嫌な仕事は1日で辞めても良いという、本当の理由知ってますか?

一概に仕事と言っても、様々な環境があります。アルバイトやパート・契約社員に派遣社員・正社員など。高校生や大学生の簡単な仕事から、新卒・中途採用までそれぞれ置かれた立場は違うでしょう。しかし、1日の大半を仕事に費やすということが分かった時、どこまで人生を犠牲に出来るのでしょうか。


日本の離職率は高い

日本の大学生の離職率は下記の通りになっています。

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出典:学歴別卒業後3年以内離職率の推移 厚生労働省

最新の平成24年度卒の大学生で32.3%となっていて、3人に1人は3年以内に何らかの理由で辞めている。1年以内で7~8人に1人、2年以内で4人~5人に1人、3年以内で3人に1人という割合だ。
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こちらは短大生の3年以内の離職率だ。なんと40%を越えている、ここ10年は40%前半を推移している。1年以内の離職率が20%近くと5人に1人、2年以内では30%前後と3人に1人、3年以内で40%前後というわけだ。短大は女性が多く、結婚退職なども含まれているといってもこれは大きい割合だ。

ちなみに高卒(高校生)も短大生と同じくらいの40%前後となっている。昔は50%を越えていて、2人に1人は辞めている状況だったが、最近はもっているということだろう。

最近は少数派になったが、中学卒では3年以内の離職率は60%~70%近くと高い数字だ。

なぜその仕事を辞めるのか?

なぜ会社を辞めるのだろうか、人によっては上場企業や安定した地元の有力企業に就職したという方もいるだろう。流石に新卒で会社を立ち上げて独立というかたはほぼいないだろう、大体独立という言い方もこの時点ではおかしい、何から独立するんだとなる。

いろんなサイトの退職理由を見てみると多いのが下記の5つだ。

1:人間関係
新卒の場合は横一線のスタートで、人間関係が悪くなっても社会人経験が浅いため「こんなもんか」と思いがち。中途の場合は数日で把握することが可能で、もろにココが離職理由になる。上司や同僚とのコミュニケーションはもちろん、理不尽な事や悪者扱いにされたり、陰口を叩かれたりいろいろあるだろう。

問題は上司が部下をきちんと見てあげているか、責任者が雰囲気を良くしていこうという気があるか、そこに尽きる。ある程度は我慢が必要だが、中には度が過ぎたものもありパワハラ・モラハラが叫ばれる現代で多い離職理由だ。

2:残業・拘束時間
新卒で入ると部署や仕事を選べないことがほとんどだ。中途ではある程度絞って、採用してもらった場合は仕事を選んでいる事になる。営業では契約取るまで帰ってくるなといわれたり、休日出勤が多くあったり、年間休日数が80日や90日で休みが少なく、サービス残業させられたり・・・1日・1週間・1ヶ月の大半を会社で過ごすことになる。

3:待遇や福利厚生
残業しても残業代がたくさんもらえたり、従業員の為に補助金が出たり、賞与や昇給もきっちり行ってくれる会社は良いだろう。つらい仕事でも報われるときがある。しかし、残業手当が付かなかったり、1人暮らしで住宅補助などがなかったり、電車代が出なかったり、給与がそもそも安くボーナスも無いと何のために働いているか分からなくなる。

4:キャリアアップ
ずっとこんな仕事やるのか・・・、そういう仕事ありますよね。ひたすら○○を朝から晩までとか、つぶしの利かない転職する際に武器にならない仕事など、将来に不安を覚える仕事内容は実際に多い。このままではいけない、こんな会社に居ても仕方が無い、そういうときはこの退職理由が多い。

5:仕事内容
営業なんてやりたくなかったのに・・・、プログラマーで応募したのに人員の都合でデザイナーをさせられる・・・、料理を作るはずが接客がメインになど、実際思っていた仕事をさせてもらえず、やってられないということがある。思っていた仕事でも、こんなことしなくちゃいけないのかと、特に新卒は分からないのでそう思うときが多いのだ。中途の場合は、経験があれば仕事内容は分かる場合がある、ただし会社が変わればやり方も変わるので、そこに違和感を覚える方は非常に多いのが特徴だ。

すぐに会社を辞める、というのはどういうことか

アルバイトで採用したら次の日から来なくなった、というのは良く聞かれる。最近の若者は根性が足りないな、そう思われる方がほとんどでしょう。新卒で数ヶ月でやめる方も、皆さんそう思いがちです、ただし中途の場合は全く状況が異なる。

