会社を信じて人生を預けると、酷い目に合わされるのは本当か

昔は大学や高校を卒業して就職した会社に、終身雇用・年功序列としてずっと働くことが割合としては多くありました。退職金ももらえ、景気が良い時代や会社によっては夏・冬以外にも春や秋のボーナス賞与もありました。しかし現在ではそれは崩壊し、一部の大企業でもずっと働けるかは怪しいものです。仕事を一生懸命頑張りお金を稼ぐことは大事です、しかしその1つしかない体をずっと預けてよいものなのでしょうか。


景気は良くないが仕事はたくさんある?

東京や大阪のように人も仕事もたくさんある場合は、仕事に就くという意味では「選ばなければ」楽でしょう。それは地方でも同じで、介護や警備員に土木に接客などの仕事はあります。しかしそこが長く働ける所か、といえば残念ながらそうではないところがほとんどです。なぜなら入りやすい仕事場は、離職率が非常に高いのです。

離職率が高いのは職場環境が悪いから

最近では過労やうつ病が多くなり、長く働けない方がたくさんいます。毎年のように職を転々としたり、辞めざるを得ない状況や解雇される事もあります。もちろん自分の努力が足りない場合もありますが、いじめやパワハラ・モラハラなど追い込まれるケースもあり、運の要素も強く関係します。

自分の為に、会社の為に頑張ろうと意気込んで入社したものの会社は自分には何もしてくれず、期待を裏切られることも多いのです。それは会社が従業員を大事にしようと「思っていない」からです。

会社は従業員より会社そのものが大事

中小零細では業績悪化により整理解雇されることも多々あります。いくら自分で努力していようが、結果を残していようが会社全体がダメになるならクビにするというものです。実際に私もそのようなことがありました、結果は出しているにもかかわらず会社の存続が危ないと言われました。それは社長が営業をサボっており、紹介に甘んじその紹介が滞ると一気に経営状態が悪くなった為です。

店長として新規事業の売上をアップさせ続けたのに、解雇されました。その原因はシンプルです。

特に今まで自分の力で会社を動かしてきたという、一匹狼の社長がいる会社は社員を大事にしてくれません。それは自分さえいれば会社を動かせるためであり、従業員は金を払っているから働くものだ、と思っているからです。

しかしそれは間違いではありません。対価をもらっているから労働を提供する、働くという契約において「当然の等価交換の原則」でしょう。しかし心が篭っていなければ社員は付いていきませんし、業績も伸びません、結果的に自分が損をすると上は分かっていないのです。

社員に対して愛情や心が篭っていなければ、何かあった時にはすぐに解雇される可能性もあるのです。今あなたが働いている職場は、従業員の事を考えてくれている責任者がいますか。

使い捨ての傾向がある会社では社員が病気になる

離職率が高く、上に立つものが従業員の事を考えていなければうつ病になったり、精神的に疲れてきます。信じて付いていっても捨てられたり、病気にさせられて仕事を続けられなくなることもあります。

知り合いの話でこういう話を聞きました。田舎の会社で、都会に営業所を出しました。田舎にも本社として従業員を残してあります。社長からここで成功しよう!と言われ、従業員のAさん(男性)は都会で結婚をし戸建てをローンで買いました。会社に骨をうずめて右腕として頑張っていくと決めたのです。仕事は出来ましたが悩みを抱え込む傾向があり、社長は従業員の事を見ていない・関心がない為精神的な病気になりました。それでも続けて頑張っていたのですが、社長が業績悪化を理由に本社のみで営業所は閉鎖すると言い出しました。

都会で戸建てをローンで購入していたAさんは、田舎には戻れず都会で無職になりました。多額のローンを残してうつ病になりながら。その奥さんは今でも社長に恨みを抱いているそうです、信じて付いていったのに裏切られたと。

原因はついて行く会社を間違えたこと

業績が悪ければ営業所が閉鎖されるのは仕方がありません。しかしここで問題なのは、なぜ従業員がうつ病になってしまったのか、ということです。

これは社長が従業員の事を大事に思っていないこともあり、金を払っているのだから働いて当たり前、それ以外の事をしてやるつもりもない、という対応をしていたためです。

他の従業員がその社長に理由を聞くと「うつ病になった理由が分からない、なぜだろうね?」と言っていたのです。新しい営業所でノルマこそないものの結果を出せとのプレッシャーもあり、上に立つものが下の面倒を見ていないため発症し仕事も出来ない体になってしまったのです。

その社長は日頃から「従業員の女が結婚して子供を生むのは勘弁、会社にとってデメリットしかない」と言っていました。育児休暇などももちろんありませんし、辞めさせる方向にもっていかれるでしょう。素直に祝福してあげればよいものを、「迷惑かけやがって、何て女だ」と思っているのは経営者としてはいかがなものでしょうか。こんな会社で働く事になった場合は、お金の為と割り切って仕事をするか、早いうちに職を変えたほうが良いでしょう。

会社を信用するな、自分で生きていけるようになる事が大事

昔のように会社を信じて働けば必ず報われ、最後まで面倒を見てくれるというのは現代ではほとんどありえません。公務員なら話は別ですが、副業で稼ぐか、共働きでリスクを分散させるか、仕事を辞めても他で通用する仕事の出来る人間になるか、今の会社だけに頼る人生は「非常に危険」です。

会社は何もしてくれません、お金をくれるだけです。中には家族のように自分の身を犠牲にしてでも従業員の為を思っていてくれる会社もありますが、ごく一部です。仕事を頑張ることは大事ですが、完全に身を委ねるのではなく「いつでも今の仕事を辞めて転職できるんだぞ」という意識の元、働くことが今の時代に求められているのではないでしょうか。