マンションやアパートを賃貸で借りる際に、1ヶ月の家賃というものが重要になってきます。昔は月収・年収の3分の1が目安でしたが、現在でその考えは危険です。昔のように年功序列でボーナスも多く、退職金も・・・という時代ではなくなってきているからです。
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家賃の基準は手取りで考える
大卒の初任給が約20万円、専門卒が17.5万円、高卒が16万円ですが、これは正社員で上場企業の数字です。地方の中小企業・零細企業では、ここから更に1割から2割と更に下回ります。
では入社数年後から地方で30代で多い、月給25万円を例にとって見ましょう。25万円という事は年収300万円の計算でここに+賞与という計算になります。夏と冬で賞与が1,5ヶ月出た場合年収は375万円となりますが、もっと出ているところもあれば、ほとんど出ない会社もあります。
ここから社会保険やその他諸々が引かれますので、必ず必要な自分の経費を全て引いた状態から考えいかないと足らなくなる恐れが出てきます。家賃が払えなくなると住めませんので、家賃は手取りから考えて計算していきましょう。
月収25万円で手取りはいくらになるのか?
月収が25万円の場合(賞与除く)、社会保険などを引くと手取りはいくらになるのでしょうか。中小企業を中心に国民の3人に1人(加入者約3,700万人)が加入している、協会けんぽを例にとって計算して見ましょう。もちろん税金や保険料は日々変わるものですので、参考程度に考えてください。
支給:250,000円
健康保険:12,948円
厚生年金:23,637円
雇用保険:1,000円
所得税:5,200円
控除額42,785円
手取り207,215円
これで手取りは約20万円です。総支給額が20万円なら手取りは16万7千円、総支給額が18万円なら手取りは15万円です。
手取り20万円なら家賃はいくらまでにするのが良いか?
家賃は月収3分の1という考えはバブル時代の考えで、現在に当てはめると大変危険です。20万円で3分の1だとすると、約6万6千円となります。手取りからは食費や水道光熱費などが引かれ、交際費や医療費、都会では電車代の交通費、地方では自動車の保険・税金・ガソリン代金といった維持費もかかってきます。
しかしバブル時代とは異なり、現在ではインターネット代金やスマホ等の携帯電話料金がかかってきます。そして昔は年齢を重ねるにつれて給料もドンドン上がっていき、退職金も満足にもらえました。一戸建てやマンションを購入しても、景気が良かったので大企業だけに限らず中小企業でも十分余裕を持って生活が出来ました。特に景気が良いところでは、ボーナス賞与が年に3回も4回もあるというから驚きです。
ですが現在は終身雇用はおろか、都会では職はあるがブラック企業が蔓延し地方では給料は安く介護や警備員の職がほとんどを占めています。家賃の補助なども少なく、昇給はおろか、賞与すらない会社も多いというのが現状です。
大阪シティー銀行が調査した、中小銀行のボーナス賞与(1,000社以上の回答)支給率は約6割です。
全体でみると、「①支給する」と答えた企業は61.6%で、昨年夏より1.3ポイント減少した。支給企業割合が減少するのは2012年以来4年ぶりのことである(第1表、後掲・3㌻<時系列表>)。景気の停滞感に加え、円高等による先行き不安などで、景況感が悪化したことが要因であろう。
つまり給与が上がる前提で、ボーナス賞与もあり、退職金もあった景気の良い時期で算出されたのが3割ということになります。
将来の事を考えれば2割に抑えておきたい家賃
現在では労働環境の悪化や、離婚率の上昇、高齢化に少子化と日本の状態は昔に比べて良くありません。将来の貯金は○○千万円はないと老後が・・・といった話題も多く、貯金をして備えなければなりません。
手取り20万円で3割とすると家賃は「6万6千円」です。これを2割にすると「4万円」となります。都会ではいくらなんでも4万円のマンションは・・・と言われる方もいますが、安心して今後を過ごす事を考えれば節約できるところはすべきです。今がよければ良い、というならば別に3割でも問題ありませんが、結婚や子育て、戸建てマンションの購入、老後に様々な問題が出る可能性があります。
ここで賞与がプラスされるので、家賃は上げても大丈夫
しかし前述したように賞与があった場合は別です。賞与が3ヶ月75万円あった場合、手取りは約60万円です。これを1ヶ月に加算すると月に5万円プラスされることになります。つまり1ヶ月の手取りは25万円となり、5万円前後で家賃を抑えておけば問題ないという事です。
最近のマンションやアパートでは、インターネット回線付きというものも存在します。ネット回線を自宅に引くと1ヶ月で5千円前後かかります。料金に込みになっていれば5万5千円だとすれば問題はないでしょう。
賞与は少ないが良いところに住みたい場合
食費代金や交際費に水道光熱費と、必ず必要になるお金が存在します。それ以外は外食をやめて自炊にしたり、電車代や自動車代を浮かすために歩くことでお金も浮いて運動不足が解消し健康にもなります。
保険の見直しや普通車から軽自動車にしたり、細かいところでは料理を鍋から圧力鍋にして時短し、電池は乾電池から充電池、小まめに電気を消してと節約できるところを節約しましょう。
そうすることで月収が少なくても多少高めのマンションやアパートに住むことも出来ます。最終手段として実家に頼れるなら頼って浮かすというのも手で、少しでも貯金するための手段はたくさんあります、自分にあった方法を考えてみましょう。