異常に利回りの高いデジタルクーポン「EB債」は投資をするに値しない?

国が発行している「個人向け国債」は固定や変動も含めて約0.05%と、年間の利率は高くありません。ですが日本が崩壊でもしない限りかなり安全に作られた金融商品として、国内外問わず人気があります。しかし同じ債権という括りにある中で、「EB債」というものが年利率10%を超えていたりと、利回りで非常に魅力を感じます。デジタルクーポンと書かれていますが、一体どういう商品なのでしょうか。


債券とはそもそも何か?

債券とは一般的に国や地方公共団体が発行する債券と、企業が発行する社債が存在します。有価証券の一種で、投資家からお金を借りて運用資金として調達することを目的としています。利息と元本が証券会社を通じて、購入した投資家に支払われるというものです。

どういうものかというと、下記のような国内債券・海外債券タイプがあります。

・ソフトバンクグループ株式会社無担保社債(劣後特約付)
・オリックス株式会社無担保社債
・アフリカ開発銀行 ロシア・ルーブル建て利付債券
・欧州投資銀行 メキシコ・ペソ建て債券
・米国ストリップス(米国国債)2029年8月償還
・スウェーデン輸出信用銀行 ニュージーランド・ドル建て債券

ソフトバンクや欧州投資銀行など、銘柄名を見るだけでどこの何の債権か、どのような扱い(ドルやユーロ建て)で作られている商品化が分かるように設定されています。株式とは異なり、基本的には満期を前提に作られているため、途中解約すると解約金・違約金等がかかり損をします。外貨建てが多いため、外貨価値(為替変動)に気を付ける必要があるので、利回りの高さだけに注目するとリスクが高いものも多くあります。

アメリカ等の先進国債券は利回りは低いですが、新興国のアフリカやインドは8%や10%が普通に存在しますが、それだけリスクが高いことをあらわしています。

デジタルクーポン「EB債」とは何か?

通常の債券は一般的には国・地方公共団体や銀行が発行している事が多く、ある程度の信用があり株よりは比較的リスクが低いというメリットがあります。では異常に高いデジタルクーポン「EB債」とは何なのでしょうか。

・EB債(デジタルクーポン/会社名)
・株価連動債(会社名)
・EB債(デジタルクーポン/日経平均レバレッジETF)

こういった商品名で各証券会社にて販売されています。会社名には上場している例えば「任天堂」や「電通」や「○○ホールディングス」といった社名が入れられています。

年間の利率を見てみると、年10%を平気で超えるものも多く、一見して非常に魅力的に感じます。利率が一定でなく2つ以上存在するため、0と1で表現するデジタル・コンピュータから名前を参考にしたと言われます。

基準とした株価やレートが、基準値より上にいったか下にいったかで利率が決定します。株価連動債や仕組債とも呼ばれています。

債券のようで債券でない「3パターン」で利率が決まる仕組み

例えばとある株式銘柄をターゲットにしていたとして運用期間が半年とします。基準となる価格から上下10%以内(数値は例)に価格の変動が収まれば、半年間は決められた額面で利率が決定します、つまり普通に利息と元本がもらえるということです。

しかし償還日よりも前に上10%を上回った場合、つまり株価が上がりすぎた場合はすぐに償還されます。利回りが高く見せられていてもすぐに早期償還されれば、ほとんど利息が付いていない状態になります。

逆に下に10%以上に「1回でも」下がったことがあり基準値以下でフィニッシュした場合、償還日に「元本割れ」します。この下の基準を「ノックイン判定水準」と言います。確かに大幅に下落する可能性は少ないかもしれませんが、運用期間中に1回でも基準値より落ちるとなるとリスクはかなり高いように感じます。そして商品によっては、基準となる価格以上でフィニッシュした場合は現金で、それ以下でフィニッシュした場合は株で戻される場合があります。つまり株を買わされるという事です。

実は利回りは全く高くないEB債

利回りの表記がこのように設定されている場合があります。

期間:2年間
年率:11%(3ヶ月) 以降11%もしくは0.5%

11%も付くのか、すごいな・・・と思っても良く見てください。11%は最初の3ヶ月だけで、残りは11%もしくは0.5%となっています。11と0.5ということは22倍も利回りが変わってきます。これは一定以上価値が下がった場合(ノックイン)に、3ヶ月以降は0.5%とされる上、元本が割れます。つまり11%は最初の3ヶ月だけで、それ以上に損をする可能性が非常に高い商品という事です。

一説によるとデジタルクーポン「EB債」を購入する方のほとんどは、意味さえ分からずに証券会社で購入していると言われています。投資信託の毎月分配型商品のように、「利回りは15%ありますよ!投資しないと損です!」というように営業マンから勧誘を受けたりだとか。

EB債は販売手数料などはありませんが、値ザヤ(スプレッド)で儲けている場合がほとんどです。ここで説明したもの以外にも連動対象が複雑なものも多く、非常に仕組みが分かりにくい設計となっている事がほとんどです。

株価が上がれば速攻で償還して利益は設計会社のものにして、株価が下がれば損した分は購入者、つまり投資家に負担させるというものですので商品として投資する価値は低いといえます。はたしてコレを「債券」という括りにしても良いのか、甚だ疑問ではあります。