体に悪い働き方から逃げるべき、巷に多い寿命を削る仕事とは

昨今キーワードとしてニュースに多く取り上げられるもので、「長時間労働」「ブラック企業」「ワンオペ」「24時間営業」といったものがあります。仕事がきついということは、それだけお給料をたくさんもらっている、となれば納得がいくかもしれませんが現実はそうではありません。実際には薄給で地方によっては手取り10万円代なんてのはザラにあります。気をつけなければ「寿命が縮む」ばかりか、「病気・欝病」といった事も十分に考えられます。ではどのような働き方(仕事時間・職種)が危険なのでしょうか。


人間は「朝起き」て「夜寝る」生き物だという事

夜更かししたり徹夜をすると、だるくなり頭がボーっとする、そんな経験は誰にでもあります。これは人間というものは昔からそういう「昼夜逆転の生活をしてきていない」という事です。

朝になるとお日様(日光)が当たり、体温が上昇し血行が良くなります。つまり体を動かしやすい状態に持っていってくれるというものです。では逆に夜になるとどうでしょうか、夜はお日様(日光)が当たらなくなり、体温が下がり体温も下がります。つまり寝たり体を休息させるのに適した状態になるのです。

これを無理やり動かすというものですから、体内時計が狂い支障をきたすのです。確かに原始時代など太陽以外に光が無い時は、自然とそういう生活になっていたのも納得できます。

最も働いてはいけない仕事の働き方

それは「2交代制」「3交代制」といわれているものです。特に「工場」「製造」「飲食業」といった仕事に多いのがこの働き方です。例を出すと以下のようなシフトで交代して働きます。

シフトその1 シフトその2 シフトその3
2交代制 8:00~20:00 20:00~8:00 —————-
3交代制 7:45~16:10 15:45~0:10 23:45~8:10

なぜこうのような仕事になるのか、それは仕事場が24時間動いているからです。日勤・夜勤・遅番といった言い方もします。それに加えて土日祝休みなどではなく、いつこの日程が入るかも分かりません。1ヶ月毎にシフトがずれていく仕事場もあります。「1月が日勤」で「2月が遅番」で「3月が夜勤」「4月が日勤」といったこの繰り返しで、休む曜日も月によって異なります。

契約社員や派遣社員に多いのですが、最近では人手不足もあり正社員もこの形態になっているところが大手どころでゴロゴロあります。20代や30代の若い内は良いかもしれませんが、遅かれ早かれ体が悲鳴をあげます。

実験で寿命が短くなると出ている

人間には前述したように「体内時計」が備わっています。それが乱れておかしくなると、体に様々な支障をきたします。京都府立医大がマウスを使った実験を公表しています。それによると1年9ヶ月の期間中にシフトを「きつい」「ゆるい」に分けて調査をしたところ、きついシフトでは睡眠障害が起こったり・寿命が短くなるというのです。

ゆるいシフトだと体内時計の乱れは軽微だったが、きついシフトではマウスが変化に適応できず、活動や休息の行動リズムが昼夜と関係なく乱れた。きついシフトは34匹中9匹が死んだのに対し、ゆるい方は14匹中1匹だけで、死亡率はきつい方が4・26倍高いと推定された。死んだマウスの67%で白血球の増加など炎症反応が確認された。

出典:頻繁に昼夜逆転→死亡率高く きついシフトをマウス実験

シフトがきつい、けれど必ず定時で上がれて栄養満点の食堂が無料で使えるなんていう場合はマシかもしれません。しかし更に残業が発生したり、疲れて食欲不振で栄養が偏り運動不足になれば目も当てられません。

3交代制勤務の「手当て」や「待遇」を見てみよう

大手自動車メーカーや大手家電メーカーが3交代制を採用しています。誰も行きたくて行く人ばかりではありませんし、給料が同じなら体に負担の無い仕事を選びたいものです。そうなれば3交代制は人手不足で工場が稼動できません。その為、待遇はかなり良いものとなっています。

但し、正社員の募集ではなく「契約社員」「派遣社員」「派遣会社の社員」の募集がほとんどという企業にとって圧倒的に有利な条件だということは覚えておきましょう。

食堂完備 産前・産後休暇 生理休暇 慶弔休暇
個室社宅寮無料 赴任手当て・特別手当 引越し費用補助 6ヶ月・1年満了手当て
制服貸与 持ち株制度 給与前払い有り 入社祝い金

待遇の欄を確認してください、こういった待遇が多くなっています。当たり前といえば当たり前です。こうでもしないと「人が集まらない」のです。そして注意したいのが大手家電メーカーの正社員雇用だと思ったら、実は派遣元の正社員だったという事もあります。これは工場の仕事を丸々請け負った派遣会社が、工場閉鎖時に解雇理由として切りやすいためです。

交代制勤務で更にストレスが溜まりやすい仕事とは

製造や工場以外に多いのが「介護職」「看護師・医師」「警察官」です。何か合ったときの責任が高くなる仕事では、プレッシャーによるストレスが他の職場とは異なります。もちろん給料も高くは設定されていますが(但し介護職は除く)不測の事態も多く発生して大変です、本当に感謝しなくてはいけません。

日本人はマジメで働きすぎだといわれています。労働問題で過労や欝が増え、国をあげて改善しなければ少子化も合わさって今後状況は悪くなっていくばかりです。

確かに「顧客を優先する事」「コストを削減する事」はとても大事です。しかし従業員に負担が増えすぎて還元しない場合は、弱いものイジメと言われても否定できません。高熱が出る回数が増えたり、頭痛が多くなってきた場合は早々に転職することをオススメします。病気になるほど命をかけてまで仕事をする意味は無いのです。