毎月の給料以外に、もらえる可能性のあるものがいわゆるボーナス賞与です。もちろん全ての従業員がもらっているわけではなく、何ヶ月と固定されている方もいれば成果報酬として、例えば営業職なら件数を取ってきた分上乗せされる方もいるでしょう。しかし大企業・中小企業でも金額は異なれば、更に製造業や小売業といった業種別でももらえる額というのは大きく異なります。27万円という額は多いのでしょうか、少ないのでしょうか。
3つのタイプに分けることで判断材料になる
まず「公務員」「大企業」「中小企業」という区別がされます。もちろん定年退職が見えてきた60歳の方もいれば、中堅管理職の40歳のベテランもいれば、20歳代の若手もいるので平均という数字は曖昧なものです。しかしこれだけ見ても、それぞれの額はあまりにも異なります。
国家公務員に9日、冬のボーナス(期末・勤勉手当)が支給された。管理職をのぞく一般行政職の平均支給額は約70万4800円(平均年齢36.3歳)だった。昨冬に比べ約1万1500円(1.7%)増え、4年連続のプラスとなった。人事院勧告により支給月数が0.05月分引き上げられたことが影響した。
出典:日本経済新聞
公務員の場合は、平均額「約70万円」がボーナスとして支給されています。
回答があった145社の冬のボーナスは、従業員1人当たりの平均で88万736円でした。去年の実績と比較すると金額で143円、率にして0.02%増えて、ほぼ横ばいながらも4年連続の増加となり、いまの方法で集計を取り始めた昭和56年以降では4番目に高い水準となりました。
出典:日本経済新聞
大手企業の定義は「東証1部上場していて、従業員の数が500人以上の企業」を指しています。平均ボーナスは「約88万円」となっています。
全体でみると、1 人当たりの平均支給額は 27 万 7,086 円で、昨年冬に比べ 1,061 円、率にして0.38%の増加となった。支給額の増加は4年連続である
出典:大阪シティ信用金庫
これは全国ではなく大阪に拠点を置く「大阪シティ信用金庫」の取引先の支給状況です。会社の構成比率は20人未満が885社と80.7%の大半を占めており、家族従業者のみの企業は除外されています。金額は「約27万円」という結果でした。
金額だけで見てはいけない、ボーナスが支給されていない企業も多い
ボーナスの額に目が行きがちになりますが、ボーナス自体が出ていない企業も数多くあります。先ほどの中小企業で言うと、実に38.5%という4割近い企業に支給がほぼされていません。ここで「ほぼ」という言い方になったのは、小額手当てが支給されている会社が28.6%あるということです。小額手当てとはいわゆる「寸志(すんし)」と言われる、おまけのような支給です。会社が申し訳無さそうに支給するお金、と考えて問題ないでしょう。
寸志では数万円程度に抑えられることがほとんど(3万円や5万円等)で、通常は支給しないアルバイトやパートに寸志として皆に1,000円支給された企業もありました。
4割にボーナスが無いことの他のソースを探す
先ほどの38.5%にどれくらい信憑性があるのでしょうか。他のソース元を探すと下記のようなものがあります。
出典:価格コムリサーチ
約38.2%がボーナスはない(支給対象外含む)+3.3%がボーナスは全額カットとなっています。これを足すと41.5%がボーナスが支給されていないことになります。しかし正社員だけでなく、アルバイトやパート、派遣社員なども含まれているため目安と考えておきましょう。
50人から100人規模の勤務先で約43万円、50人未満で約40万円となっています。ということは前述した大阪シティ信用金庫の20人未満で約27万円というのも納得できるはずです。
ボーナスが27万円というのは普通
多いか少ないかを金額だけで判断するのは容易いですが、企業の規模を考えなくてはなりません。企業の規模が小さいという事は売上も少なく、労働効率にも限界があります。
20人以下の中小企業に勤めていて、ボーナスが27万円だった場合、それはその規模のボーナスとしては平均となります。多くも少なくも無く、普通の額のボーナス支給で、支給されていない方が4割近くいる以上、どちらかというと約1か月分はもらっている方です。
大企業はあれだけもらっているのに私はと嘆くのは、同じ土俵に立っていないからであり大企業に属している方がボーナス40万円となれば少ないということになりますが、中小企業でその額は企業規模に見合った通常のボーナス支給というわけです。多いか少ないかは企業で比較するのではなく、同じ規模の会社で比べてましょう。