教師を目指す女性は、子供を生みにくい環境が待っている?

近年は出産する女性の年齢も高くなってきました。晩婚化や未婚などの問題もありますが、仕事や生活環境が昔とは異なってきたのが大きな原因です。大学で教員免許を取得して、地元の学校で教師になって子供達を教えたい、そう考えている女性は多いです。しかし現在の教師は昔とは異なり、制約が多くトラブルが多発している現実があります。

教師になるための条件とは?

教師と言っても幼稚園・小学校・中学校・高校と分かれています。それぞれに合った教員免許が必要で、中学生の場合は中学生、小学生の場合は小学生の教諭免許状が必要になります。

そして中学校と高校の教員免許は、教科によって分かれています。国語や書道・数学・理科・社会や地理歴史や公民・保健体育・音楽・美術・家庭・技術や工業・英語・中国語などそれぞれ独立した教員免許状を取得する必要があります。

基本的には大学の教育学部などへ進み、免許を取得する方が多いようです。もちろん私立などでも問題なく取得できますが、大学によって合格率に違いが出ます。

参考:平成27年4月1日現在の教員免許状を取得できる大学

文部科学省のページから、幼稚園・小学校・中学校・高等学校の教員免許を取得できる大学一覧が確認できます。

日本の教師はとにかく働かなければならない

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日本の教師は1週間当たりの拘束時間が長い傾向にあります。1日8時間勤務で5日出勤となると、1週間に40時間働く計算になります。

教員の1週間あたりの勤務時間は、参加国平均が38.3時間、日本が53.9時間と参加国でもっとも長い。勤務時間のうち、指導(授業)に使った時間は、参加国平均が週19時間に対し、日本が週18時間と同程度であり、日本は一般的事務業務など授業以外の業務に多くの時間を費やしていることが明らかになった。また、放課後のスポーツ活動など課外活動の指導にかける時間は、日本が週8時間と参加国平均の週2時間よりも多い。

出典:日本の教員の勤務時間は週53.9時間で最長、女性の割合は唯一半数下回る…OECD調査

日本では約54時間となっています。これを5日で割ると1日当たりの平均勤務時間は10.8時間です。授業に使われる時間は国際平均的ですが、それ以外での活動が多いとのことです。例えば部活動であったり、PTAや保護者との関わりなど授業だけではありません。

子供の数は減少傾向

最近では学校も統廃合が増えて、田舎では廃校となっているところも増えています。子供の数がどんどん右肩下がりになり、いわゆる職業需要は減りつつあります。

< 在学者数 >
幼稚園は,140万2千人で,前年度より15万5千人減少。
幼保連携型認定こども園は,28万1千人。
小学校は,654万3千人で,前年度より5万7千人減少し,
過去最低を更新。
中学校は,346万5千人で,前年度より3万9千人減少し,
過去最低を更新。
高等学校は,331万9千人で,前年度より1万5千人減少。
特別支援学校は,13万8千人で,前年度より2千人増加し,
過去最高を更新。
専門学校(専修学校(専門課程))は,58万8千人で,
前年度より1千人減少。

出典:平成27年度学校基本調査調査結果のポイント 文部科学省

文部科学省のデータによると、小学校と中学校の生徒数は過去最低だった昨年を超え、更に過去最低を更新しました。ここで増えているのは特別支援学校のみです。

仕事の面で考えると、対象の人数が減っている事からあまり将来は明るくはありません。対象の老人が増えているからといって、介護の場合は給与が少なく雇用が安定していません。公務員である教員は雇用形態は恵まれているといえます。

教師の給与が多いのは自腹が多いから?

教師の給与は一定の水準を保っていて、賞与も確保されています。月給は手当てを含まない金額が30万を超えたぐらいの金額が多くなっています。

平成25年9月の1か月分の平均給料月額(本俸のみ、諸手当や調整額を除く)は、幼稚園22万円(平均年齢35.9歳)、小学校33万2千円(同44.0歳)、中学校34万円(同43.9歳)、高等学校35万7千円(同45.3歳)、中等教育学校34万9千円(同42.6歳)、特別支援学校33万3千円(同43.3歳)、専修学校30万5千円(同45.8歳)、各種学校30万5千円(同47.0歳)となっている。

出典:小中高校教員の平均年齢が低下…文科省の学校教員統計調査

定年まで働き続ける教師は実は少ないのですが、60歳の定年時にもらえる退職金は結構な額になります。都道府県別にこのような額になっています。

1位 兵庫県 2709.6万円
2位 岡山県 2674.1万円
3位 山口県 2673.6万円
4位 鹿児島県 2647.2万円
5位 島根県 2634.5万円
6位 北海道 2604.5万円
7位 和歌山県 2598.0万円
8位 秋田県 2563.3万円
9位 三重県 2557.1万円
10位 広島県 2551.5万円

出典:公立教師の定年退職金、相場はいくら?

大体2500万円前後が多い結果になっています。これは民間で言うところの大手企業並みの水準です。それもそのはず、教師は自腹をきって払う額がとても多い職業だからです。

教科によっても多少違ってくるかもしれませんが、「自腹」自体はそれほど珍しいことではないようです。ある地域では、校務で使用するパソコンそのものが「自腹」であることがほとんどだとか。個人情報の流出事件などが後を絶たないのも、ある意味では理解できる状況です。また、熱心な先生になると研究会への参加や部活動指導などでの自費負担は当たり前ということもあるようです。

出典:授業は自腹が多い? 教育予算のあり方は 教育zine

ほとんどの教師が自腹の経験があるそうで、特に実験が多い理科に関しては教師の悩みの種になっています。自治体からの予算がスズメの涙ほどしかなく、生徒の為を考えれば考えるほど手取りの給与は減っていきます。

特にやりたくもない部活動の顧問を任され、授業以外での出費や保護者への対応を迫られるケースが増えています。休みの日も出勤し、休む暇も無いくらい今の先生は忙しいといえます。

モンスターペアレントの問題

昔に比べてSNSやラインなどで保護者同士で横のつながりや連絡が増えています。あの子にはああいう対応をしたのに、うちの子にはこういう対応をしたなど、対応を間違うと保護者から説明を求められます。先輩教師も自分の受け持ちのクラスや部活で忙しく、相談にも応じられない場合はストレスや過労が心配されます。

「子どもたちは大切な時期なので、今年1年は出産することがないようにお願いします。つきましては『出産計画誓約書』を書いてください」
それから数週間後、女性教師の妊娠が判明。すると、保護者数名が「妊娠は約束違反。クビにしてほしい」「産むつもりなら生徒に土下座して謝罪を」「謝罪文を書いて生徒全員に配って」と要求。
「SNSの普及で横のつながりが強まり、集団で無理を通そうとするパターンも増えています」

出典:モンスター親、受験生の担任が妊娠発覚で「クビにして」

子供の大事な時期は子作りをするなとの保護者から強い要求があったそうです。給食費問題や部活動や進路指導や子供同士のトラブルや指導など、やることは山積みです。以前にも増してトラブルになるケースも多く、コミュニケーションスキルが高く臨機応変に対応できる人でないと今の教師は難しいように感じます。