なぜ「従業員0人」の求人が?応募の前に「3つ」のポイントに必ず注意すること

ハローワークやインターネット上の求人情報を見ていると「従業員0人」という求人に出会うことがあります。0人と聞くと「誰も働いていないの?」と思いますし、怪しくて不審に感じるでしょう。ハローワークでは就業場所の従業員0人なんていう求人もあり、「1人で何をするのか・・・」と考え込んでしまいます。一体どういう事なのでしょうか。

従業員に社長は含まれない

従業員0人と書いていても、誰も働いていないということはありません。実は社長・経営者に関しては従業員の数に含まれないのです。よって下記の考えが正確です。

×:従業員0人
○:社長1人 従業員0人

このような構成で「従業員のいない会社」となります。しかしここで1つ疑問が出てきます。ハローワークでこのような求人があります。

企業全体:0人 うち就業場所:0人 うち女性:0人 うちパート:0人

これこそまさに誰もいない・・・企業全体でも0人ということは社長もいない?と思ってしまいますが、これも「従業員数」であり、実際は社長が1人ということになります。

この状態で正社員・契約社員・アルバイト・パート問わず入社するだけで「社長の右腕」というポジションになるのです。ただし派遣や期間が明確に限定されてる雇用の場合は、ただのアシスタントや作業員という位置付けになるので注意しましょう。

そもそも「なぜ」従業員がいないのか?

ここで考えられる原因を探ってみます。1つは創業年度が今年であるかどうか、です。その求人が2018年に出たとすると2018年創業なら問題はありません、創業時の従業員募集の可能性が高いでしょう。しかし年度が異なれば要注意です。

2005年創業で募集が2018年だった場合、間の13年間に社長1人で何をやっていたのかということになります。

1:ずっと1人で仕事をしていた
2:従業員を雇っていたが辞めた・辞めさせた
3:休眠会社を購入した

実は就職・転職で会社を選ぶときに、この3つのどれかという点がとても重要になってきます。それぞれ内容とどこに注意するべきかを確認します。

1:ずっと1人で仕事をしていた

個人事業主として会社を立ち上げてから一人で仕事をしていた、そして軌道に乗ってきた・または売上を伸ばそうと従業員の募集を開始した、と考えるのが妥当です。

この会社を選ぶときの注意点として、社長が従業員の扱いに慣れていない事があります。つまり公私混同(私の子供を迎えにいけ・忙しい妻の変わりに料理も頼む等)はもちろん、言葉遣い(取引先とではなく従業員との)・対応・教え方に不安なところが多々あるでしょう。

また「健康保険」「厚生年金」「雇用保険」「労災保険」にすぐに加入するはずが、タイミング悪く遅くなってしまったり不慣れなため実は加入できていなかったという場合もありえます。大抵の場合は会計事務所の税理士がついているはずなので、きちんと確認してもらいましょう。

2:従業員を雇っていたが辞めた・辞めさせた

以前に複数の従業員が働いていたが、何らかの理由により新しく人材を入れる前にいなくなった、というのがこれです。非常に厄介で、引継ぎが上手くいってないばかりか無理や無茶な事を任せられる可能性があります。

本来であれば従業員がしていた仕事を、次の従業員に渡さなければなりません。しかし渡さなかったという事は、「新しい人が入るのを待てない事情があった」と考えるのが自然です。もしそうではなかったとして、従業員の仕事を社長が引き継いでいたとしてもおかしな話です。2人分(社長と従業員で分担)の仕事を1人ですることになり、元々1人で出来るくらい仕事が少なかったのに雇用していたのか?という経営者としての素質が問題になります。

どちらにせよ「まともな会社」ではなく、何か問題のある会社と思っておいたほうが良いでしょう。就業規則が無ければ「サービス残業」にも注意が必要です。

3:休眠会社を購入した

最も厄介な事がこれです。休眠会社って知っていますか、これは会社を作ったはいいが不要になり、眠らせておいてあった会社の事です。実は休眠会社は普通に売買取引されているのです。

過去には休眠会社を使うと節税対策があったなどの話が出回りましたが現在でのメリットはあまり聞きません。しかし日本には何万という休眠会社が存在します。

休眠会社を現在購入することの利点は「資本金情報」「許認可情報」を受け継ぐという点でしょう、社会的信用や資格があればそれを引き継げるのです。しかし何らかの理由があって休眠した場合が多く、ブラックリストに載っていたり借金があれば面倒な事になります。

実は怪しい休眠会社で最悪のパターンが下記です。

休眠会社の分割や転売は新たに会社を設立するよりも低コストで、審査が甘いなどの問題もあり、詐欺や脱税など経済事件の温床になっているとの指摘が出ている。

出典:日本経済新聞

そうなんです、最悪の場合犯罪や詐欺に使われる可能性があるというのです。取引をするときにも社歴0年よりも社歴15年といったアピールをすると、相手への信用度も格段に異なります。今までどう変更されてきたかなどは「登記簿謄本」を見れば分かる場合もあります。入社したはいいが怪しいことを指示され、ある日会社に来てみると倒産の張り紙が貼られ、給料は未払いで社長は夜逃げなんていう話も聞いたことがあります。

従業員0人の会社には気をつけること

1人でやっていた・解雇や辞めた・休眠会社、の何にせよ働く環境が整っていない事は確かです。給料や待遇に釣られて入社してしまう前に、どのような会社だったか検索するだけでも発見があるかもしれません。ハローワークに出ていた場合は、窓口で印刷した求人票を見せて詳しい内容を係りの人に聞いてもらったりよく考えてから応募するようにしましょう。