社長:「求人出してるよな?」 社員:「はい」 社長:「何で誰も応募してこねーんだよ!(怒」

物事には全て原因があって結果があります。売上が伸びないのにも原因があり、求人に応募が無いのも原因があります。しかし本当に良い人材に来て欲しいと思うなら、求人票を考えて作るべきで、場合によっては待遇を見直す必要が出てきます。そうしなければ「この会社、ブラック企業なんじゃない?」と敬遠されがちです。1つの求人に何百人の応募がある会社もあれば、3ヶ月経過しても全く応募が無いところもあります。具体的な改善方法を考えてみましょう。

会社の求人票をどこに出すか?

書類選考や面接・適性検査にWEBテスト、実技試験に作品集など求人によって選考方法は様々ですが、求人を出して人材を集めるには様々な場所があります。例えば以下のものが多いでしょう。

1:ハローワーク(無料の定番)

失業すれば必ず訪れることになるハローワークで、雇用保険の手続きをしに行った事がある方も多いのではないでしょうか。いわゆる失業手当をもらったり、検索や相談も出来るところです。職業訓練や働くママさん用のマザーズコーナーもあります。傾向としては中小企業が多く、大企業でも稀にありますが地方の僻地での求人が多いでしょう。

2:フリーペーパーやチラシ(地元密着型で有料無料どちらも有り)

新聞の折込チラシに入っていたり、フリーペーパーをラックに入れてお店やスーパーで無料で持っていってください、と配布する方法です。ほぼ地元の情報しか載っていませんし、同じ市内だけの求人がほとんどです。正社員も有りますが、主婦層や学生に向けたアルバイトやパートが多くなっています。

3:転職サイト(有料で全国へアピール可能)

リクルートやマイナビにエンジャパン等の転職サイトです。履歴書や職務経歴書を予め登録して応募が簡単に出来たり、スカウトと呼ばれる企業からの「受けてみませんか?」というお誘いもあります。ほぼ正社員で大企業が多いですが、競争率が高い傾向ですが地方の求人は少なく、都会がほとんどです。

4:転職エージェント
リクルートエージェント・マイナビエージェント・DODAなど、大手中小とかなり転職エージェント会社は多いです。かなりニッチな分野や専門職に特化した人など、一歩上のランクの求人を求めている方はエージェントを使う場合があります。

ただし一人紹介して手数料(年収の30%程、例えば年収500万円なら手数料は150万円)をもらう事がエージェントの目的なので「とにかく受けること」を急かされます。他であまり見かけない非公開企業が多く、スキルに自信のある方は利用してみましょう。

このようにそれぞれ得意不得意があります。しかし基本的な求人票の書き方は同じで、どれだけ「求人者にアピールできるか」が重要です。それによって良質な応募者を集められるかが決まるのです。ではどういった求人が人が集まらないのでしょうか。

なぜ従業員にコストをかけないのか?基本給が安く出勤も多い

ハローワークやフリーペーパー・地元紙でこういった求人、実はめちゃめちゃ多いのですが応募がかなり少ないのが現状です。しかも会社側は雇う気満々というから驚きです。

基本給:135,000円~146,000円
年間休日数:95日(シフト制)
手当て:雇用 労災 健康 厚生 交通費(1万円まで)
賞与:無し
昇給:無し
就業場所:地方の県庁所在地

給料が少ないという事は「仕事が楽」な可能性があります。しかしいくら楽だといっても、「生活できない金額」であれば誰も応募はしません。100歩譲って年間休日数が125日と書かれていれば、土日祝日が休みでお盆やゴールデンウィーク・年末年始があると考えられます。

しかし年間休日数は95日だと休みは「隔週土曜日」で出勤でしょうか。つまり拘束時間が長いと言えます。日本の平均年間休日数は約105日ですので、平均を下回っています。

手当てとありますが、普通の会社なら福利厚生の保険は付いていて「当然」です。稀に保険完備!と、ここを強調してアピールしている会社がありますが、見ているこちらが恥ずかしく感じます。注目すべきところは「交通費」が1万円までという事です。確かに東京都内や大阪市内ならまぁ1万円あれば、定期代として問題は無いかもしれません。しかし地方でこれは致命的です。

以前知り合いで片道1.5時間JRの電車で通勤していた方がいましたが、その方の1ヶ月の交通費は定期券で2.5万円でした。支給は1万円なので、1.5万円が「持ち出し」となります。何もしていないのに給料から1.5万円引かれるのです、基本給が少ないにもかかわらずこれは痛い。

最終のトドメの一撃として、賞与もなければ昇給もありません。つまり頑張っても頑張らなくてももらえる給料は同じ、ということです。誰が好き好んでこういった求人に募集するのでしょうか。しかし地方の求人でこのような条件は「たくさんある」のが現実です。

従業員に求めすぎ、そんな人材がいるとでも?

