「ホワイト企業」と「ブラック企業」の根本的な違いって何だろう?

人間でも同じですが、外見は良さそうでも中身って分かりませんよね。企業も外面は良くても、実際の会社の中身は入社してみないと分かりません。同じ企業でも、グループ会社や部署単位で内部の方針や人間関係や上司など、ブラックと言われる原因は多数存在します。そもそも「ホワイト」と「ブラック」の違いはどこで区別されているのでしょうか。

ブラック企業とは、一般的にどのような企業を指す?

ここ数年で急激に言われ始めた「ブラック企業」という言葉ですが、以前はこのような名称は存在しませんでした。

昔に遡ると元々は暴力団などの反社会団体として言われていたのが一般的ですが、現在では企業の「状態」を指す言葉として使われます。

労働時間が多すぎる
休みが取れない
身体的や言葉の暴力が日常的である
サービス残業がある
パワハラ・セクハラ・マタハラが日常的

主にこの5つが原因となる場合が多いです。個人は雇われる立場として、会社に対しては非常に弱い立場にあります。これを逆手にとって上からの圧力が強いのです、もちろん仕事である以上は、給与という対価をもらっている為、上司や会社の方針には従わなければいけません。ですがそれも限度というものがあります、それを踏み外すか外さないかが焦点になります。

そもそもなぜこのような事態が発生するか

1つずつ見ていきましょう、実態と原因はどうなっているのでしょうか。

1:労働時間が多すぎる

通常1日8時間労働すると1週間で40時間、土曜日出勤がある場合でも最大でも48時間となります。土日祝が休みの場合は、1ヶ月で8-9日の休みがあるとすれば、祝日を考慮し勤務日数は約22日です。

8×22=176時間の勤務です。

地方に行くと多いのが、土曜日出勤です。週休1日だとすると、祝日を考慮し勤務日数は約26日です。

8×26=208時間の勤務です。

つまり多くても1ヶ月の労働時間は200時間ほどとなります。これを超えると通常は残業手当が出ます。

1ヶ月300時間や500時間というのは正気の沙汰ではなく、精神が崩壊してもおかしくない程異常な労働時間であることが分かります。

休みが取れない

労働基準法では、1週間に1日もしくは4週間に4日と休日が決められています。これを覆して労働させるには、労働者との協定が必要です。この期間は働くと35%の割り増し賃金を支払わなければなりません。

そして1ヶ月60時間の時間外労働をすると50%以上の割り増し賃金を支払わなければなりません。しかし中小企業は適用されていません、ここにも問題が発生しています。

身体的や言葉の暴力が日常的である

どこの会社でも人と人との関わりで仕事が生まれています。ストレスの溜まる職場やギスギスした人間関係の社内であると、陰口やいじめなども発生します。特に上司からの場合は、仕事に影響するため逆らえない場合が多く、酷い場合は精神を害してしまいます。身体的・精神的な病気や欝病(うつ)なったり、自殺に発展するケースもあります。

サービス残業がある

時間外労働の場合は25%の割り増し賃金、つまり残業代を支払わなければいけません。休日出勤では35%割り増しとなります。これには交通費や、家族手当、住宅手当などは含まれていませんので注意が必要です。

会社と契約する際は雇用契約を結ばなければいけないのですが、入社時に確認してハンコを押す、それがない会社が日本中に数多くあります。ある一定の人数以下の会社にはそういった義務が無いからです。

サービス残業しなければいけない雰囲気を作ったり、タイムカードを押してから残らされたり、正社員だけでなくアルバイトやパートでも起こる現象です。暗黙のルールとして、社長が帰らなければ社員は帰宅してはいけない、というワンマン会社もありました。

もちろん離職率も高く、社内の人間関係は最悪です。怒号が飛び交い、殴られたり、全社員の前で延々と説教なんてのも、そこそこの規模の会社でもあるくらいです。もちろんサービス残業は違法です。

パワハラ・セクハラ・マタハラが日常的

立場が弱いのをいいことにやりたい放題いわれたり、不当な扱いを受けます。解決するには同僚や他の上司の協力が必要であり、難しい場合は退職が望ましいといえます。

昔からあることですが、大きい会社でも「わざと」このように持っていき、社員を追い詰め自分から辞めさすことです。自己都合退職と会社都合退職では、全く異なるからです。

会社都合退職が続くと、労働基準局やハローワーク等に分かるので補助金や公的サービスを受ける際に不利になるからです。自己都合の場合は、会社は痛くなく、痛いのは次の就職先を探すときの従業員です。

