ニッセイアセットマネジメントが運用している投資信託に、「購入・換金手数料なし」シリーズが9つあります。資産運用の積立として、証券会社の買い付けランキングでも上位に入る人気商品ですが、2017年度以降は安心して購入していけるのでしょうか。また、年間の運用管理費用、つまり信託報酬がインデックスファンドで低いものが登場していますが、変更した方がよいのでしょうか。
目次
ニッセイのインデックス投資信託の種類について
ニッセイアセットマネジメントが展開しているインデックス投資信託は、現在9ファンド存在します。
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
・<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンド
・<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンド
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンド
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド
・<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンド
・<購入・換金手数料なし>ニッセイインデックスバランスファンド(4資産均等型)
・<購入・換金手数料なし>ニッセイJPX日経400インデックスファンド
・<購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド
どれも信託報酬が安く、購入時の手数料が発生しないノーロードです。そして換金手数料、つまり信託財産留保額もかからないのが特徴です。長く投資していくファンドとして、必要な要素が備わっているのがわかります。
それぞれ外国株式や国内債券といった、ファンド名を見ると何に投資をしているか分かりやすく、頭に<購入・換金手数料なし>というシリーズだということが分かりやすい付け方になっています。各証券会社で「購入・換金手数料なし」を検索すると、シリーズが一覧で表示されます。
インデックスファンドとアクティブファンドの違い
インデックスファンドとは、市場の平均と同じような動きをする為に作られたファンドの事です。ベンチマークとも言われます。例えば「日経平均」という言葉があれば日経平均の株価に沿った動きをするように、銘柄が組み込まれています。日経平均が下がれば、連動している投信も基準価額が下がるというものです。
アクティブファンドとは、市場の平均以上の成績を残そうとすることを目的に作られたファンドです。「グロースファンド」「セクターファンド」「バリューファンド」なんていう言われ方もします。
アクティブファンドの方が手間隙がかかるため、コストが高く必ず平均以上とはいかないのでリスクもあります。そのためインデックスと呼ばれる平均を意識したファンドが人気なのです。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンドとは?
シリーズの中で1番人気のファンド、日本以外の外国株式で構成されており、純資産はここ1年で2倍近くに増えており(前年比+87%)、スポット買いというよりは積み立てて購入している方がほとんどを占めます。
金融・情報技術関連の銘柄が多く、上位には「アップル」「マイクロソフト」「エクソンモービル」「ジョンソン・エンド・ジョンソン」「アマゾン」といった世界的企業で構成されています。ここ3年のリターンは年率で約7.39と安定しています。
<購入・換金手数料なし>ニッセイJリートインデックスファンドとは?
日本国内のJ-REITで構成されているファンドで、積立投資が人気です。しかし最近の純資産額の増加が止まっています。(前年比ー1.73%)国内の不動産に影響を受けるので、スポット購入で売買している方が多いのでしょう。
構成銘柄は物件保有数75で三井不動産がメインスポンサーの、「日本ビルファンド投資法人 」を筆頭に、オフィスビル特化型で物件数69件の「ジャパンリアルエステイト投資法人 」が続きます。ここ3年のリターンは年率で約10.13と安定しています。個別の銘柄を株式で持つより、投信の方がリスクは抑えられます。特にリートは乱高下しやすい株が多いのでなお更です。
<購入・換金手数料なし>ニッセイTOPIXインデックスファンドとは?
TOPIXの動きに連動するように構成されているファンドです。ここ1年の純資産額が倍以上に膨れ上がっています。(前年比+121.79%)積立投資が圧倒的に多く、他からの乗換えが増えたためです。6ヶ月で年率換算49.10%、1年で-0.03%と積立に理想的な上がり方です。(基準価額が下がっている期間が長く、終盤に上げて来た為)
構成銘柄は、電気機器・輸送用機器・情報通信・銀行と安定重視の銘柄が目立ちます。「トヨタ自動車」「三菱UFJフィナンシャル・グループ」「日本電信電話」「ソフトバンクグループ」など。今後も積立の人気は続きそうです。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国債券インデックスファンドとは?
他のファンドと比べると外国債券という一見地味なものですが、純資産額は1.5倍に増えています。(前年比+49.46%)債券をスポットで買い付けする方は少なく、ほとんどが積立運用です。3年での年率リターンは2.00と高くはありませんので、日本以外に資産運用配分を分けるには丁度良いファンドです。
中身は「US TREASURY N/B 3.125% 2017/1/31 」「US TREASURY N/B 1.25% 2019/10/31 」といった短期・中期の国債が多く、半数近くがアメリカ国債(ドル)です。イタリア・フランス・イギリスなどユーロ通貨が続きます。円高に触れるほど基準価額が下落していきます。
<購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンドとは?
先ほどの債券は外国でしたが、こちらは日本の債券、つまり国債に投資をするファンドです。純資産額は1年で倍近くと人気です。(前年比+96.45%)
構成されている債券のほとんどが、30年・20年の長期運用国債となっています。債券格付がBBB格以上に投資する形ですが、現在はほとんどがAAAとなっています。1年での年率リターンは2.76%とあまり高くありません。
大きく資産を増やす場合は適していませんが、長期でとにかくプラスになってくれれば、というリスクを極力取りたくない方への積立としては投資をするのもありかもしれません。
<購入・換金手数料なし>ニッセイグローバルリートインデックスファンドとは?
日本以外のリートへの投資をしているファンドです。こちらも積立で運用している方がほとんどですが、純資産額が中々増えません。(前年比+5.25%)海外の不動産事情は乱高下しやすくリスクが高いので、このような投資信託で運用するのが無難です。資産配分の1つとして保有するのは良さそうですが、比率を高くすると心臓に良くありません。
構成銘柄は「SIMON PROPERTY GROUP INC」「PUBLIC STORAGE」「UNIBAIL-RODAMCO SE」とアメリカのドルがほとんどを占めており、次にオーストラリア・イギリス・フランスが続きます。
長期投資するための投資信託
その他の3種類は運用が短いため、今後の動向を注目していきます。購入時の手数料と換金時の手数料が無いという事は、株式のように売買することで利益を得ることも可能です。しかし個別銘柄の判断は出来ずに運の要素も高く、やはり積立運用に向いているといえます。
他にも信託報酬の安い、「たわらノーロード」「iFree」「インデックスe」「三井住友DC」など様々ありますが、基本的には下がる傾向にありますので1度投資を決めて他に乗り換えることは余程の事がない限り止めておいた方が良いでしょう。乗り換えても信託報酬が変更になる可能性もありますし、今まで安く買えていた投資信託分を吐き出すことになるからです。