現金支払いしかしない方は、お金を銀行やコンビニATMで引き下ろします。普段からクレジットカードで支払いをしている方は、現金で多額のお金が必要になる時は少ないでしょうが、全く現金を持たないという事は怖くて出来ません。ということは、ほとんど全ての人がお金を下ろす行為が必要なわけですが、「ATM」があれば十分で「レジ」でお金を下ろす必要性がありません。
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レジでお金を下ろすとはどういう事か?
スーパーにある清算をするレジで、直接現金を下ろす事が出来るというものです。普通の銀行やコンビニのATMと同じく、キャッシュカードを使って口座からお金を下ろすのです。
野菜や果物にお弁当といった物を購入し、ついでにお金を引き出したりできるので利用者の「利便性」が高まるといわれています。
アメリカのスーパーにあるレジでお金を下ろすのは普通、しかし手数料がかかる
アメリカのスーパーマーケットでは、レジでお金を下ろす事が出来ます。例えばクレジットカードのデビットカード(口座から直接落ちるタイプ、口座分しか使えない)を使うと、支払った後に「お金を下ろしますか?」というオプションがある程です。
もちろん銃社会のアメリカですから、あまり現金を多く持ち歩かないという人が多く、お弁当だけという小額の決済でもカードを使います。もちろんいくらでも下ろせるわけではなく、下ろせる範囲という「上限」が決まっています
しかしなぜアメリカのレジがATMとして機能しているのか。それは日本のようにどこにでもATMがありお金を下ろせる、という訳ではないからです。下ろせる場所が少ないのでレジがその役割を担っているのですが、引き出しに手数料がかかります。
日本ではイオンが導入
イオンが2018年から「スーパーのレジ」でお金を下ろせるサービスを始めます。スーパーの利便性を高めたい狙いがあるようですが、勝算はあるから導入するのでしょう。
参考:イオンのレジで現金引き出し 高齢者らの利用期待 日本経済新聞
ATMが無い田舎や、クレジットカードを持っていない高齢者・若者をターゲットにするそうですが・・・、引き出し手数料無料の金融機関が増えている中、手数料を払ってでも利用したい方はいるのでしょうか。100歩譲って手数料が無料だったとしても残念ながら慣れている「外国人」以外(日本人は)利用しないでしょう。
日本人がレジでお金を下ろさない理由
イオンや主要なスーパーには、店内に既存のATMがあります。暗証番号をレジの人混みで入力したり、通帳を出すのは少しリスクが高いでしょう。アルバイト・パート定員さんにキャッシュカードを渡すのも、金融機関の窓口とは異なり警戒します。
お金を引き出すのに手数料がかかる場合は、少しでも手数料を抑えるためATMを探す方が多いのが日本です。探してもどうしてもコンビニのATMも無い場合は、仕方なく利用するのかもしれませんがそのような田舎ではイオン自体が存在しないでしょう。
イオンは比較的大きな規模のスーパーですが、時間帯によってはレジが混みます。その場合は「お金のやり取りが1つ増える」ので、レジが更に混むことが予想されます。つまり歓迎はされなくて、後ろの列から「まだか」という視線が放たれます。ただでさえWAON(ワオン)のチャージに時間がかかっている現状で、更に混ませるのはスーパー側も得策ではない気がします。
働いている人の仕事が増えて、現場が混乱する?
レジの仕事は現金以外にも現在様々な取扱いがあります。それはクレジットカードであったり、サービス券や商品券であったり、電子マネーに割引券・クーポンもあるでしょう。パートでは年配のおばちゃんも多いですし、覚えることや作業が増えてしまいます。
そもそもイオンには「銀行」がある
イオンにはイオン銀行があります。ということは、イオン銀行専用のATMが設置されているので、そもそも必要性がありません。店員さんが銀行の役割も果たすなら、セキュリティーや安全性に疑問が出ます。
レジの方の手間が増えて、お客側は待たされる時間が増える、日本ではデメリットの方が多いのです。そもそも下ろす金額が増えたらお金がレジから無くなる、そのような想定も容易にできます。
上層部の考えは分かりませんが、日本ではレジにATMを設置するのは「現場」を知らない上の押し付けのような気がしてなりません。