公的年金の「運用益・運用損が出た」は気にするだけ時間が無駄な理由

毎月払っている国民年金、厚生年金など支払ったからにはきちんと将来もらいたいものです。それを運用しているのが「年金積立金管理運用独立行政法人」といわれる通称GPIFですが、運用損が出たので責任は誰にあるのかや、10兆もの運用益が出たので還元してくれなど、様々な世論がありますがこれは心配するだけ時間の無駄なのです、なぜでしょうか。


きちんと分散投資はされている

例えば全ての資産をアメリカの株式に投資をすると、アメリカの景気によって資産が左右されてしまいます。しかし債券や他の国の資産を混ぜることによって、バランスの良いポートフォリオを構築することが可能です。

出典:資産構成割合 年金積立金管理運用独立行政法人

基本的には以下の通りとなっています。

・国内債券35%
・国内株式25%
・外国債券15%
・外国株式25%

ここから最大でプラマイ10%程が目安です、それを超えるとリバランス(適切な配分を維持するための売買調整)に入るでしょう。現在の構成を見てみるとその想定の範囲内であり、比較的リスクを避けた長期運用に向いた構成であるといえます。

現在の運用益・運用損は「利益確定」ではない

これはあくまでも運用している途中での「運用益プラス」「運用損マイナス」の点が最も重要です。つまり、売り抜けていない為きちんといくらの利益が出た、とは言えないのです。

株式というものは売却してから利益が確定される為、積立の投資信託(インデックス投信・アクティブ投信両方共)でも同じで現在はプラスだからと言って安心は出来ないのです。株は上がるものであり、下がるものであるし利益確定をしなければこの議論事態があまり意味をなさないのです。

売って利益確定をしないのか?

では全て売ってしまい、10兆円利益が出ていたらそれだけ確定してしまえばいい、と思うかもしれません。しかし株は大量に保有している為、それらが一気に売られると株が大暴落してしまい、相場が変わってしまいます。

となるとこのまま保有し続けるしかありません、そうすると黒字の時もあれば赤字の時もあるので一喜一憂しても株は水物ですので意味が無いのです。一部だけ売って利益を確定しているのかもしれませんが、投資は勝ち続けるのは難しく、今後も国民の為に贅沢にあり続けるというのはやはり難しいでしょう。

年金がもらえる人は今後増える?

年金はもらうための条件として、最低25年加入しなければならないというのが今までの条件でした。しかしそれでは支障をきたす方がいるため(無年金者がいる)、10年以上あれば年金がもらえるように改正されました。つまり24年11ヶ月しか収めていない場合は基本もらえなかったのです。(一部例外有り)

今後は更に年金をもらう方も増えます、無年金だった方が50万人とも60万人とも年金がもらえるようになるとのニュースを見ました。ただしもらえる人が増えても、払う人が増えない、つまり国民が減っているため今後の見通しは明るくはありません。