もらえる「国民年金」を少しでも増やすにはどうすれば良いか?

国民年金は自営業者やアルバイト・パートタイマー等のフリーターが加入しています。しかし最近では正社員でも、零細企業や事業所の加入逃れなどで厚生年金に加入せずに、国民年金に加入している方がいます。国民年金では将来的に自営業者以外は生活が困難になります、何とかもらえる額を増やせないのでしょうか。


そもそも国民年金はどれくらいもらえるのか?

毎年年金額の改定が検討されています、それは賃金や経済の物価に基づいて給付水準が調整されるからです。

現在の国民年金の保険料は以下の通りです。今後は更に上がることが予想され、17,000円を超える日も遠くないでしょう。

平成27年(2015年)15,590円
平成28年(2016年)16,260円
平成29年(2017年)16,490円

毎月これだけの額を満額払うといくらもらえるのでしょうか。

平成27年(2015年)65,008円
平成28年(2016年)65,008円

2016年は2015年からは据え置きされています。満額(40年)でこの額という事は、払い忘れがあると減額されます。しかも受給資格というものがあり、最低25年間、つまり300ヶ月払わなければ1円ももらうことが出来ませんでした。

受給資格期間の短縮について
<改正内容>
○納付した保険料に応じた給付を行い、将来の無年金者の発生を抑えていくという視点から、老齢基礎年金の受給資格期間を10年に短縮する。

出典:厚生労働省

平成29年10月(2017年10月)からは、最低期間10年からもらえるようになりました、結婚や転職・引越し等でややこしくなり、それだけ40年の満額はおろか、最低条件25年を下回る人もいるということです。

国民年金だけでは介護もしてもらえない?

厚生年金があれば2段階の受け取りになりますが、国民年金ではそうはいきません。約6万5千円でやりくりする必要が出てきます。老人ホームに入るには初期費用で数十万から数百万必要で、毎月7・8万円から20万円程かかってきます。もちろん食住は提供されており、医師にかかることも出来ますが、医療費やお薬代もかかってきます。

要支援や介護の度合いによって料金も変わりますが、訪問介護・デイサービスなどを利用したりいくらでもお金は飛んでいきます。国民年金は増えないのに、出て行く額はどんどん増えていきます。年金額だけでは足りないので貯蓄(貯金)を切り崩して生活していかなければなりませんが、限界があります。

では国民年金だけでどうすれば良いのでしょうか。国民年金は増えないですが、それに似た収入を増やせばよいわけです。増やすといっても副業や仕事の働き口を増やすといったものではなく、国民年金のように将来の資金として、掛けることが出来る箇所を増やすことです。医療保険などと似た考えですが、掛け捨てではなく、将来に戻ってくるお得なプランを自分で考える必要があります。

国民年金を少しでも増やすには?方法は2通り

1つ目は「付加年金」です。現在の国民年金額に毎月400円を上乗せて支払うことで、将来もらえる年金の額を増やすことが出来ます。

国民年金第1号被保険者ならびに任意加入被保険者は、定額保険料に付加保険料を上乗せして納めることで、受給する年金額を増やせます。

出典:付加保険料の納付のご案内 日本年金機構

1ヶ月に400円多く納めると、もらえる額はいくら増えるのでしょうか。具体的に計算をしてみましょう。

1ヶ月400×12=4,800円(1年)
4,800円×40(年)=192,000円(40年)

支払う額は40年で192,000円です、では受け取れる額を計算してみましょう。受け取れる額は200円に納めた月数を掛けたのが、1年間で受け取れる額です。

200×480ヶ月(40年)=96,000円(1年)
96000÷12=8,000円(1ヶ月)

何と満額の場合は1ヶ月当たりの年金額を8,000円も上乗せすることが出来るのです。40年余分に掛け続けた400円は、2年間で元が取れる計算です。気付いたのが40歳位で20年間400円を納めた場合、1ヶ月で4,000円年金を増やすことが出来ます。

但し「国民年金基金」に加入している方は、利用することが出来ない点に注意が必要です。

2つ目が「国民年金基金」です。こちらも1ヶ月当たりの掛け金を増やすことで、将来もらえる金額を増やすことが出来ます。しかし別名地域型基金となり、違う都道府県へ引っ越してしまうと入りなおす必要があります。公的な年金ではありますが、国が運用しているわけではないので将来的に渡って基金が破産・解散の可能性が少なからずあります。

ではいくら払えばいくらもらえるのか、計算してみましょう。

例えば30歳の男性の方で計算すると、掛け金は1ヶ月「10,610円」約30年納めます。納める額は380万円程で、年金額は24万円です。1ヶ月当たり2万円多くもらうことが出来ます。

元を取るのに前述した「付加年金」は2年にも関わらず、「国民年金基金」は元を取るのに16年かかる計算になります。ただし掛け金(口数)を調節したり、掛け金を増やすことでもらえる額を更に増やすことも出来ます。

【国民年金基金のメリット】

・国民年金基金に支払ったお金は、全て所得控除の対象になります。

【国民年金基金のデメリット】

・1度加入すると途中でやめることは出来ません。
・国民年金とは異なり物価を考慮した金額スライドがない
・将来的に破産・解散する可能性があり、納めた額を下回る場合もあります

仮に当基金が解散した場合は国民年金法に基づき、基金の解散時点での残余財産額を加入員および受給者等で分配することとなっており、それまで支払われた掛金額を下回ることがあります。

出典:国民年金基金

「付加年金」「国民年金基金」共に厚生年金に加入している方は加入することは出来ません。あくまでも自営業者やフリーターが対象となっています。これを踏まえたうえでどちらがお得か考えてみてください。