10分で分かる「ワンタップバイ」の「メリット」と「デメリット」とは

たくさんの投資資金があれば「SBI証券」や「楽天証券」といった証券会社を使い、日本株や米国株を購入する方がほとんどでしょう。しかし一度に数十万や数百万といったお金をかけたくないが、投資を始めてみたいという場合は「ワンタップバイ」という選択肢があります。このサービスが良いか悪いかは、メリットとデメリットを知った上で判断してみましょう。


1,000円から投資を始められるワンタップバイ(One Tap BUY)

ワンタップバイ(One Tap BUY)は2016年にネット証券事業に参入した企業です。「ソフトバンク」「みずほ証券」「Yahoo(ヤフー)」や日本政策投資銀行グループの「DBJキャピタル」が出資しています。

日本とアメリカの大企業といわれる会社の株式が、1,000円から購入することが出来るサービスを提供しています。米国株と日本株はそれぞれ約30社のみと購入できる銘柄が決まっているのが特徴です。

ワンタップバイのメリットは主に4つ

まずはワンタップバイ(One Tap BUY)の良い所を探してみましょう。他の証券会社には無い面白い仕組みがあります。

メリット1:1,000円から大企業の株が購入できる

通常は株を購入しようと思ったら、その株価の金額が必要になります。例えば1株10万円なら10万円必要と言うように、とても1,000円では買えません。それが一律全ての銘柄が1,000円で購入できるようになっています。

メリット2:条件を満たせば株主優待と配当金ももらえる

単元株以上を保有し、株主優待の条件を満たしていれば「株主優待」を受けることが出来ます。更に権利付きの最終買付日時に株を持っていれば「配当金」も受け取れます。

メリット3:米国株式の積み立てが出来る

日本の投資信託のように自動で積立を行うことが出来ます。ワンタップバイでは「積み株」と言い、米国株を積立て購入することが出来るのです。(日本株は未対応でアメリカ株のみ)

これは画期的です、従来は手数料が高すぎて購入に踏み切れなかった米国株でも気軽に購入することが出来ます。後述しますが実はこれはメリットでもあり、デメリットにもなります。

メリット4:自分でスマホ証券というだけあってモバイルに特化している

自らスマホ証券というだけあって、積立投資アプリをダウンロードして携帯電話・スマートフォンからタップして購入することが容易になっています。

ワンタップバイのデメリットは主に5つ

ではワンタップバイ(One Tap BUY)の悪い所はどこでしょうか。どんな良いサービスでも特に何かに特化しているサービスは、使いにくい所や良くない箇所は必ずあるものです。

デメリット1:売買手数料が少し高い

売買時のコストは米国株・日本株共に「0.5%」ですが、NY市場が閉場時は0.7%と手数料が上がります。更に円貨と外貨を交換する際「1米ドルあたり35銭」の手数料がかかります。

私が使っているSBI証券では「0.45%」の売買手数料で、住信SBIネット銀行経由で米ドルを両替すると「1米ドルあたり4銭」の手数料と格安です。しかしSBI証券の場合は最低手数料が「5ドル」で上限手数料が「20ドル」と区切られているので、購入金額が少ない場合はワンタップバイの方がメリットはあります。購入金額が多い場合は、上限手数料が無くパーセント換算の為ワンタップバイは高くなります。

計算は単純です、1万円の米国株を買う場合はワンタップバイでは約50円、SBI証券では5ドル(1ドル120円なら600円)かかります。100万円の米国株の場合は、ワンタップバイでは約5,000円、SBI証券では20ドル(1ドル120円なら2,400円)かかります。

デメリット2:入出金手数料が少し高い

他の証券会社では「即時入金」で手数料「無料」といったサービスが多い中、ワンタップバイでは入金・出金共に数時間のタイムラグがあり手数料は「有料」です。ワンタップバイでは専用口座として「みずほ銀行」が用意されています。ですのでみずほ銀行なら少し安いですが、どちらにしても手数料はかかります。

・3万円未満: (同行宛て)108円、(他行宛て)270円
・3万円以上: (同行宛て)216円、(他行宛て)378円

デメリット3:株の移管が出来ない

他社証券会社からの株式の移管や、他社証券会社への株式出庫は出来ません。ちなみに株式は通常市場から買いますが、ワンタップバイではワンタップバイが買った株式を購入する「相対取引」となります。ですので、市場が閉まっている時に株は買えますが、在庫が切れると買えない場合が出てきます。

デメリット4:決まった銘柄以外は購入できない

米国株式・日本株式それぞれ約30銘柄ありますが、それ以外の銘柄が欲しい時でもワンタップバイでは購入できません。ですのでワンタップバイを使う時は、必ず欲しい銘柄がある時となります。

デメリット5:指値不可、チャート無し

通常株式を購入する時はチャートを見ながら、注文を出します。しかし株価を見るためのチャートは提供されておらず、更に指値注文が出来ません。相対取引の為、ワンタップバイが提示する価格となります

少額投資家にはオススメだが、既に資産がある場合は必要無し

投資をするための資産が豊富にあり、1株単位で普通に売買できるなら他の証券会社を使うのがより利益を追い求めやすいでしょう。投資の初心者や、分散投資をしながらあまり個別銘柄にお金を集中させたくない中級投資家にも使えそうです。

しかし銘柄が少なすぎて買いたい銘柄が無い場合が多く、口座を保有している方も初心者が多いとの事。他のブログの評判を見ていても、何百万もかけている方の使用や報告が無く、新しい証券会社のこういったシステムを使いたがらなかったり様子見している方が多いのでしょう。

新しい証券会社だからこそ注意したいこと

途中でシステムが変更になったり、取り扱う銘柄の変更が行われる可能性は十分あります。メインとして他の証券会社へ口座をもって資産を運用し、サブとしてワンタップバイを使うといった使い方が良さそうな気がします。ですが、他では見かけない米国株の1,000円からの購入はやはり「面白い」の一言です。

これらのメリットとデメリットを理解した上で、ワンタップバイでの資産運用を考えてみてはいかがでしょうか。