従業員が辞める際は、会社都合退職のほうが次の就職先は探しやすいのです。景気が良くなったといっても、中小企業で経営状態が悪い会社は山のように有り、採用担当への受けが自己都合より良いためです。

実際にニュースになったブラック企業事件簿

出典:<違法な長時間労働>フジオフードシステムと店長ら書類送検

大阪労働局と京都労働局は27日、外食チェーン「まいどおおきに食堂」「串家物語」などを全国展開する「フジオフードシステム」(大阪市)が大阪府と京都府の計17の直営店で従業員に違法な長時間労働をさせていたとして、法人としての同社と、各店の店長ら計16人を労働基準法違反容疑で大阪、京都両地検に書類送検した。

日本や海外で○○食堂を運営し、750店舗を展開しています。精神的な不調や労働時間を改ざんされたり、残業代の未払いがあったそうで、過重労働撲滅特別対策班(かとく)が大阪で初めて書類送検した事件です。

サービス業界や飲食業界は、慢性的な人手不足で人材の確保が難しいそうです。それもそのはず、長時間労働でストレスが溜まりやすい仕事で賃金も安い仕事場が多いからです

出典:<明光義塾>土浦労基署が是正勧告 休憩時間や賃金巡り

同社が運営する塾で働く大学院生の男性(23)は、法律で1日6時間を超えて働いた場合に定められた45分の休憩時間が与えられておらず、授業後の報告書を書く時間の賃金が支払われていないなどとユニオンに相談。労基署は、休憩時間や残業の有無などの労働条件が明示されていない▽22時以降の労働に深夜割増が支払われていない--などとして是正勧告をしたという。

CMなどでお馴染みの明光義塾です、休憩時間が無く、賃金が支払われないので労働基準局が動いた事件です。特に大学生など社会的経験の少ない弱い立場の若者に、こういった対応をするのはいかがなものかと感じます。

出典:ABCマートの書類送検で活躍ーーブラック企業を摘発する「かとく」ってどんな組織?

靴販売大手「ABCマート」(東京都・渋谷区)の従業員4人が、不適切な形で月100時間前後の時間外労働をさせられていたとして、東京労働局は同社と役員・店長2人を労働基準法違反の疑いで、書類送検した。

時間外労働時間を協定し、更に時間外労働をさせた例です。この記事によると厚生労働省が4561事業所を調べると、2304事業所で違法な時間外労働があったとのことで、実に50%以上という高い比率になっています。

なぜホワイト企業は少ないのか?

ホワイト企業と言うと、ブラック企業の真逆にあたります。つまり、サービス残業が無く、手当てもきっちり支払われ、仕事のしやすい環境で働けるというものです。

実は「ホワイト企業」と国が事実上認定する制度があるのをご存知でしょうか。

出典:大企業が「ホワイト認定」申請に二の足を踏む理由

厚労省が6月に新設したのは「安全衛生優良企業公表制度」。規定のチェック項目を8割クリアして書類を申請後、厚労省の審査を経て“ホワイト企業”と認定される。加えて、その証である「優良企業認定マーク」を3年間自由に使用できるという。

厚生労働省が、ホワイト企業と事実上認定させる制度があります。安全衛生優良企業公表制度というもので、様々な条件をクリアし合格した企業が認定マークをアピールとして使えるという事です。

しかし中小企業はおろか、大企業でさえこのマークの取得を目指している企業は皆無というのです。これには理由があり、過去に労務規定違反があったり、大きい会社だと末端の事業所まで目が届かない場合が多く、違反してしまう、あげ足取りがされる可能性があるわけです。

現在この認定を取得した企業は全国で、岐阜県のメーカーと鳥取県の建設業の2社だけという寂しい現状です。

もちろん利益が無ければ会社が成り立たないのは分かりますが、その前に従業員がいなければ会社は成り立ちません。採用するのもお金と時間が必要ですし、すぐに辞められると無駄になります。

世の中にはブラックまでいかないにしろ、グレー企業も数多く存在します。たとえグレー企業に近かったとしても、社員が生き生きと仕事をし、人格者のトップや上司の下で気持ちよく仕事が出来るようになってほしいものです。利益を追求する会社という組織で、社員のモチベーションが上がれば、会社にとって悪いことは無いからです。