会社や事業所が倒産・閉鎖する場合、絶対に自分から辞めてはいけない理由

正社員やアルバイト・パート・派遣社員に契約社員と雇用形態は様々ですが、それらに関わらず倒産・閉鎖・解雇が分かっていれば自分から辞めてはいけません。日本にはきちんとしたセーフティーネットが設けられており、自分から辞めることは不利以外の何者でもないからです。生活保護(ナマポ)とは全く意味も異なりますし、きちんと税金を支払っているならもらうべきものはもらいましょう。

お店や事業所が無くなるとはどういった事を指すか

倒産は会社組織全体が無くなる事ですが、営業所単位での閉鎖・店舗単位での閉鎖はよくあることです。例えば東京の渋谷支店・大阪の難波支店を閉鎖や移転することで働く場所が無くなるといったものです。

スーパーやコンビニ・飲食店等の店舗閉鎖も多く、閉鎖が決まると前もって従業員にお知らせがきます。社員や一部の従業員は別のショップでお世話になる場合もありますが、場所も違えば通勤方法も通勤時間も全く異なり、ほとんどの方が辞める方向になります。しかし最後までそこで働く方と、途中で辞める方の2通りが存在します。

なぜ閉鎖・閉店まで残らない従業員がいるのか

私の知人でこういった例がありました。スーパーに5年以上勤めており、店舗の閉鎖が決まりました。そうするとパートのおばちゃん達がドンドンと辞めていきます、もう無くなるならこんなところにいても仕方が無いから、次の働き口を探そうというものです。

しかし知人の考えは少し異なります。最後までいると従業員への負担があまりにも重いため、途中で辞めるというのが理由です。お店が無くなるということは、新しい従業員のアルバイト・パートの募集は行いません。それにも関わらずベテランの従業員が次々と辞めていくのです、そうするとどうなるのでしょうか。

通常の流れの場合はこのようになります。

「従業員が辞める」⇒「新規採用する」⇒補充完了

しかし新しい従業員を雇用しないため、悪い方向に走り出します。

「従業員が辞める」⇒「1人の負担が増える」⇒「従業員が辞める」

こうなると不のスパイラル(無限ループ)に陥る為、上司や責任者は引きとめにかかります。しかしブラック企業と言われたこの大手スーパー、サービス残業やパワハラも相当あり、過去に従業員が過労で倒れ亡くなる等入れ替わりの激しい職場です。この知人も引きとめに合いましたが、結局は途中で自分から辞めることになりました。

お店や事業所が倒産や閉鎖する場合は最後まで残るべき

お金や権利の面(雇用保険に加入が前提)で考えると最後まで残るべきです。それは失業手当(失業保険)がすぐにたくさんもらえるからです。自分で辞めると「自己都合退職」となり、手当てをもらうまで待機期間が3ヶ月あります。しかし「会社都合退職」となると、待機期間が無くすぐにもらうことができます。特定受給資格者(離職理由)によって給付の制度が天と地の差があります。

自己都合の場合は通常は以下のように「3パターン」しかありません。退職後は収入が全くない為、すぐにでも次の職場をと考えるはずです。3ヶ月以内に次の職場が決まった場合、以下の給付が受けれません。

【01年~10年】90日(3ヶ月+1週間の待機期間後)
【10年~20年】120日(3ヶ月+1週間の待機期間後)
【20年以上 】150日(3ヶ月+1週間の待機期間後)

しかし会社都合の場合は、以下の「5パターン×5パターン」の25通りがあります。

【1年未満】90日
【01年~05年】90日~180日(1週間の待機期間後)
【05年~10年】120日~240日(1週間の待機期間後)
【10年~20年】180日~270日(1週間の待機期間後)
【20年以上 】240日~330日(1週間の待機期間後)

正確に言うと失業状態を確認する為に1週間の待機期間がありますが、会社都合の場合はほぼすぐにもらえることになります。180日もらえる場合、遊んでいても半年間もらえるというわけではありませんが、きちんと就職活動していれば税金からいただくことが出来るのです。更に会社都合で特定の条件を満たすことで、更に2ヶ月ほどの特別延長給付措置が受けれる場合もあります。6ヶ月+2ヶ月=8ヶ月となるとありがたいですね。

例えば1ヶ月の給与が22万位なら約15万円程もらえる事になります。しかもこの金額には所得税がかからない(非課税)ので、確定申告の際も収入として申告する必要がありません。税金面でも非常に優遇されている措置です。所得に入らない期間が長ければ、住民税・市民税などにも影響があります(支払いが安く済むという事)ので家計が助かります。

会社都合に出来る離職理由

倒産や閉鎖以外にも民事再生や会社更生を受けた場合、1か月間に30人以上の離職を予定した場合、事業所の被保険者の3分の1以上が離職したことで離職した場合も「会社都合」とされます。お店や営業者が移転してとても自宅から通勤するのが無理な場合も含まれますが、その場合は客観的に証明することが必要です。

退職日の半年間で一定以上の残業数を超えた場合や、上司や同僚からパワハラや嫌がらせを受けていた場合(証明できるかどうか)など、事業所が法令に違反した場合も会社都合となります。

会社都合の場合は健康保険や年金がお得

平成22年4月1日から始まった制度で、国民健康保険税軽減申告書(特例対象被保険者等)と雇用保険受給資格者証の写しを提出することで、国民健康保険税が軽減されます。

会社都合で退職した場合、給与所得を100分の30と計算した上で国民健康保険税額を決めてもらえます。これは申請した年の翌年末まで期間があり、人によっては半額近くにまで保険料を下げることもできます。働いていたときよりも圧倒的に保険料が安くなり、デメリットは一切ありません。

市役所等で保険の手続きをしたら、近くにある年金課で年金の変更もしなければなりません。無職になるわけですから厚生年金から国民年金への切り替えを自分で行う必要があるのです。失業した場合は免除や減額をしてくれる可能性がありますが、保険とは扱いがまるで異なります。

例えば納める年金を半額にしてくれた場合、もらえる年金も半額になるといったものです。猶予をもらった場合は、期限内に納める(追納)する必要があり、どっちにしても納めないといけないのです。支払いが余程きつい場合以外は、素直に支払う方が賢明です。

会社都合は履歴書の価値を上げてくれる

自己都合の場合は自分勝手な都合で会社を辞めた事になります。しかし会社都合での退職は、働く意欲はあったにもかかわらず辞めさせられたことになります。そのため書類選考や面接ではメリットの方が大きく、選考を有利に進めやすいのです。もし会社都合と自己都合どちらか選べる場合は、迷わず会社都合にしてもらいましょう。