賃貸マンションの「おとり広告」の見極め方は結構簡単です

引越しをすることが決まって、さあ部屋を探そうと思った時どうしますか?不動産屋に直接行くか、インターネットの賃貸物件サイトで検索するか、その2種類があります。大学生の場合は大学がきちんとした物件を仲介してくれる場合が多いので、そちらを使うほうが安心でしょう。大学と大家は「ずぶずぶの関係」が多く、不良物件だった場合は大学の紹介候補から外れる場合が多く、物件は大学がある程度責任を持ってくれます。しかし自分で探すとなると「おとり物件」に注意が必要です。


おとり物件・おとり広告とは?

では「おとり」とは一体どういうものを指すのでしょうか。一言で言うなら、「カモを釣るための餌」です。物件に関しての知識の無い人を、自分の不動産屋に足を運んでもらう、問い合わせをしてもらう為に、存在しない・・・いや正確には存在はするが、その価格では貸していない物件を載せるのです。

おとり物件はどこにでもある

大手の不動産屋でも行っていて、昔から暗黙の了解になっていることが「おとり」です。というのも、外からでは現在の賃貸物件の借り状況が分からないので、不動産屋に聞くしかありません。通常の物件は、いくつかの不動産屋に大家が情報を渡して、掲載しています。その情報を不動産屋が自由に使うことが出来るのですが、大家への連絡や確認は不動産屋でしか出来ません。

本来であれば、大家に直接連絡を取り、「お宅の物件がおとりに使われている!」と言えば、大家は自分の建物の名誉を傷つけられた事になります。通常家賃が10万円もするような物件を、5万円と格下の物件として紹介しているからです。おとり物件の多くは、大家は利用されていることに気付かない場合が多いでしょう。

中古の自動車屋さんでも「おとり中古車」は存在しますが、これは完全に自社の中古車なので、今どういう状況なのか全く判断がつきません。しかし賃貸の場合は、独占で紹介を斡旋しているのでなければ判断材料が存在します。それは、その建物を他の不動産屋や紹介サイトで検索することです。

家賃が全く違うのは事故物件?

その部屋で何かしらのトラブルがあった場合は、事故物件として超格安で貸されることがありますがほとんど稀です。大抵の場合は家賃だけで判断が出来ます。

例えば○○レジデンス○○号室という物件があったとします。

A不動産屋は「65,000円」と表記しています。
B不動産屋は「62,000円」と表記しています。
C不動産屋は「25,000円」と表記しています。
D不動産屋は「75,000円」と表記しています。

ずばりC不動産屋が「おとり物件」の操作をしています。Cに行ってその部屋を内覧したいとか、詳しく聞きたいというと「もう決まりました」と言われるでしょう。つまり、そんな価格で貸しているはずがないのです。

AとBは角部屋や南向きや北向きの差が考えられます。Dは最上階や、1ランク上の部屋の広さ、例えば他がワンルームや1Kなら、2DKや1LDKなどで価格が異なっている可能性が高いです。マンションの階によって、間取りが異なる可能性は大いにあります。

実際に検索サイトで見てみよう

例えばヤフー不動産で賃貸マンションを検索してみます。

検索条件は「大阪」「大阪市」と検索すると、147,725件ヒットしました。1番上の物件を見てみましょう。
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家賃は1ヶ月で16,000円です。築7年で3LDKで、13階建ての最上階です。都島駅から徒歩3分の立地条件で、かなり物件としては良い物件です。共益費が15,000円ですので合計で1ヶ月の家賃は31,000円です。

中身の内装を見ると、ものすごく綺麗で広く機能も満載です。バストイレ別・追い炊き・洗面台・オートロック・モニター付きインターホン・洗濯機置き場・BS端子・温水洗浄便座・衛星放送・ディンプルキー・管理人巡回・・・この値段ではありえません。

「おとり」か判断するにはマンション相場を確認する

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この地域での3LDKの相場です。築20年で70m2で112,200円が相場と出ています。築7年で3万円はありえません。このマンションの相場は地区年数を考慮すると、14万円以上はすることでしょう。

ではこのマンションの実際の家賃を調べてみましょう。不動産屋にカモられない為に、知識で武装します。

本当の家賃はいくらだ?

住所が途中までしか出ていないので、検索をするとこのエリアになります。
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更にこのエリアで検索すると、このエリアを扱っているほかの不動産屋のサイトが出てきます。不動産屋も競争の時代です、客を舐めた掲載をしているところもあれば、まじめに頑張っているところもあります。
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間違いなくここです、というのも写真が全く同じで築年数もほぼ同じです。管理費はいじっていなくて、家賃のみ不正に加工されていたという事です。

しかしここで「とんでもない事」に気付きます。

おとり物件と正式な物件は、取扱不動産会社が同じ

前の値段がおかしいところの、取扱不動産会社と、今回発覚したきちんとした16万円という家賃を公開している所が、同じ不動産会社である事が分かりました。つまり普通の借りたい客の相手もするが、カモも待っていますよということです。通常は一桁間違えた、なんてことはまずありえません。なぜなら格安のワンルームなどではなく、高級な賃貸物件を扱っているので通常は何回も確認をするからです。今回は「専任媒介」といってここ1社の独占紹介でしたが、通常はいくつかの不動産屋が同時に紹介を行っています。その方が本当の価格や取り扱い状況が分かるので、いくつかのサイトで検索してみましょう。

こういったおとり物件に騙されないためには、その地域の相場を知って怪しければ検索をかけて本来の値段を調べてみる、これだけで騙される可能性は格段に減ります。本当にお得なマンションかどうかは、調べれば相場から判断が付くのです。少しの労力を惜しまず、騙されないように快適なマンションやアパートの物件を探しましょう。