店長として新規事業の売上をアップさせ続けたのに、解雇されました。その原因はシンプルです。

新しい事業を立ち上げる事は、会社にとっては勇気のいる事です。というのも、どのくらいの売上が見込めるのか、どのくらいのコストがかかるのか、不透明な部分が多い為です。しかし参入するということは、ある程度勝機があるからであり、それは会社の一大プロジェクトでした。なぜ私が解雇となってしまったのでしょうか、その理由はすごくシンプルなことです。

1つの事業に特化するのは危険、もう1つの柱を作るべき

資産運用でもそうですが、何かに特化しておくというのは「リスク」が高まります。例えば貯金全てを日本の株式に投資すると、日本の株が大暴落した時に悲惨な状況が待っています。そうならないように、定期預金にしたり国債を買ったり、投資信託を買ったりと資産を分散しリスクを分けます。

これは会社でもそうで、1部門に集中していればそこがこければ会社が「倒産の危機」に直面します。しかし5部門ある内の1つがこけても、会社全体としては20%の損失ですので致命的なダメージは回避できます。こういった理由で、単独の1事業から2事業にして会社の安定と売上アップを図るために、私が中途採用で入社したのです。

ノウハウは全く無いだと・・・?

当初はプログラムやデザインなどのシステム・ホームページ制作業をしている会社でした。その手伝いの一環として販売のコンサル的なことも行っていました。しかしコンサルではなく、自分達でも販売をしたいということで私が入社したのです。ちなみに私の前に男性が2人入社したらしいですが、古参の方に聞くと「すぐに2人共辞めた」そうです。

当初の話ではコンサルをやっていたので、「ある程度ノウハウあるんですよ」と言っていた社長ですが、蓋を開けてビックリ、ノウハウなんてものは全くありませんでした。

・何を売るか?
・どうやって売るか?
・そもそもどこから商品を仕入れするのか?
・どういうシステムを導入するか?

など・・・おいおい大丈夫かという具合でした、これには私も参りましたが今まで他のお店で店長として数年の経験があるので、必至に探しました。

ネット上にノウハウはほとんど転がっていない?

今の時代、ネット上で検索すればゴロゴロとノウハウが転がっているだろう、それを精査して実践すれば問題ない、しかも私には今まで培った経験がある、そう考えていました。

しかし検索してみても、おおまかなやり方や手法はあるが、具体的な事はほとんど見つけることが出来ませんでした。考えれば当然の話です、世の中の小売りは扱っているものも違えば、同じジャンルでも扱っている商材も異なるからです。そして本当に美味しい話は外部には漏れません。

例えば「雑貨」と一括りに言っても、アンティークものからお皿から身に着ける小物まで多岐に渡ります。そうです、売り方も異なればアピールの仕方、訴求の仕方も異なるのです。

ノウハウが無いなら今までの経験と、足で稼ぐしかない

どこからどのくらい仕入れればよいか、いくらで売ればよいか、どうやって売ればよいか、それを効率化するためには何をすればよいか、在庫はどれくらい保っておけばよいか、1ヶ月に使える資金はどれくらいか、アクセスや集客方法はどうするか、どのようにしてお客に届けるか、在庫の管理やデザインから構築まで全て1人で考え実践しました。

分からないことはひたすら検索したり、電話して話したりひたすら情報収集をしセミナーにも足を運び、整理して実行していきました。そうすることで、何と会社のメイン事業の売上を抜いたのです。

会社のメイン事業の売上を100とした場合の売上変動表です。最初は苦戦しましたが段々と売上をあげていき、年末には売上を抜きました。そして年始には会社の売上過去最高を記録しました。しかし何だか違和感を感じます、そうです・・・会社のメイン事業の売上が悲惨なことになっています。

急落していた会社のメイン事業

私の扱っている事業はどんどん回転し続けなければ落ち込んでしまいます。ということは売上を上げるには、更に人材を投入していく必要があります。本来であればもっと人を入れて売上を2倍、3倍にしていけば経費等を差し引いても純利益は残る計算です。

しかし会社のメイン事業がとんでもない下降線を辿っています。これは会社が営業を怠っていたり私の事業へ少し時間を割いてもらったり、仕事の依頼が減ってきたことなど複数の要因が関係しています。

私自身の事業も2月は下げてしまいましたが、良いときはずっと続くものではありませんし人が足りていません。しかし仕入れなどのコストや人件費は毎月かかります。なにぶん1月から2月にかけて30%程売上が落ちてしまいました、もちろん2月は日数が少ないというのも関係していますが苦戦していました。

会社の資金繰りが一気に悪化した

仕入れの代金などは当初会社のメイン事業からの売上で補填していました。メイン事業の粗利が圧倒的に高いためで、私の事業は先に支払う仕入れが売上の前に発生するため、資金をメイン事業から融通する必要があるのです。

全従業員を解雇したいとの申し出

そして社長から個別に話をして「全従業員の解雇」が伝えられました。メイン事業の売上の落ち込みがあまりにも激しいこと、私の事業の仕入れ資金を捻出するのが苦しくなってきたこと。今は大丈夫だが、今後更に悪化した場合取り返しが付かない事態に陥ること。

私自身の事業は売上も伸びており、会社へ残る資金も増えてきたが売れた分仕入れ代金が高額になってきたこと。30%の減少を見てしまい、更にメイン事業の悪化が深刻なため「これ以上続けていく自信が無い」、と言われました。

元々社長には小売りの知識が無かったため、これほど資金繰りが苦しくなるのは想定できなかったのでしょう。私自身としては裏切られた気持ちが強いですが、私が社長の立場ならその選択肢もやむを得ないという気持ちもあります。

会社は存続、事業も存続

事業は縮小するが社長の家族だけで細々と運営していくとのことです。規模が拡大したときの事まで考えていろいろ構築してきてノウハウだけ持っていかれた感じですが、仕方がありません。

社長自身にも「私の怠慢でメイン事業の売上を落としてしまい、頑張ってきた君には迷惑をかけた」と言われました、メイン事業の売上が伸びていればこんなことにはならなかった可能性が高いでしょう。

離職率が高すぎる会社は問題が多い、それは入社前では分からない

元々コロコロと意見が変わる社長で、決めたことを平気で変更しやすく他人との協調性がない為、「会社の3年以内の離職率は95%」でした。私もそこへ入ってしまいましたが、かなり高いですよね。

規模の小さい会社は柱がこけると、雪崩式に状況が悪化するため怖いのです。給料やボーナス賞与にはそれなりに満足していましたが、サービス残業が月に30時間前後あり、もちろん退職金はありません。中小企業なので仕方が無い部分もありますが、「不当解雇だ!」ということも無く、1ヶ月以上前に解雇予告されましたので、次の仕事を探すことにします。

幸いなことに退職は1ヶ月以上先の為、時間的な余裕は有り失業手当も自己都合退職ではなく、会社都合退職の為すぐにもらうことができます。次はある程度規模の大きい会社で、事業が安定しており福利厚生もしっかりしているところを選ぼうと考えています。