外国株式の配当金で「申告レート欄」が、「米ドル/円」とどうしても合わない

海外ETFや米国株を購入すると配当金が支払われるものがあります。もちろんアメリカのものなら日本円ではなく「ドル」で支払われます。しかし調べてみると、書かれていた基準となるレート、金額が決定した日にそんなレートは存在しませんでした。一体どこの金額を基準にしているのでしょうか。


海外ETFの配当金について

海外ETFの「iシェアーズ米国優先株式 ETF」(PFF)を保有しているのですが、配当金が支払われたという通知が来ました。しかし金額を見てみるとどうもおかしい、そんなレートは存在しないのです。

配当金はアメリカで「外国源泉徴収税額の10%」と特定口座なら「国内源泉徴収額の20%」というダブルで引かれて計算されます。その計算の際に用いられるのが為替レートです。

レートの計算方法について

例えば10ドルの配当金が出たとします。1ドルが100円とすると日本円で1,000円支払われる計算です。実際に支払われるのはドルですが、計算の為に日本円でも記載されます。

ここからアメリカの税金が10%で約100円引かれ、日本の税金が20%で約200円引かれ、特定口座なら受け取りは700円となります。NISAの場合は国内の税金はかからないのでアメリカの10%を引いて900円となります。支払われるときに大事な事は、その時の「ドル」がいくらになっているかということです。

上記はSBI証券の支払い通知書ですが2つのレートが存在しています。

・2017/06/07 申告レート基準日 108.5300
・2017/06/08 為替レート基準日 109.9900

この金額を基準(申告レートの方です)として日本人に支払われるわけですが、ちょっと待ってください。6月7日のレートを見てみるとおかしいことが分かります。

その日は「1ドル108円台」になった形跡が無い?

こちらのテクニカルチャートを見てみると、109円後半を推移しており108円になった形跡がありません。チャートに表示されないくらいの一瞬だけ108円台になったのか、それは考えにくいでしょう。

ではなぜ108円台になっているのか・・・今まで海外株を購入したことが無かったため、この意味が分かりませんでした。

通常のレートではないことが判明

いろいろ検索していて見つけたのですが、SBI証券にこのような記載がありました。

円貨建の計算に利用する為替レートは、取引報告書に記載される「為替レート」欄のレート(東京外国為替市場のTTS為替レート)を用いることができます。

出典:確定申告サポート(株式/投信/債券) 一般口座のお取引 SBI証券

つまり取引報告書の「為替レート」とは東京外国為替市場の「TTS為替レート」というのです。・・・なにこれ?ということで意味を調べてみました。

TTS為替レートとは何か

TTSレートとは「Telegraphic Transfer Selling」の略で、電信売相場といわれるものです。これは顧客に対して外貨を売るときに用いられる為替レートです。日本で言うと円を外貨に交換するときのレートで、アメリカから見るとドルを円に交換するレートとなります。

更に調べてみると仲値価格+1円の手数料を取っている事が多いのだとか。なるほど、これで説明が付きました。つまり108円台になっていないにも関わらず、このような申告レートになっているということは、109.53ドルから手数料の1ドルを引いて108.53ドルになったものと推測されます。1つまた勉強になりました。