東京証券取引所の現物株の取引などが多くなり、処理が増えているそうだ。1日どれくらいの件数を処理しているのだろうか、今後パワーアップをするそうだがどこまで耐えられるのだろうか。
昔の株の売買は時間がかかった
東京証券取引所には、「アローヘッド」と呼ばれるシステムが存在します。これは、株式の売買を担当しているシステムのことで、売り注文から買い注文までの処理をこのシステムが担当しています。
昔はデイトレーディングの学校というのがアメリカなどでも多く存在していたそうだが、約定のスピードが増した現在、当時の学校はほぼ存在しません。
昔は売り注文が出てから約定するまでのタイムラグがあり、数秒かかっていたそうだ。それが0.0何秒というあまりの早さで処理されてしまうので超短期の手法が使えなくなったからだ。
取引所の取引件数が増えている
2009年の古いデータだが、ニューヨーク証券取引所の取引件数の増加が書かれている。
ニューヨーク証券取引所では1990年代の終わりごろは1日50─60万件だった取引件数が、今年7月には900万件近くにまで拡大している。
以下の図は「東京証券取引所」の注文件数をグラフ化したものだ。
「東日本大震災直後」米国の「量的緩和縮小観測」「日銀追加緩和直後」「世界同時株安」時に、大きく取引件数が増加しているのが分かります。
アメリカで2009年夏に1日900万件の時、日本では約半分の500万件ぐらいでしょうか。
2014年6月に東京証券取引所が発表した資料によると、注文件数と売買代金は下記のように推移しているそうです。
アベノミクスに関しての注文件数と売買代金の大幅な増加があり、東日本大震災発生時のトランザクション数の急激上昇が伸びが大きくなった原因とされています。
処理速度と安定化を実現するために、今回のパワーアップに踏み切ったそうです。
処理能力が上がった
新システムがどれくらい早くなったかと言うと、約2倍とのこと。1日の注文処理がどんどん増えていっているので、一刻も早く市場に対応するため倍の性能になるということです。
新システムは1日の注文処理能力を現行の1億3700万件から2億7000万件に倍増。注文処理速度も1ミリ(ミリは1000分の1)秒から0.5ミリ秒未満に速めた。
出典:株売買システム、24日に刷新=注文処理能力が倍増―東証
株の売買も変化している
例えばネット証券で有名な楽天証券を例にとってみよう。国内株式の売買に関しての取引手数料がいくつか存在します。
1・ワンショットコース
2・超割コース
3・いちにち定額コース
1と2は1回の約定について、○○円という手数料が適用されるコースです。最近では3の定額コースがあり、特定の金額内で売買し放題で、取引数が増える原因でもあります。
2年前から準備されてきた
開発スケジュールや接続仕様書の公開・制度要綱公表・規制改正など2年前から準備し、今回のパワーアップにこぎつけたのが分かります。