新卒の場合は、何も武器が無いのですぐに辞めると転職活動で不利になるからだ。第二新卒という言葉もあるが、正社員雇用も二の足を踏まれることが多いでしょう。しかし中途採用の場合は違う、武器があるからだ。

新卒の場合は1年ほどで辞めると、得たものが少なく他の企業で「私は即戦力で使える人材ですよ!」とアピールするには無理がある。しかし中途採用の場合はそれが可能というわけだ。

中途の場合、1日で辞めることは悪くない

なぜ1日で辞めても問題が無いのか、理由は主に2つある。

1つ目は、ある程度実力があれば他の会社でも必要とされるからだ。別にその会社にこだわる必要がなく、スキルや技術があれば人材不足の時代、戦力になると判断されれば普通に雇ってもらえる。

2つ目は、同じ業界で求められるスキルや技術が同じなら仕事が分かるということ。この会社、この部門はどういう風に売上を立てているか、どういう風に仕事の流れとして会社が動いているか、同じ業界にいれば新しい職場でも把握できる。

そして最大のメリットは、1日で辞めれば職歴が汚れないという事。職歴にはどこに就職して、いつ辞めたかというのを書かなければいけないのは皆さんご存知の通り。もちろん嘘を書いてもバレにくい場合もありますが、懲戒解雇の可能性もあるのでやめておいたほうが良いのが現実だ。

次の会社で本当に以前就職していたか、これを知る・把握するには「雇用保険」に加入する必要がある。入社1日目では雇用保険に加入していない会社が多い。つまりそれで辞めた場合は入社したことが分からないからだ。会社側もそれを考慮して、数日後や1週間後に年金手帳の提出など誓約書を書かせる場合が多くなっている。

ただしこれらは自分で「即戦力でいける」という自覚があり、会社という組織が分かっている方に通用する技術だ。例えばいくら「天才プログラマー」が自分で出来る人材だとアピールしても、畑違いの植木屋ではその力を発揮できないのだ。

身をもって体験した1日で退職

私自身、以前とあるショップの店長をしていて、新しい職場で仕事内容がほぼ同じ会社へ転職しました。

しかしそこで待っていたのは、社員をロボットとしてしか見ないワンマン社長や、同族経営で公私混同する家族、病気でも代わりがいないから休めず苦しみながら仕事をしている社員や、ビクビクしながら仕事をしている社員、1時間単位の日報を出させ、初日の朝から晩まで公開説教で怒鳴られ(以前の会社の自分を否定させたかった、のだと思いますが)、休憩時間に入るのは社長の許可制という会社でした。

しかも休みは少なく、通勤代は自費、休みはシフト制でバイトの子やおばちゃんと自分で勝手に相談してくれというものでした。他にも細かい事が多く、「あっ社畜だ、これ」と1日で悟りました。

誰が毎日どういう仕事をしているのかも大体把握でき、これ以上ここにいても精神をひたすら削るだけだな、そう思い電話で退職の旨を伝えました。キレ気味で「勝手にどーーぞ」と社長に言われガチャ切りされましたが、これで良かったと思いました。体を壊して病気になる今後の自分が見えたからです。

ハローワークからの紹介だったので、その旨伝えたら「そういう企業を紹介して申し訳ない、そんな会社だとは思ってもみなかった」と謝罪されました。管轄外の少し遠い職場だったので、ハローワークにも情報が無かったそうです。別にハローワークさんは悪くないのですが、職業紹介担当の方は「きっとそこで働いてる従業員は、近くによい職場が無いからだろうね。他の職場を知らないんだ。」そう言ってくれました。確かに少し田舎になるので、そこ以外にはなさそうでした。

そして次に受けた会社で、現在は店長として頑張っています。そこでは技術力や実績を評価してくれて、ある程度自由な裁量で任せてもらっています。そのことをハローワークの職員に言うと「1日で辞める決断をするのは勇気のいる事だ、でも今はそれが正解だったと私も思います。よくあの時決断したね。」そういってもらえたのがありがたかった。

人生の多くを「会社」で過ごすから考えたいこと

周りはいろいろ言うでしょう。「甘えてる」「仕事はつらいもの」「1日で何が分かるんだ」「そんなんじゃどこ行っても続かないよ」そう言われるでしょう。しかし所詮は他人事、自分の事は自分が1番良く分かっており、その他人が責任をその言葉に取ることもありません。大事なことは、その会社で頑張ってやっていこう!と思えるかどうかです。

1日の大半は会社で過ごす事になります、休みもきちんと取れて通いやすくて必要としてくれる。日本には大小様々な会社がごまんとあります、今後不安でどうしようか迷っているあなたが、良い会社と巡り合えますように。