1人親で子供を育てなければいけない原因、何だと思いますか?

結婚して子供が生まれて、両親がいてという通常の形が今は崩れてきつつあります。それは離婚したり亡くなったりし、親が1人で子供を育てなければならないという現実です。本当に1人で子育ては出来るのでしょうか、貧困や非正規などが問題なる現在、現状を調べてみます。


1人親はどれぐらいいて、収入はいくらか?

現在の日本の世帯数は平成22年の国勢調査によると、5195万世帯です。約3分の1にあたる1678万世帯は1人暮らしをしています。世帯とは生活を共にする、同居しているくくりを指します。

出典:平成22年国勢調査

厚生労働省が公表しているデータを見てみよう、現在の1人親の状況が分かる。

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出典:ひとり親家庭の主要統計データ

母子家庭は123.8万世帯で、父子家庭は22.3万世帯となっている。ただしこのデータは、親と子以外にすんでいる人がいる場合も含まれている。完全に親子のみの場合は、母子家庭が76万世帯で、父子家庭が9万世帯となっている。

死別した場合はどうにもならないが、離婚という親の勝手な理由で子供を片親にさせてしまっている原因が8割近くを占める。もちろんDVや借金など正当な理由があればやむを得ないが、そうでない場合も多いだろう。

就業状況は、母子家庭は8割だが正規社員の割合は4割とほとんどがパート・アルバイトなのが現状だ。これでは生活に余裕が出るわけも無く、ある程度は国に頼る必要も出てくるだろう。

父子家庭でも9割が働いているが、7割弱が正規社員である程度男性では安定した仕事についている場合が多い。その為、母子家庭優先で父子家庭はあまりニュースにもならず生活が苦しくても取り上げられなかったが、最近では国も対策に動いているそうだ。

母子家庭の場合は、総支給額で年収は223万が平均となっている。こういう数値は、ある一握りの高収入者が引き上げているので中央値はもう少し下がるだろう。仮に200万とすれば、1ヶ月当たり16万ほどだ。ここから厚生年金・または国民年金・健康保険や所得税・住民税・市民税などが引かれていく。手取りは約12~13万円ほどだろう。

若者の貧困ワーキングプアでも話題になるが、確かに若いうちの1人ものならこれでも何とか暮らしていけるだろう。しかし子供がいるとなると支出も倍になる。食費や光熱費・電気代・携帯代など、そして学費や塾代といくらでも支出は増えていく。

子供の貧困が増えているというのも、これで納得がいくだろう。健康ならまだしも、親が病弱だったり様々な事情で1人親が働けないということがある。生活保護の申請を行っている母子家庭・父子家庭は全体で1割とのこと、不正受給撲滅が叫ばれる中、餓死するほど苦しい1人親世帯もいるそうだ、助けなければいけない命がある一方で不正をする輩がいるのは何とも言えない世の中になったものだ。

1000人に2人が離婚する時代

少子高齢化で結婚する人が減ってきて、晩婚率も高くなってきました。

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出典:離婚件数及び離婚率の年次推移

確かに平成14年に比べると緩やかに下がってきてはいますが、それでも昔に比べて多いです。年間23万5千件の離婚が行われています。47万人が1年で離婚しています。人口自体が減ってきて、結婚人口も減ってきているのも影響しているのでしょうか。

確かに私の家の近所でも、最近離婚して子供を連れて実家に戻ってきた方がいます。実家で家賃もかからないですし、実家には親がいます。面倒も見てくれ、年金である程度収入もあります。このように親を頼れれば良いでしょうが、そうでない場合は国に頼らざるを得ません。

1人で子育てが大変、どうするか

税金をきちんと払っているなら、国の機関を利用しましょう。

■学習支援ボランティア
年間90億円ほど税金が使われています。これは児童の学習を支援したり、進路相談にのってもらえるボランティアを家庭に派遣してもらえます。市区町村が窓口のようです。

■母子生活支援室
児童の女の子限定ですが、自立の為に生活を支援してくれる施設です。学習室や居室などがあり、保護者が一緒になって生活できる場所です。市区町村や福祉事務所で契約することができ、全国に200箇所以上存在します。

■短期入所生活援助
保護者の病気や仕事が理由で、子供を養うのが困難な状況になった場合、育児についての不安・負担・精神的に軽減が必要なときに児童養護施設等で一時的に預かってもらうことができます。600箇所以上で実施しているそうです。

■夜間養護事業
平日の夜間や休日に、どうしても保護者が不在になる場合、養育が困難な場合に児童養護施設等で、生活指導や食事の提供をしてもらえます。こちらも全国で300箇所以上あります。

他にもハローワークで母子家庭の就職支援や、自立支援もおこなっています。仕事で悩まれている方は1度足を運びにいってはいかがでしょうか。職員の当たり外れはありますが、相談に乗ってもらえます。マザーズコーナーやマザーズハローワークといった名称で専用の窓口が設けられています。

もらえるものは何でも活用するべき

■児童扶養手当制度
離婚により、1人親になった児童に手当てを支給する制度です。離婚した場合や、障害がある親の場合、児童を監護している場合などに支給されます。

この手当てが結構大きな支援となります。児童1人当たり、満額で1ヶ月4万円ほどもらえるので所得制限はありますが、まず申請するべきでしょう。約108万人が受給しています。ほとんどが母子家庭ですが、平成22年度より父子家庭も対象です。

両親がいる世帯でも貧困率が上がってきている現在

2012年における、子ども(17歳以下)の貧困率は16.3%(厚生労働省「平成25年 国民生活基礎調査」)でした。2003年の13.7%から徐々に上昇し、過去最悪の値となってしまいました。子どものうち6人に1人が貧困という数値であり、学校のクラスでは平均的に5人程度いることになります。

大人の数が2人以上の世帯の貧困率は1人親の場合より低い12.4%ですが、こちらは高まっています。
児童(18歳未満の未婚の者)のいる世帯のうち、65.9%が生活が苦しいと答えています。これは高齢者世帯の54.3%を上回る数値です。

出典:子どもの貧困率、問題は子育て世代全体の貧困化にある

約6人に1人が貧困という時代になっています。割合は年を追うごとに増えていっているそうで深刻です。格差社会と言われるように、両親共にいてお年玉に10万円以上もらってゲームをたくさん買って貰える子供がいる一方で、食べるお金に困っている家庭もあります。

更には大人が2人以上いるにも関わらず、12.4%が貧困に陥っているというのです。非正規社員の割合が異常なほど増えて、派遣や契約社員が増えています。生活が苦しいといっている方が多いにもかかわらず、景気は回復していっていると国はいいます。人手不足といっても、正社員の雇用はほとんどなくアルバイト生活をしている方も多いでしょう。格差が激しくなり、税金や消費税も上がっていく今後、日本は一体どこへ向かっていくのでしょうか。