こういった求人も実際にまぁまぁ見かけます。恐らく入社しても従業員を大事にはしてくれないでしょう。それにはいくつか理由があります。

会社設立:7年目
基本給:175,000円~190,000円
年間休日数:105日
手当て:雇用 労災 健康 厚生 交通費(実費負担) 退職金(10年以上在籍)
賞与:有り(1,000円~2,000円)
昇給:有り(寸志程度)

応募資格:英語や中国語ができる方、経理の経験者は優遇、配達業務も有ります(AT不可)

基本給は大卒初任給並みかそれより下ですが、地方なら普通の支給額です。年間休日数も105日と普通ですし、土曜日は月に1回出勤、祝日がある週は土曜日出勤、といったところでしょうか。

交通費も「実費負担」で1万円を超えていても支給されそうです、ただしあまりにも遠いと会社負担が増えるため採用は見送られる場合が多いでしょう。

賞与や寸志も無いよりはマシ程度ですが、「退職金が10年以上」となっているのは、そもそも払う気が無いのかもしれません。直前になって業務の縮小や理由を付けて解雇される場合もあります。なぜなら「会社を設立してそもそも10年経過すらしていない」からです。つまり支給した実績も無く会社が存続しているかも怪しいと言えます。

極めつけは「英語」と「中国語」が出来る方、とサラッと書いていますが両方とも出来る方がこの給料で地方の求人に来ますかね?更に経理の経験者優遇・・・ということは出来なくても構わないが、あった方が良いという事です。

そして致命的なのが「AT限定不可」です。オートマ限定不可能、つまり普通自動車免許でMT(ミッション)が必要で、乗ってもらう事があるということです。配達用の軽トラックがあるのでしょう、しかもMTの車です。現在はAT限定を取る方も増えており、販売されている車もほとんどATです。よほど車が好きなら別ですが、事務や経理でミッションを求めるのは酷でしょう。誰が応募するんでしょうか、都会で出来る方が親の介護など訳があって地方に戻ってきたところを狙っているのでしょうか。

怪しい会社、体育会系?求人票で注意すべき点とは

求人票にこんな文言を見た事はありませんか。実はそれぞれ隠れた意味が存在します、恐らく採用担当者はあまり深く考えていないと思いますが、そこが問題なのです。

1:アットホームな会社です、と求人票に書いている

他にアピールポイントが無い、家族経営で無茶を言われる。オンとオフの区別が付いていない、多少の無理も聞いてもらう。このような可能性があります。

2:仕事の内容説明が1行や2行という極端な短さ

例えば「営業事務 経験者歓迎 以上」などのように、いくらなんでも短すぎるものがあります。適当に書いておいても求職者は集まるだろうと、上から目線で見ていたり新人を大切にしていない風習があるのかもしれません。詳しく書くと誰も応募しない仕事な場合もあります。

3:社歴が長くて売上順調と書いてるのに従業員が少ない

創業50年で売上を毎年伸ばし続けてきました、と書いている会社があります。しかし従業員が「極端に少ない」場合があります。これは売上の面で「嘘を言っている」か、「離職率が極端に高い」場合が多いでしょう。順調に安定して伸びていればそれなりの規模になるはずが、ならない・・・ベテランが多い場合は辞めさせるための「イジメ」があるかもしれません。

他にも駅から極端に遠くて交通の便が不便にもかかわらず、給料が少なくて交通費の支給が少ない会社も人は集まりません。オートマ不可もドライバーだけでなく「事務職での求人が実は多い」のもあまり知られていません。

無駄にバーベキューや花見の写真でアットホームを強調し、会社や仕事の内容が薄すぎるのも要注意です。楽しければ「無制限にサービス残業も出来るよね?」という暗黙の意味があるかもしれません。それだけオンとオフの境目が無い可能性があるのです。

求職者の目線に立てば人は自然に集まり、たくさん応募してくる

ではどうすれば良いかというと、逆の立場に立ってみて考える事です。仕事内容がわかりにくいと思うなら「詳しく」書けば良いですし、待遇も他の会社と比べた場合、良い人材がどうしても欲しいなら無理してでも少し上乗せすべきです。小さい会社なら社長の給料を下げる事で対応もできるでしょう。

現に「殺到している求人」と「全く応募が無い求人」の応募数格差は凄まじいものがあります。しかし少しの努力で大幅に改善できるのです。そして求人票を見直すと同時に、入ってからの会社環境も是非考えてみることで社員が定着し高いモチベーションで仕事をしてくれるのです。