ある一定以上の条件をクリアするともらえるのが「有給休暇」です。通常の休み以外に仕事を休めるのですが、この取得率が低く日本人に認知されていないというのです。一体どういう事なのでしょうか。
有給休暇とはそもそもどういうもの?
簡単に言うと、「給与が支給されるお休み」ということになります。正式な名称は「年次有給休暇」と言うが、「有給休暇」「有休」と略して使われることが多いです。
条件として、雇われてから6ヶ月間に渡り継続して働いた上で、8割以上に勤務した労働者に付与されます。ただしパート・アルバイトなどで週に30時間未満となる場合は少し減らされます。
もらえる有給休暇の日数は何日か
【半年勤務】10日間
【1年6ヶ月】11日間
【2年6ヶ月】12日間
【3年6ヶ月】14日間
【4年6ヶ月】16日間
【5年6ヶ月】18日間
【6年6ヶ月】20日間
以降は毎年20日付与されていきます。
【7年6ヶ月】20日間
【8年6ヶ月】20日間
【9年6ヶ月】20日間
有給休暇には使用期限があります
有給休暇を取得できるようになってから、2年以上経過すると時効で無くなってしまいます。未消化にならないように気をつける理由がここにあります。
2年の根拠は労働基準法第115条です。
そして労働基準法附則第136条に、有給休暇を取得した際に賃金を減らされたりその他の不利益な取り扱いをしないようにすることと書かれています。
日本の有給休暇の取得率が低すぎる
では日本の有休の取得率はどれくらいだろうか。
「有給休暇は何日間消化しますか?」という質問から世界各国の有休消化率を算出したところ、日本は60%という結果になり、昨年同様、韓国に次いで世界ワースト2位という結果になった。有休消化率は下から、韓国40%、日本60%、アメリカ73%となっている。100%消化しているのは、ブラジル、スペイン、フランス、オーストリア、香港だ。
出典:日本の有給消化率は世界ワースト2位、しかも仕事への満足度は世界ワースト1位
何とワースト2位という結果に、取得しづらいということになる。取得すること自体に「罪悪感を感じる国」でも第1位に選ばれており、日本人にとって有休とは周りに迷惑をかける行為と捉えられることが多いようだ。
仕事への満足度に至っては、有給休暇取得率最下位の韓国の更に下をいき、仕事の満足度はワースト1位となっている。お金の為に嫌々仕事をしていては、会社にとってもマイナスな気がしてならない。
先程有給休暇の取得率が60%と記載したが、厚生労働省が出している結果で正確な数字が分かる。
取得率を企業規模別にみると、1,000人以上が54.6%(同56.5%)、300~999人が44.6%(同47.1%)、100~299人が42.3%(同44.0%)、30~99人が40.1%(同42.2%)となっている。
社員が1,000人以上の会社でも54.6%しか取れず、100人以下の会社では40.1%となっている。取得率の平均は47.1%で、半分の有休も使えていないことが分かる。特に飲食業界や店員やスタッフがいるお店の従業員などは、約30%という劣悪な環境となっている。
国も取得するよう働きかけてはいるが・・・
厚生労働省が作成している「有給休暇ハンドブック」にはこのような記載があります。
経営を支える従業員の効率的、創造的な働き方を実現するためには、今まで以上に休暇の果たすべき役割が重要になります。新しい技術への対応や独創的な発想などはストレスの解消やリフレッシュがきちんとでき、生きがいのもてる生活、働きがいのある職場から生まれてくるものだからです。
要するに売上を上げて競争社会に打ち勝つには、きっちり有休取得をさせて社員や従業員のストレスを取り除いてあげ、やる気の出る環境にしてあげないといけませんよ、ということになります。
確かに正論ではありますが、会社によって様々な環境があり、上司や社長が奨励したり模範として自ら取得していかないと難しそうです。
中小企業では、週休2日制とはいっておきながら、隔週土曜休日となっているのが現状で少しでも休みを少なくしようという考えが見え見えです。
休日にも電話がなり、携帯で呼び出され対応しなければいけなかったり、社蓄という言葉が流行ったり、休みたいけど休めない環境に日本は変化しました。過労で倒れてしまったり、健康を害し、家族に心配をかけては何の為に働いてるか分からなくなってきます。
そして従業員の為に行動をしない会社には、離職率が高まる危険性があり、独占的なビジネスでも無い限り大変になるのは最終的に経営者です。働きやすい職場で売上アップというのは、夢物語なのでしょうか。