私が購入している「海外ETF」4本柱の1つが、iシェアーズの米国優先株式ETFで「PFF」と言われるものです。これは毎月分配金が出るタイプですが、日本で言うタコ足型の毎月分配金投信とは全く仕組みが異なる健全な金融商品です。しかし年間リターン・パフォーマンスを見てみると良くはありません、果たして資産運用として保有しているのは間違いなのでしょうか。
目次
(PFF)iシェアーズ米国優先株式ETFのパフォーマンスについて
blackrock(ブラックロック)のこのETF、設定日は「2007年3月26日」となっています。2018年現在で約11年が経過しようとしていますが、リターンはこのようになっています。
年率 | 1年 | 3年 | 5年 | 10年 | 設定来 |
トータル・リターン(%) | 8.33 | 4.69 | 5.29 | 6.19 | 4.33 |
インデックス (%) | 9.11 | 5.46 | 5.96 | 6.85 | 4.83 |
2017年度末の換算だが「5年で5.29%」「10年で6.19%」となっているがインデックスとの乖離率が大きいのが気になります。これは年間手数料として経費率0.47%と高いせいもあるが、年次別に見てみると2015年がトータルリターン「5.93%」に対してインデックスが「7.51%」とかなり差が広がっています。
これを見る限りあまり効率の良い運用方法とは言えないのですが、分配金が年間で5%~6%となる場合もあってか人気の高いETFとなっています。
なぜインデックスとここまで離れるのか?
ETFはベンチマークに沿うように株式銘柄をチョイスします。しかし全てを同じにするのではなく取捨選択する事があり、構成されている銘柄が一致しないため乖離する事が多々あります。
もちろん全く同じ銘柄で構成されていたとしても、どれくらいの比率かによって変わってきます。例えばP&Gを5%持っているベンチマークに対して、4%しか持っていなかった場合は結果が変わってきます。
そしてETFには信託報酬として年間のコストがかかってきます。それに売買の手数料もかかることから、これらのコストが増えれば増えるほどインデックスとの差は広まっていくのです。
(PFF)iシェアーズ米国優先株式ETFでのキャピタルゲインは期待できない
(PFF)iシェアーズ米国優先株式ETFは、キャピタルゲインつまり売買時の値上がり益に対する期待は出来ません。前年の成績でも確認したようにほぼプラスマイナスゼロ、トントンといった状態です。
これは分配金が出ることで、トータルリターンをプラスに持っていくETFです。インカムゲインに期待するもので、キャピタルゲインに期待したいならばS&P500などを選びましょう。
上記は設定来の基準価額の推移です、リーマンショック意外では、ほとんど横一線で良い言い方をすると「安定している」、悪い言い方をすると「面白みが無く資産が増えない」と言えます。
心の安定とドルを貰うつもりで保有する
海外のETFを購入するには円では購入できません。必ず円からドルへと両替をする必要があり、その手数料が取られます。SBI証券の場合、住信SBIネット銀行を使うことで費用をかなり抑えることで使っている方も多いでしょうが手数料は少しでも0に近づけたいものです。
そんな時に分配金(配当金)として毎月ドルで入ってくる(PFFは12月のみ2回入る、1月は無し)のが、(PFF)iシェアーズ米国優先株式ETFです。ドルのまま使えるので、再投資をしたり他のETFや海外の株式銘柄を購入するのに両替手数料が要りません。ドルを生み出す生産機としての役割が出来るのです。
そして最大のメリットは「安定している」ということ。基準価額は全く気にしないで積立をしている方も、ずっと同じ銘柄や投資信託を保有している方も下落時は気になるものです。自分の資産が大きく減っていると心臓に良くありません、精神的に参ってしまいます。
ですので心に余裕を持つ為に、PFFを持つという意味で悪くは無いと考えています。非常にノンビリとした値動きであるので、毎月の分配金を楽しみにしながら投資へのモチベーションを維持し続けることが出来るのです。そういった心のゆとりという意味では、日本の毎月分配型投信と似ているのかもしれません。