「平均年収金額」「平均貯金金額」は真に受けてはいけない、注目すべき目安の金額とは?

一般的に平均年収額や貯蓄額はいくらとは良く聞きますが、その平均が高すぎると思いませんか?実は平均は高い層が圧倒的な高さで釣上げていることがわかります。注目すべき値は、平均ではなくて中央値です、ではどれだけ金額が異なるのか、結果的にどれくらいに落ちつくのか、見てみます。


1世帯の平均所得はいくらか

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出典:各種世帯の所得等の状況 厚生労働省

これは世帯辺りの平均所得はいくらかというものです。もちろん世帯ですから、4人家族もあれば1人暮らしの方もいます。

平成25年度の世帯での平均所得は528万9千円となっています。この数字は年々減少し、あと数年で500万円を割るのではないかと言われています。高齢者世帯は300万円前後とあまり変わっていません、これは現時点での高齢者の年金がここ数年変化していないためでしょう。

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出典:各種世帯の所得等の状況 厚生労働省

児童のいる世帯の平均世帯所得は700万円前後で落ち着いています。これは平均所得は減っているにもかかわらず、一定額を維持しているという事は共働きの家庭が増えているからではないでしょうか。もしくは、家族が多い世帯は3世代にわたって同居している方も数字を押し上げていそうです。

先程の数字を真に受けてはいけない理由がこちらです。このグラフは相対度数分布といって、割合から算出した数字が分かるグラフです。これによると、中央値は415万円となります。年収1000万円以上もいれば、2000万円以上もいます。割合で1番多い所得のパーセンテージは、200万円~300万円で14.3%となっています。ちなみに中央値とは「所得を低いものから高いものへ並べて2等分する境界の値」とのことです。

そして1番大事なことは415万円というのは「世帯平均所得」ですので、1人当たりの実際の年収はこれより低いのが現状です。おそらく300万円台になるのではないでしょうか。いかがでしょうか、528万円というのが、現実的な数字で無いことがお分かりいただけるかと思います。

1世帯の平均貯蓄額はいくらか

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出典:世帯主の年齢別にみた1世帯当たり平均貯蓄額ー平均借入額

平成26年度の日本の世帯数は約5000万です。人口は約1億2689万人(平成27年度)ですので1世帯当たりの人数は約2.53人となります。

上記のグラフを見てみると、平均で1047万円貯蓄があるのが分かります。しかし世帯の平均人数は2.53人なので、これで割ります。そうすると413万が1人当たりの貯蓄額となります。なお、借入額も1世帯当たり438万とありますので、これも2.53で割ると、1人当たり173万借金がある計算になります。

30代~50代に借入額が多いことが分かりますが、戸建てを買ったローンでしょう。特に30代は年収423万に対して、借入が794万とおかしな数字になっています。この時期に戸建てを購入する方も多いという事で、アパートやマンション暮らしの方とは全く異なった収支環境になります。

生活は楽ですか?苦しいですか?

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出典:生活意識別にみた世帯数の構成割合の年次推移

恐らく苦しいという方がほとんどでしょう、下記の図を見てください。

これを見ると年を重ねるごとに大変苦しいの割合が増えていっています。ワーキングプアや貧困層など、いまや社会現象となりつつある言葉です。正社員率の割合も減り、派遣やアルバイト・パート・契約社員の方も多く、時代が変わってきました。

本当に景気を良くするには?

電気代も上がり、税金や消費税も上がっています。それにも関わらず、公務員の給与は上がり、電力会社も儲かってきだしました。上げなきゃいけないのではなく、別のところを下げなくちゃいけないのではないでしょうか。

お金は天下の回り物とはよくいわれたもので、使えば使うほど回りまわって戻ってくると、そうは思えません。お金は余裕のある人が使えばいいもので、お金の無い生活に苦しい人は余裕がありません。高給取りにはぜひお金を使ってもらって、世の中に還元してもらいたいものです。