セゾン投信と言えば、直販型の投資信託を2種類取り扱っているのが特徴です。株と債券を50対50で扱っている「セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド」と日本の有力な株に投資する「セゾン資産形成の達人ファンド」の2種類です。中国経済不安定後の現在、状況はどうなっているのでしょうか。
口座数は伸びている
セゾン投信の営業開始日は2007年3月15日で、開始から8年半が過ぎました。2015年2月に8万口座、6月19日に9万口座を超えました。今年中には10万口座の大台に届きそうな気もします。
内訳は40代が1番多く、次に僅差で30代、そして大分離されて50代60代と続きます。未成年も数パーセントありますが、「こども口座」愛称:カンガルーぽけっと がありますので、親が子供への積立をしているからです。
セゾン投信の最近の動き
セゾン投信が2015年8月26日に「フィデューシャリー宣言」を行ないました。
出典:フィデューシャリー宣言
セゾン投信は2015年8月26日付で、フィデューシャリー宣言を行い、投資信託運用業者として「お客さまのため」にのみ資産運用業務に従事し、専ら長期投資に努めることを公約致しました。
また、それを実践するにあたって、当該事業継続に必要な合理的報酬のもと、一切の利益相反行為を排除することを確約し、すべてのお客さまに向けて明文化し公表致しました。
なんのこっちゃ?となりそうですが、簡単に説明すると「口座を開いて運用している顧客の利益の為に、自分の利益を優先せず理にかなった報酬の元で運用する」という感じです。
顧客第一主義ってことでしょうか、これを聞くと「信託報酬」の話が出てきます。投資信託で必要な経費は、「購入するときの手数料」と「年間の信託報酬」と「売却時の手数料」の3つです。
購入時の手数料は無料ですが、信託報酬がかかり、売却時の手数料「信託財産留保額」が0.10%(2015年9月現在)かかります。
運用資産が1,200億円を突破し、フィデューシャリー宣言を行ったのもあり信託報酬、つまり顧客の負担を下がることになりました。
元々セゾン投信が出てきた頃は、バンガード投資も扱えてコストもかなり安いのがウリでもありました。しかし昨今ではニッセイのインデックスファンドなどを中心に、かなり手数料が押さえられているファンドが増えました。
セゾン投信の運用状況
さすがに中国経済の不安定が響き、基準価額を大きく下げました。現在の基準価額は「13,147円」ですが、最近1年で積立してきた方は「13,369円」が平均取得価格です。
つまり最近1年間で積立を始めた方はほとんど赤字になっています。しかし3年、5年、初回から積み立てていた方は大幅なプラスになっています。3年間で年利6%、5年間で年利8%、初回の8年間で年利6%といったところでしょうか。
バランスファンドでは良い数字です。ただこれは、大幅に落ちたときが長く近年一気に市場の基準価額が上がったことが大きく関係しています。長い年数から見ると何度かあるようなものですが、最近始めた方は当分このような上がりには直面しないでしょう。
セゾン投信で積み立てて長期的に利益を出したい場合は、長期間の経済の落ち込みと最近の日経平均株価のような突発的な上昇を期待しましょう。積立は、長く経済が落ち込んだときこそ力を発揮します、口数が多く買えて少しの基準価額の上昇で利益になるからです。
もちろん投資信託を頻繁に売り買いして資産運用する方もいますが、積み立てて長期間寝かして運用する方の方が圧倒的に多いのも事実です。
セゾン投信も運営開始直後は基準価額に苦戦し、顧客をガッカリさせていました。もちろん経済が落ち込んでいたのもありますが、現在は多くの方に支持されています。
1年や2年で結果を求めるのではなく、将来の投資を割り切って長い目で基準価額を眺めていきましょう。今回の中国経済の落ち込みで、私のセゾン積立もかなり利益が吹っ飛びました。20年、30年後に年利5%ずつ上がってくれば御の字ではないでしょうか、焦らず積立を続けていきたいと思います。