カードローンをした方の「自己破産」が増えている理由とは?

ここ10年程は日本における自己破産の数は減少傾向でした。確かに有効求人倍率は増えており、仕事も増えてきた(但し介護やブラック企業が多い)のですが、13年ぶりに自己破産者が増えました。これにはカードローンでお金を借りることが原因と言われていますが、果たしてどういう意味なのでしょうか。


自己破産するとどうなるか、メリットとデメリットとは?

自己破産は借金をしてどうしてもお金が返せなくなったときに使う「最後の手段」です。借金が無くなり「返済の義務が消滅する」事が最大のメリットです。取立てが無くなり滞納分も返済が免除され、精神的に開放されます。テレビCMやラジオでも「債務整理」という言葉を聞くことがあるでしょう、その中の最たるものです。

デメリットは資産を処分しなければいけないということです。例えば自宅や車など財産を処分し手放す必要があります。「ブラックリスト」に載るのでクレジットカードが作れなくなり、ローンが組めず一定期間は一部の職種に就くことが出来なくなります。(警備員等)

旦那(夫)や奥さん(妻)と自己破産する前に結婚や離婚をする場合は注意しましょう、名義変更のタイミングによっては偽装離婚などの疑いも向けられます。他にも自己破産すると生活保護が受けられないかというと、それとこれとは全くの別問題になりますので関係がありません。

カードローンは他の借金とどう異なるのか?

カードローンはキャッシングや自動車ローンなどとは異なります。銀行や消費者金融、信用金庫等で「無担保」でお金を借りれることを言い、借りた分は分割でお金を返済していきます。

信用によって借入の限度額が決まっています。簡単に言うと年収の3分の1くらいまでしか借りれません。他の金融機関で借りていればそれが借りれる金額から引かれます、それを「総量規制」と言います。

なぜ銀行は「カードローン」を契約させようとしているのか

特に銀行では住宅ローン・自動車ローンはあまり儲からないのでカードローンを推しているところが数多くあります。カードローンの審査は早く、金利も昔ほど高くないため借りる方も多く、銀行も貸しやすいため双方の希望がマッチして利用する方が増えているのです。

「キャッシング」は「カードローン」と似ているけれど・・・

よく「キャッシング」と「カードローン」をごっちゃにして考えている人がいます。似ているようで異なりますが、キャッシングはクレジットカードに付帯されているものです。クレジットカードの「ショッピング枠」の中で借金が出来るというもので、額はそう多くありません。

クレジットカードを保有していない人は借りれない(キャッシング出来ない)ので、その点カードローンの方が借りる難易度は低いかもしれません。最近ではクレジットカードのカードローンなんていう分かりにくいものも存在はします。

なぜカードローンの破産者が増えているのか?

消費者金融の高い年率利息での自己破産が一時期問題になりました。借金を返済する為に借金をすることで多重債務が社会問題になったのは有名です。しかし今ではグレーゾーンは減り規制が強化され落ち着いてきたこともあり、自己破産は徐々に減ってきました。

個人の自己破産の申請が2016年に前年比1.2%増の6万4637件となり、13年ぶりに増加したことが10日、最高裁の統計(速報値)で明らかになった。

出典:自己破産、13年ぶり増加=銀行のカードローン急拡大-16年

しかし最近ではカードローンの取扱が増え、個人が気軽に借金をしやすくなってきたことが分かりました。年収の3分の1まで借りれるため、生活資金にと安易にカードローンに手を出し返せなくなる事が増えているのです。

一部では返済能力以上に貸し付けているところもあるそうで、審査を厳格にする事が求められています。テレビCMやバナー広告などで、気軽に借りれる事をアピールしているのも原因かもしれません。

金融機関の審査判断も重要ですが、自己破産しない為には自分でも「正確な収入と支出を把握する事」が求められています。1ヶ月や2ヶ月でも構いません、お小遣い帳や家計簿を付けることで分かる事もたくさんあるのです。