売電と言えば太陽光発電が一般的だが、実は風力も有効な方法の1つです

太陽光発電と言えば、自宅の家にパネルを載せて発電し、それを東京電力などの電力会社に売電し利益を得ることが出来ます。風力発電も同じような売電方法の仕組みで、一部で活気付いているようです。


風力発電の魅力は何と言っても売電価格

2015年現在の太陽光発電の売電価格は、33~35円(地域により異なる)です。それに比べて、風力発電の2015年の売電価格は20kw未満が55円となっています。20kw以上の場合は22円と極端に落ちてしまいます。

しかも風力発電の場合は、買取期間が全て20年固定とされており、継続的に利益を得ることが可能です。

風力発電の良いところ悪いところ メリット・デメリットは何でしょうか

【風力発電のメリット】
出典:風力発電

・二酸化炭素等、温室効果ガス排出量の低減効果があります
・比較的発電コストが低い
工期が短い
・風が吹けばいいだけなので、夜間を含め発電が可能

【風力発電のデメリット】

・台風、サイクロンなどによる強風があると、破損する可能性がある
周囲に騒音被害を与えてしまう可能性がある
落雷で故障する
・風車は高くなると、点検や補修のコストが高い

元々は洋上(海の上で)で発電することを目的として風力発電が考えられていましたが、最近では山などに設置する場合が多くなっています。

欧州や米国では風力発電に力を入れて、電力需要のパーセンテージを伸ばしつつあります。ですが日本の場合、コストや場所の確保が難しいことから実はほとんど進んでいません。

売電収入がいくらになるか予測が難しい

太陽光の場合は、日射量や天候などで正確なシミュレーションを出すことは容易です。ですが、風力の場合はその場所の風力の統計や保証などの問題によって、正確なシミュレーションを出すことが難しくなっています。売電収入が悪いと事業としても成り立ちにくいということです。

では国内で盛り下がってる事業なのかと言うと、案外そうでもありません。いくつかの事業を見てみましょう。

国内初の売電用小形風力が熊本県に

熊本県で10kwという比較的手ごろなkwの風車が完成しました。

出典:国内初の売電用「小形風力」、10kWを熊本に

工場生産装置の設計・製作に取り組むプレシードは2015年1月28日、熊本県で出力10.4kWの風力発電所「風丸(かぜまる)」(上天草市松島)の通電式を開催、売電を開始した。今回はXZERES Windの10kW級風車を利用したパイロット事例だ。今後は全国、特に(風況のよい)北海道や東北地方に向けてシステムを販売する。

ローター径7.2mで出力10.4kWとのことで、1,500万円の投資額で年間2万2000kwの発電量を想定しているとのこと。20kwなので買取価格は55円となるが、20年での売電額は2420万とのこと。

メンテナンスや監視など、いろんな問題はあると思いますが、比較的小規模の風車を利用した例は今まで無かったので、今後に注目が集まりそうです。

三重県で風力発電の売電を元に橋を作る?

参照:離島の沖で風力発電 売電で架橋を

橋を作ったり整備したりするには莫大な資金が必要になります。地域やメーカー・自治体が多くの資金を確保できる所であれば良いのですが、地方ではそうはいきません。

三重県鳥羽市の離島・答志島(とうしじま)沖で、大規模な洋上風力発電設備の建設計画が進んでいることが分かった。事業者は「売電収入によって念願の架橋整備にも弾みがつく。10年先の島にとって必ずプラスになる」とメリットを強調

島から2キロ北の洋上約30平方キロに風車40基を建設する予定とのこと。年間の発電量は4億3800万~9億8112万キロワットとかなりの発電量になっています。年間収入は157億から353億を見込むとのことで、三重県の一大プロジェクトになりそうです。

ただし良い話にはリスクもつきもので、風力発電は大規模の場合様々な健康被害や海への影響も懸念されています。そのため漁業が盛んな地域の影響が心配されています。

やってみないと分からないというのもありますが、地元活性化の資金として今後の動向が注目されます。