ここ最近「ソーシャルレンディング」の世界が不穏な空気に包まれています。「みんなのクレジット」「ラッキーバンク」「グリーンインフラレンディング」「マネオ/maneo」にて相次いでトラブルが多発しているからです。利回りが高いという事はそれだけリスクも高いという事ですが「ソーシャルレンディング」への投資はもう見送ったほうがいいのでしょうか。現状の分析と問題点、これからの方針について考えていきます。
1分で最近のソーシャルレンディング事件をまとめる
不適切なお金の流れで自転車操業状態にあり「行政処分」を受け、投資家から集めた31億円ものお金が未償還、僅か3%の9660万円で債権回収会社へ債権譲渡される。200名以上の投資家と訴訟問題へ。
詳しくは東京商工リサーチへ
取得勧誘に関して問題があり「行政処分」を受ける。借入金の返済が困難な状況と分かっていながらファンドの募集、正式な不動産鑑定評価を行った上で作成されたものではないものが掲載されていた。
詳しくは関東財務局へ
説明していた用途と異なる事業へ資金が使用されていた、窓口のmaneoマーケット株式会社に行政処分。ソーシャルレンディング最大手のマネオ/maneoが絡んだことで大騒動に。
詳しくはmaneoマーケット株式会社へ
異常に高いキャッシュバックを出して怪しさ満点だった「みんなのクレジット」だけでなく、飛ぶ鳥を落とす勢いの「ラッキーバンク」、最大手のマネオ系「グリーンインフラレンディング」と相次いで事件が起こり、どうも「ソーシャルレンディング」投資というものが「きな臭く」なってきました。
本当に担保を取っているか、本来の目的に使われているか
通常お金を調達する場合、その目的と保証や担保を投資家へ事前に知らせます。それは例えば以下のようなものです。
・運用の利回りは5%
・保証は代表者の連帯保証人
・担保は東京23区のマンションと土地の第1順位抵当権
今回様々なところで起こった問題がこれにあたり、虚偽の内容だったことが分かります。しかし投資家は営業者(募集側)の言う事を信じる事しかできず、悪意を持っていても分かりません。これが東証一部上場企業への株の投資といった場合には、もっと開示できる資料があったり、今までのお金の流れや監視する機関もあったりするのですが、もちろんソーシャルレンディングにそんなものはありません。
現在の投資状況について
「ラッキーバンク」では大量の延滞が行われており、私の元へも「資金繰りの悪化で返済遅延」と連絡が来ています。最悪の場合は担保物件の任意売却や抵当権の実行が行われますが、「みんなのクレジット」とは異なり全額戻ってくるよう現在は信じるしかありません。
「グリーンインフラレンディング」では強制的に償還されることになり、7月11日に返済予定とされていましたが保留になりました。これで返ってこなければマネオ本体の信頼も地に落ちるため被害は甚大になるでしょう。
この2社で全ソーシャルレンディングの約25%程の投資金額を使っているため、万が一デフォルトにでもなれば被害はかなり大きくなります。ここ数年の利益を全て吐き出してしまう勢いです。
今後の「ソーシャルレンディング」投資は割合を減らす
現在投資している金額は約300万円程ですが、一定の条件に合致するところからは撤退・一部撤退を検討しています。
ソーシャルレンディングの適正利回りは5%~高くても6.5%や7%までと考えています。それ以上はリスクが高すぎるため、そのような高利回りとなっているのです。
1年(12か月)以上資金を拘束される案件は危険です。なぜなら長い期間に渡るほど何が起こるか分からない為です。理想は4か月や6か月と短く、償還されたら次へ次へと…手間ですがスパンを短く投資をしていくべきです。2年や3年の間に会社の健全性は保たれますか?社長の交代はありませんか?別の新規事業に手を出そうとしていませんか?といった様々な問題が起こる可能性があるからです。
不動産の抵当権、第1順位といった一般的に評価が分かりやすい物ならば良いですが、正直よく分からない会社の代表者連帯保証とかIDの担保とか事業用地とか「デフォルトしたら資金回収できるの?コレ」といったものには投資を控えます。
ソーシャルレンディングには利回りが低いもので「2%」から高いもので「15%」近いものまでと様々です。しかし悪意ある第3者がいないとは限りませんし、景気もどこまで持つかも不透明です。各社爆発的に登録ユーザーが増えていますが、そろそろこの投資方法も岐路に立ってるのではないでしょうか。