前の会社から源泉徴収票を受け取る1番楽な方法と、罰則について

転職をした方にとって、年末になると発生する問題があります。それは前の会社の源泉徴収票が、現在の会社の年末調整に必要だという事です。しかし発行してくれなかったり、手元に無い場合が結構あるそうで、事実私もそのような事態に陥りました。では、どうやって発行したのでしょうか、また1番楽な方法はなんでしょうか。万が一発行してくれない場合は、国に頼るという方法もあります。所得税法で、発行しなければいけない事と違反した際の罰則が決まっています。

そもそも源泉徴収票とは何か?

働いているということは、会社に雇われるという事になります。通常雇っている側の雇用主が、配偶者控除・社会保険料などを計算して給与から天引きしています。雇用主がきっちり計算して国に納付するのが「義務」となっています。

つまり「源泉徴収票」は自分自身がいくら稼いだか、いくら税金を払ったかが分かる票ということです。扶養者は何人かやどれくらいの保険料を納めたかが、それを見る事によって分かるように記載がされています。

年末調整の申告の際は、1年間の所得や税金を計算して申請するので全ての働いた場所での記録が必要なのです。

働いた職場の数だけ必要になる

ということは、いくつか転職していたり副業として働いたことがある場合は全ての源泉徴収票が必要となるわけです。

1月から5月までをA社で働いていて、6月から12月までをB社で働いたと仮定します。そうすると現在働いているB社で年末調整として申告してもらうことになります。

しかし計算するには、1月から5月まで働いて収入を得た金額や控除額が分かりません。そこで前職で発行してもらう源泉徴収票で確認するわけです。では前職の源泉徴収票はどのようにして取得するのでしょうか。

源泉徴収票の取得の方法

基本的に会社は、退職者に対して退職から1ヶ月以内に発行しなければなりません。

その根拠は総務省行政管理局の、法令データ提供システムに明記されている通り「所得税法」の「第二百二十六条」に明記されています。

その年において支払の確定した退職手当等について、その退職手当等の支払を受ける者の各人別に源泉徴収票二通を作成し、その退職の日以後一月以内に、一通を税務署長に提出し、他の一通を退職手当等の支払を受ける者に交付しなければならない。ただし、財務省令で定めるところにより当該税務署長の承認を受けた場合は、この限りでない。

出典:総務省行政管理局 e-Gov

「退職の日以後一月以内」というのがしっかり明記されています。つまり1ヶ月以内に一部例外を除き、発行しないことは所得税法に違反しているということになります。

次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は五十万円以下の罰金に処する。

源泉徴収票をこれらの書類の交付の期限までにこれらの規定に規定する支払を受ける者に交付せず、若しくはこれらの書類に偽りの記載をして当該支払を受ける者に交付した者又は第二百二十五条第三項若しくは第二百二十六条第四項の規定による電磁的方法により偽りの事項を提供した者

出典:総務省行政管理局 e-Gov

また、発行しない場合は罰則があります。「所得税法の第二百四十二条」に1年以下の懲役、または50万円以下の罰金と明記されています。

ですので、通常はこちらから申し出なくても発行し自宅に届けてくれることが多いでしょう。しかし一部の経営者や中小企業ではこのような事を知らない者も数多くいます。それは経理関係を外部に依頼していて、本人が把握していないケースです。

このような場合は、こちらから会社に申請をお願いしなければなりません。ただし外部に依頼しているという事は、源泉徴収票を発行してもらうのにもお金がかかるという事です。発行自体の手数料の事を言っているのではなく、税理士などに依頼する際の手数料のことです。

そのような場合は、「その内発行するよ」などと言いくるめられ、いつまで経っても発行されないケースもあるそうです。もしくは年末の時期にならないと発行してくれなかったり、次の会社ですぐにもってくるように言われても、前の会社が発行してくれない、となります。

しかし人によっては、以前の会社に頼みにくいケースもあるでしょう。自分の都合で自己都合退職していたり、解雇や契約期間満了で去らなければいけないケースなど関わりたくない場合もあります。

その会社が大きい会社や派遣会社など、総務などが受け付けてくれるところなら電話をすると案外すんなり発行してくれます。それは社員の退職など日常茶飯事のことなので、深く何か言われることも無く発行してもらえるでしょう。

しかし中小企業、零細企業、個人経営者の場合はどうでしょうか。直接社長やオーナーに頼むしか方法が無いので気が引けるでしょう。

電話する以外に方法は無いか

口も利きたくなかったり、関わりたくないという場合もあるでしょう。そういう場合は、簡易書留で書面を出しましょう。必ず記録に残るやりかたで、返信用の封筒をつけて送ります。もちろん返信用の封筒には、自分の住所や名前もあらかじめ書いておきましょう。

そして発行をお願いする旨を記載した手紙を同梱します。荷物を送るわけではないので、簡易書留で十分です。郵便局からお金はかかりますが、送ります。

どうしても発行してくれない場合

発行することが義務ですので、それを怠っているという事は許されません。給与明細や離職票も、源泉徴収票の代わりにはなりません。

手紙で送っても、電話しても送ってもらえそうに無い場合は、国の力を借りましょう。それは「源泉徴収票不交付の届出」を出すことです。

[概要]

源泉徴収票が支払者から交付されない場合の手続です。
[手続根拠]

所得税法第226条
[手続対象者]

源泉徴収票を交付されなかった受給者
[提出時期]

随時
[提出方法]

源泉徴収票不交付の届出書を作成し、提出先に送付又は持参してください。
[手数料]

手数料は不要です。
[添付書類・部数]

給与明細書が保存されている場合は給与明細書の写し

国税庁のページにPDFでダウンロードができますので、印刷して記入後に近くの税務署に持っていきましょう。その際に給与明細書がある場合は必ずもって行きます。

倒産していたり、どうしても連絡先が分からない場合も出来る限りの情報を提供し相談しましょう。ただしこれが最終手段になりますし、足を運んでの手続きなど面倒になります。

電話でどうしても発行してくれなさそうなとき、「では税務署に源泉徴収票不交付の届出を出します、税務署からの指導がいきますがよろしいですか?」と伝えてみましょう。

普通の会社ならば、税務署に目をつけられるといいことは何も無いので発行に応じてくれるはずです。それでも発行に応じてくれない場合は、あなたが辞めて退職して正解です。そんな会社の対応はありえません。税務署に指導してもらうよう手続きをしましょう。

手続きをすると、税務署から発行するようにと指導が入ります。あまりにも酷い場合は、この会社はきちんと税金を納めていないのかもしれないと判断されますので、経営者側も気が気ではないでしょう。通常はこの方法で発行してもらえます、所得税法で決まっているので強気で請求しましょう。