田舎は自給自足で静かで暮らしやすい、と思っていませんか?

出典:内丸地区(本八戸駅通り)のまちづくりを考える寄り合いの様子 青森県八戸市

1度都会に住んだことのある方なら、空気が汚く人がゴミゴミしていて夜までうるさくて・・・お金ばかり出ていくし貯金も出来ない、田舎の方がいいと思っていませんか?確かに都会には都会の良いところ悪いところが、しかし田舎にも良いところ悪いところがあることを知っておかなければなりません。特に定年後は田舎に、と考えている方はそれがいかに甘い考えか分かります。


田舎は静かだろうか?

確かに都会は仕事をする上では良いかもしれませんが、住むには都市部を少し離さないと落ち着かないでしょう。しかし田舎では周りの音は静かでも、周りの人は静かではありません。

人付き合いをしなくても良い都会とは異なり、隣や近所・寄り合いや集落・地域のコミュニティとは関わらないといけません。班が決められており、班長になると地域の問題や揉め事に立ち会うこともあります。

地域密着の人間関係は、気を使う必要も多く疲れてしまうことも数多くあります。都会では引越しの挨拶に行っても居留守を使われたり、1人暮らしでは警戒されることも多く時間を変えて何回挨拶にいっても住人と会えない事もザラにあります。

しかし田舎では複雑な人間関係や、煩わしさが多くテレビの田舎暮らしではそのような問題点はほとんど話題にはしません。声をかけたりかけられることが当たり前で、しなければ地域ですぐに話題になり、評判も気にする必要があります。特定の住民との係わり合いが強いことから、電車や車などの音はしなくても人は静かではないのです。

自給自足は簡単?

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田舎に行くと荒れ果てた土地や、引き継ぐ担い手がいなくなった放棄地が多数存在します。地方自治体によっては超格安で貸してくれることも多く、ウェルカムな状況ですが自然と闘うことは簡単ではありません。

家庭菜園すらしたことがない都会人では、肥料や害虫の大変さも分かりませんし、野生のイノシシやクマの脅威も知りません。他の住民の畑や土地に害を与えようものなら、村から追い出されそうな嫌がらせを受けたり、トラブルに巻き込まれることもあります。

ただでさえ田舎では、新参者は歓迎されません。太陽光の売電が盛んなときに、ある業者が田舎に土地を購入してパネルを多数設置したところ、地域の住民からこれでもかというくらい嫌がらせを受けたと聞きました。ゴミをわざと入れられたり、ケーブルを破壊したりと監視カメラまでつけて証拠を見つけて話し合いをしてと、地域の住民でないので扱いは酷かったと聞きます。

食料の確保が困難

都会では24時間スーパーやコンビニが開いていますが、田舎ではコンビニは夜の19時には閉まるところもあります。スーパーもなく、銀行も無いので自動車は必須です。田舎に行くと裕福でない限りほとんどが軽トラックや軽自動車に乗っています。

スーパーの値引きも無く、タイムセールもなく基本的にはそこそこの値段で販売されている事がほとんどです。現在はネット通販があるため、昔より調達は楽になりましたが物価が安いと考えるのは甘い考え方です。配送料金も田舎の場合は割高になることもあります。

田舎はいろいろおかしい

水洗トイレが無かったり、下水整備が遅れていたりと場所によっては酷いところもあります。他には田舎には田舎のルールがあり、これをこうするのが当然だとか、都会ではこうだが田舎では正反対のこれが当たり前など、地域によってルールがあります。郷に入れば郷に従えとは言われたもので、その地域で暮らすにはその地域に自分がどれだけ合わせれるかという事が重要になります。