問題となっているように健康を損なう可能性もあります。
太陽光ならばパネルに反射して、向かいの家が眩しくなる現象は有名ですが、風車の場合は地域一体に影響します。
太陽光が台風でパネルが飛ばされて事故に繋がる可能性もありますが、風車も風に煽られて飛んでしまったりし事故になる可能性があります。もちろん人里はなれた場所に設置する場合がほとんどで、洋上の場合は人が住んでいるところはありません。
ただし人が住んでいない変わりに魚や魚介類に影響がある可能性もあります、これは風力発電公害とまで言われています。
千葉大学の調査に以下のようなものがあります
出典:風力発電における低周波騒音・振動についての調査 “風車病”の解消のために
肩が張る、吐き気、朝起きられないといった症状が現れ、音源(風車)
から離れると症状がなくなるという低周波騒音独特の被害が訴えられている
低周波は人間の耳では聞き取れないものまであるが、心理的・生理的苦情になる事例です。風力発電のデメリットが発電が風任せで安定しない、という記事をよく耳にするが公害についてはあまり書かれていない。環境や人へ周りへの配慮をして、設置し運用する、そこまで設置する際に考える必要がありそうだ。原発で働くことにデメリットがあるように、1日中風車の近くで働くと耳や体調にどう影響が出るのか、これから課題になってきそうです。
デメリットばかり見ていても何も出来ないことも事実です。発電所自体を無くすわけにはいかないので、取捨選択しどこまで許容できてどこから許容できないか、リスクと利益を天秤にかけ最善な発電所を建設してほしいものです。