隣の家の太陽光パネルが眩しい、どうにかならないのかと思ったら

自宅の屋根に太陽光パネル(ソーラーパネル)、野立てで個人や企業が電気を発電し売電しています。年々売電料金単価は下がっていますが、既に設置されたパネルは多く、これからもエコの為、省エネの為に増えていくことは間違いありません。しかし、その弊害も出ているのをお気づきでしょうか、それは反射光です。


そろそろパネル代は底値か

なぜ太陽光パネルを自宅に設置するか、それは電力会社(例えば東京電力や関西電力等)に売電することで、売電料金をもらうことができるからです。更に、高い電気を買うより自宅で発電したほうが安く済むというのも理由でしょう。

しかし売電価格は年々下がってきています。ということは、売電した時に得られるメリットも無くなっていくということです。それでも導入する価値はあるのでしょうか。

実はパネル代金は、現在かなりの底値であまり値段が下がっていないのが現状のようです。昔なら売電価格は下がっても、購入費用のパネル代も下がるから導入を遅らせても良いという判断が出来ましたが、最近はどこも薄利多売のようです。

それはパナソニック(panasonic)、ソーラーフロンティア(solar frontier)、東芝(toshiba)、シャープ(sharp)、ミツビシ(mitsubishi)、京セラ(kyocera)、カナディアンソーラー、長州産業等々・・・どこのメーカーもそれほど差はありません。

増えてきたパネルは角度が問題

ではパネルの何が他人に迷惑をかけるのでしょうか。それは「角度」です。一軒家の自宅の場合「屋根の上」に設置し、野立ての場合は「平地」に設置します。その際に角度が1度違うと発電に差が出るとまで言われるほど、角度は重要になってきます。

自宅の家やマンション・アパートなどで窓やベランダから、他の太陽光パネルが見える場合があります。その際に、太陽の光が反射して自分のほうへ眩しく感じられる場合は、反射光が原因です。

夏の暑い日に虫眼鏡やレンズなどで跳ね返った光は強力で、紙などは燃えてしまう危険性もあります。それだけ熱量がこもっているという事で、家全体が上からと横からのダブルで直射日光を浴びているからのような暑さになることがあります。

他にも眩しいものは直接見ると目に悪く、反射光のせいで病気になることすら可能性としてあります。

「ゆっくり老後を過ごそうと建てたわが家は地獄に変わった」。兵庫県姫路市に住む建設会社役員の男性(65)は訴えた。昨年9月、太陽光パネルの反射光で自宅が照らされて室内が猛烈に暑くなり熱中症にかかったとして、男性は発電施設開発会社「JAG国際エナジー」(東京)に損害賠償とパネル撤去を求めて神戸地裁姫路支部に提訴した。

出典:わが家は地獄に変わった…「太陽光パネルで熱中症」”室温52度”

まさに今述べた事が実際に起こっているようで、これは企業が野立てを行った際に近くの民家へ反射光が届いていると主張している事です。室温が最高で52度まで上がったというのはもはや異常で、体がおかしくなりかねない温度です。インドなどの熱帯地域では脱水症状や熱中症などが多発していたときが、50度近かったのではないでしょうか。

本来であれば、反射光が直接民家へ影響しない位置に設置することが周りへの配慮というものでしょう。特に野立てというものは、周りに民家や建物が無いのを確認して行っている業者が多く、双方は平行線を辿っているようです。

通常は角度と光の軌道は確認するもの

自宅で太陽光発電でソーラーパネルを設置し、売電する際も通常は確認をします。一括見積もりサイトで比較するような企業でも、近くの電気屋さんでも確認はします。隣人に迷惑をかけてまで発電するのはデメリットが大きいですし、配慮に欠けてしまうからです。確かに道を歩いているときや、自動車で運転している際に眩しいと思うときはあるかもしれませんが、それは民家など固定の住まいが無いかの確認だけをしているためで、仕方が無いといえます。

しかし最近の発電事業者は、日本全国に存在し中には悪質な業者もあれば無茶な設置の仕方をする業者もいます。崖の上に無理やり立てて、がけ崩れが起こったりという話も聞きました。

角度を確認する

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出典:太陽光発電システムの反射光トラブル防止について JPEA

太陽光は夏と冬でも異なりますし、時間帯によっても角度が変わりますし、東西南北の方向によっても変わります。パネルの角度をどの程度にしておくと、太陽の光がどう反射するのかを押さえておく必要があります。

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出典:周辺環境に対する留意(反射光) JPEA

例えば上記は羽田国際空港での、航空機への影響を検証しています。羽田空港の飛行機に光が当たると、操縦席が眩しくなったりしては事故になりかねません。季節や時間帯で最適な角度を決めて、周りの建物や人へ配慮する為に、検証することは当然の事です。あまりに眩しいと、乗っている外国人も驚いてしまいます。

どうしても隣家の反射光に耐えられない場合は

通常は角度調節などをしてくれています。後から建物を建設した場合は、自分の検証不足になりますが自分の家が既に建っていて、このような被害に合われたら対策を立てなければなりません。もちろん裁判は多額の費用と長い時間がかかります。マンションやアパートなら、管理人に相談したり引っ越すという方法もあるでしょう。一戸建ての場合は難しく、外してもらうのは難しいので角度を変えてもらうのが1番ではないでしょうか。難しい場合は、木を植えたりブラインドなどで隠すなどし対策を取りましょう。