ソーシャルレンディング(クラウドファンディング)が増えてきました。高金利が魅力ですが、経済が傾いてきたときにどれだけ回収性があるかは分かりません。現物資産の不動産系が増えているようですが、最近の案件状況やサービスを見ていきます。
maneo(マネオ)
maneoマーケットが運営する新しいサイトがオープンするとのこと。「LC LENDING」と「GAIA FUNDING」です。
【LC LENDING】
上場会社のロジコムグループですが、運営はmaneoマーケットが行っています。不動産特化型のファンドで、1案件あたりの募集金額は600万円~1,000万円ちょっとで金額は低めに設定されています。
商業施設・スーパーマーケットチェーン・ドラッグストアなどへのテナントが多いです。「保証付」や「一部担保付」のファンドがあり、信頼性を重視しているようです。運用期間は今のところ1年以内が多いので、比較的投資しやすい案件です。
公式では運用利回りは4.0-6.0%(税引き前)を謳い文句にしています。リスクが抑えられている分、利回りは若干低いように感じます。
【GAIA FUNDING】
海外不動産系のソーシャルレンディングサービスです、まだ始まったばかりのサービスです。不動産事業者向けの投資だそうで、米国のカリフォルニア州サンフランシスコやサンノゼ(シリコンバレー)が募集を予定されています。maneo内でいくつか募集されているようで、物件購入と工事費の融資に使われるそうです。
内容は住宅地を増設・リノベーションし物件価値を上げるとのこと。不動産系にしては珍しく「担保」も「保証」も無いようですが、正直アメリカの不動産事情は良く分かりません。利回りも運用期間もほどほどですが、メリットとしては分散投資が出来るという点でしょう。
分散投資と言ってもアメリカと日本は密な関係ですので、アメリカの景気が悪くなれば日本の景気も悪くなっていくような気はします。
マネオの登録ユーザー数が10月11日現在で30,739人と出ていますが頭打ちになっている気もします。実際にこの人数の内、投資されている方はどのくらいいるのでしょうか。
crowdbank(クラウドバンク)
3ヶ月の行政処分を受けて、そろそろ始動かと思っていましたがまだのようです。システム周りも徐々に改修され、以前よりは使いやすく見やすくなってきました。
公式サイトで以下のようにアナウンスがありました。
当社では、平成27年7月3日付の当社に対する業務改善命令に基づき行っている顧客預り金残高の照合の途上であることから、自主的に当社の業務の一部を引き続き休止することといたしました。
休止の内容は以下の通りであります。【休止の期間】
平成27年10月10日から顧客に係る顧客預り金残高の照合を行うとともに顧客分別金信託額の適切な管理を行える状態となるまで
顧客の資産というか残高が合っているか確認しているとの事です。確認して問題がなければクラウドバンクに管理画面やハガキで伝える手段の件です。照合にまだ時間がかかるようで、元々このあたりを「業務改善命令」として出されたので、慎重になるのは仕方が無いでしょう。
個人的には6ヶ月という短期の運用が多く、それでいて利回りもそこそこ良いので気に入ってはいましたが、次に新規で開始するときはどうなっているのでしょうか。
長い期間大事な資金を拘束されて、利回りがそこそこなファンドは現在いくらでもあります。クラウドバンクには短期間運用でも利回りがそこそこ良い、自分で運用期間と利回りのバランスを調整できるサービスを続けていってもらいたいものです。ただしそうすると、入出金が増えるので、残高照合という手間が増えていくことにはなりますが。
最近の状況
現在も100万円程運用中ではありますが、貸し倒れや延滞は出ていません。一部のブログで延滞が出てきているという話が出ていましたが、全体の割合から多いのかどうか判断できません。
新興国や債券などを扱っているサービスも登場しています、利回りは高めに設定されていますが資金拘束期間も長いので私自身は考えていません。景気の先行きが読めないときは、長期で拘束されるいわゆる「運用期間」が長い案件はリスクが高いと考えています。
例えば3年(36ヶ月)の案件で34ヶ月目でデフォルトなんて起きた日には発狂しそうです。元本が償還されるのは36ヶ月目なので、最後まで気が抜けなくなります。はした金なら良いですが、そうでない場合はリスクとリターンのバランスは慎重に考えなければなりません。