景気が回復し求人倍率が改善しても、ニート・フリーターの日本での数は多いです。先進諸国など海外でも数は多く、世界と比較して日本はどうなのでしょうか。また今後も続くのか、現在の状況や仕事に関して考察してみます。
目次
「ニート」「引き篭もり」ってそもそも何だろ?
よく聞くこの言葉、正確な意味は何でしょうか。
Q:ニートとは?
A:15歳~34歳までの非労働力人口の内、通学や家事をしていない者
つまり、35歳で通学や家事をしていない者は「ニート」ではありません。30歳で通学しているものもニートではなく、30歳で家事をしているものもニートではありません。
Q:引き篭もりとは?
A:社会的な参加をせずに6ヶ月以上家庭にとどまり続けている者
これを見てみると、お互いの言葉で被っている人が出てくるのが分かります。
そもそも「ニート」「引き篭もり」は日本で何人いるのか?
内閣府によると、約56万人が「ニート」の該当者です。
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15歳~19歳:約8万人
20歳~24歳:約14万人
25歳~29歳:約16万人
30歳~34歳:約18万人
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35歳~39歳:約20万人
これを見てみると約5歳刻みで統計を取っていますが、徐々に増えている事が分かります。35歳~39歳で20万人ということは、40歳~44歳で22万人?45歳~49歳で24万人となるのでしょうか。実はこのニートの総数は年々少しずつ減少しています。
そうか、景気が回復してきたから減ってきたのか、と考えるかもしれませんがちょっと待ってください。そもそも日本の人口が減っているため、減っていくのは当たり前なのです。
そして1つ気になるのが、統計結果がある人数だという事です。国が把握しているだけの人数ですので、実際の人数はこれより多いはずです。
30歳未満の人口はどんどん減っていき、全人口における割合も減っています。これは高齢化社会に伴い、半数・3分の一の若者を占めていた日本が、4分の一近くまで若者が減ってきたことにあります。
ここ20年ほど、日本の社会で問題となっている「引きこもり」。全国引きこもりKHJ親の会の統計によると外出をする程度まで含めると推計300万人ほど存在し、男女比では男性の方が若干多めとの報告がある。
出典:桁違いに多い日本のひきこもり事情の特殊さを海外メディアが指摘
推計でしかないですが、300万人はいるのではないかという数字です。
確かに34歳以下で56万人、39歳以下で76万人、5歳刻みでこれだけ増えていると60歳近くまで合わせると相当数存在するでしょう。
海外でも「ニート」「引き篭もり」は多い
海外ではどのような状況なのでしょうか。
30歳までのデータですが、OECD主要加盟国の青年ニートの割合です。ここでは韓国の割合が非常に高いのが報道されています。
トルコが24.9%、メキシコ18.5%、韓国15.6%、アメリカ10.8%、英国(イギリス)8.7%、フランス6.8%、ドイツ5.6%、日本4.6%となっています。すごい数字です、これらの国は労働力不足に陥らないのでしょうか。海外では移民や隣国と陸続きも多く、比較的確保しやすいので保ててるのでしょう。
なぜ増えているのか?
様々な事情があります。昔の人の考え方は「怠けている」「努力していない」など辛口な言葉が並びます。実際に働いた経験のある方も多く、働く気が元から無いというわけではありません。
無業状態に陥るきっかけとなった理由の第一は実は「病気やけがのため」で、他の理由より圧倒的に多くなっています。
学校を卒業して、就職しようにもできない。就職できても、劣悪な働き方を強いられて退職に追い込まれる。「怠けている」「考えが甘い」などの自己責任論では必ずしも片づけられない理由によって無業状態に陥る若者の存在は、労働力人口が減少する中、決して見過ごせない問題です。
出典:「無業社会」~求職型を含む若年無業者は220万人以上、甘えでも怠惰でもない、働けない理由とは~
社畜やブラック企業が話題にあがり、うつ病やストレスで退職になる人も昔に比べて増加しています。1度は働いても、退職せざるを得ない形になるケースも少なくないのでしょう。
最近では親の年金で暮らせる場合も多く、働かなくても食べるに困ることは無いケースもあります。親がいなくなってからどうなるかは分かりません。恐らく今後こういったこともニュースになってくるでしょう。
ニート最多は沖縄県
全国最多は実は「沖縄県」が突出しています。なぜなのでしょうか。
沖縄県内の15~34歳のニート(若年無業者)の割合が2013~14年の2年連続で全国ワーストと推計されることが20日、県のまとめで分かった。全国は緩やかに減少する一方で県内は増加傾向。
中学や高校を卒業しても、仕事に就けない学生が増えています。仕事が少ない、求人倍率が全国から見てよくないのも原因でしょうか。
思い切って本土に行くほうが仕事がありそうですが、地元で仕事をしたいというかたは多いでしょう。本土の人間でも地元で仕事が少なく、東京や大阪・福岡などへ出て行く若者も多いです。
ニート・引き篭もり脱出の糸口は「コンビニ」だった
コンビニは全国の主要会社で5万店舗を超えるといわれています。サークルKサンクス・
セブンイレブンジャパン・デイリーヤマザキ・ファミリーマート・ミニストップ・ローソンなど、多岐にわたります。
コンビニバイト言えば、高校生・大学生のアルバイトデビューや、無名のお笑い芸人・俳優、フリーター、主婦パートなどに丁度良い待遇で、アルバイトの象徴的存在だった。
そうした人々のみならず、ニートや不登校で引きこもり状態になった人の社会復帰の足掛かりとなることも多かったのである。
出典:コンビニはもはやブラックバイト、悲鳴を上げる従業員たち
はじめてのアルバイトを、近所のコンビニやスーパーのレジなどで経験する方は多いのではないでしょうか。仕事を辞める事になっても、コンビニでは比較的雇用してもらいやすいというのがあります。仕事がマニュアル化され、慣れれば比較的誰でも仕事がしやすく、深夜の時給は高い、そういう印象が以前はありました。
しかし最近ではその内容は異なってきて、覚える仕事も多く下手に社員になろうものならアルバイト・パートが休むとシフトに入らないといけなかったり、大変です。公共料金の支払いや、荷物の受け渡し、郵便関連、チケットの手配などなど以前にも増して仕事が増えました。
客層もお世辞には良いとは言えず、都会のお昼などは忙しくレジにお客さんが並んでいるのは良く見かけます。仕事量や覚えることが多すぎて、時給の割に合わないというのです。
ニートや引き篭もりの社会復帰に利用されてきた昨今とは、事情が異なってきました。もちろん田舎のお客があまり来ないお店もあり、一概につらい仕事とは言えませんが儲からない店舗はそもそも長続きせず、淘汰され潰れて閉店します。
ではどうやって働くか
そもそも無理に働きたくないなら働く必要は無いでしょう、価値観は人それぞれで時代は変わってきたからです。もし少しずつ働いていきたいなら、派遣や期間の限定されたアルバイトから始めてみるのも手です。地方なら農業をやるというのも手だ、担い手が少なくなり自治体も一から教えるし補助もするから誰かやってくれないか、という内容もあるのだ。
ネットではユーチューバーなるものも登場し、以前までの働くとうやり方が多種多様になってきた。時代が変わってきたのもあり、これが正しいというものは存在しなくなった。これから日本はどういう方向へ向かっていくのだろうか。