日本企業は「買収は大歓迎!」な時代になっていくのか?買収防衛廃止について

企業が買収されると聞くと、その会社の従業員はどうなるのか、株価や買収金額の他に今後の会社の扱い・存続が不安になります。特に日本が誇る世界クラスの企業については、技術情報の流出や社員の整理解雇など約束事も守られるのか分かりません。その為企業は独自に買収防衛策を講じて自分の身を守ってきましたが、どうやらそんな事を考える時代ではなくなりました。

企業買収によるメリットとデメリットとは?

企業の買収や合併などを総称して「M&A」と呼ばれます。TOBなどで株を買い占めて実権を握ったり、株式譲渡や事業譲渡をしてもらったり合併や買収などが海外・日本を問わず頻繁に行われています。

確かに創業者一族から見ると他の会社が経営に入ってくるという事は、事実上乗っ取られたと感じたり、無茶苦茶になるのではないかという不安が付き纏います。しかし後継者がいない場合や、今後の事業継続に不安がある場合、買収を受け入れるのは会社を存続する上で必要になる場合があります。

【メリット】
買収には様々なメリットがあります。同じ業種ならシェア拡大になり、価格や知名度を使って売上や利益を上げることが出来ます。取り扱う量が増えれば増えるほど、仕入れコストを下げることが出来たり交渉がしやすくなるでしょう。

単純に計算すると取引先や卸先も企業分だけ増えますし、販売チャンネルも増えます。売上が下がったときや問題が起こったときも、リスクを分散させるという意味があります。地震や津波の被害を受けても、工場が日本の東西南北にあれば止まることはないのと同じです。

【デメリット】
しかし良いことばかりではなく、今まで異なったシステムや仕事を統一するわけですから弊害も多数生じます。銀行の吸収・合併でもあったように統合することでシステムに支障をきたして問題になったり、上手く動かなくなる可能性もあります。逆に仕事がやりにくくなったり、効率が悪くなる場合もあります。

予定していた事業計画書の通りに進まないこともありますし、従業員は福利厚生や給与・賞与といった雇用の条件も変更になる可能性が無いとは言い切れません。

ハゲタカファンドとは?

買収話には付きものの言葉として「ハゲタカファンド」があります。これは経営状態が悪かったり、危機に瀕している企業を買収して切り売りしたり、企業価値を高めて利益を上げるファンドを指します。

海外ファンドによる買収が話題になりますが、日本もバブル時代はアメリカの企業を続々と傘下に収めていました。近年ではニッポン放送の件で、フジテレビやライブドアと共に村上ファンドも話題になりました。

ホワイトナイトとは?

ホワイトナイトとは、敵対的買収をかけられた企業を助ける目的で友好的に代わりに買収するというものです。買収をしかけてくる企業よりも「資金力」や「力」が無いと中々難しいですが「TOB」で提示価格より高めに設定し株を取得したりします。

「白馬の騎士」と言われたもので、買収される側もどこの馬の骨とも分からない輩の傘下になるよりは、同じ国内で友好的な企業の傘下になるほうが良いと判断するのです。これは買収防衛策の1つですが、今後の日本ではこのような防衛策が無くなっていくかもしれません。

買収防衛策があると良い意味で安定、悪い意味で成長無し

会社の上層部が昔ながらの考えで「安定」を取っていれば積極的に事業展開はしていきません。そうなるとシェアを独占している企業でも、風穴を開けるような勢いのある会社が出てくると売上を取られる可能性があります。攻めずに守るため、大手電機メーカーのように衰退していく可能性があるのです。

買収防衛策は経営者の保身に悪用される可能性があり、その弊害が以前から指摘されていましたが、安倍政権が掲げるコーポレートガバナンス改革によって、廃止の動きが加速しています。

出典:買収防衛策を撤回する企業が増加、その背景は?

安定は悪いことではありませんが、企業の投資家にとっては守りは株価や利益の面でマイナスが多いでしょう。経営陣に「ここはおかしい」と言えない事はデメリットです。企業は保身ではなく利器を上げる為に、更に努力をすべきということなのでしょう。

買収防衛策を取って守りに入ると維持をすることが最大の目的になりますので、悪く言うと成長しない売上が伸びない企業となります。買収されたり合併・吸収されることで新しい分野の開拓や新しい風を入れて企業体質改善をする事が可能です。そうすることで攻めの経営方針に変わり、時代が変わっても生き残れる企業となるのではないでしょうか。