安定している投資信託か?「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」を検証する

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毎月分配型投資信託として規模の大きい「フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)」ですが、長期運用し資産運用に向いているファンドなのでしょうか。成績と運用状況を確認し、どの程度のリターンが得られているのかスコアを見てみましょう。

フィデリティ・USリート・ファンドB(為替ヘッジなし)とは?

ファンド名から見て分かるように、アメリカ(米国)のリート、つまり不動産に投資しているファンドです。アメリカで上場している不動産投資信託に投資をして、ベンチマーク以上になることを目指しています。為替ヘッジは無しと書かれていますが、為替ヘッジとは何でしょうか。

為替ヘッジなしとは?

フィデリティ・USリート・ファンドには、A(為替ヘッジあり)とB(為替ヘッジなし)があります。「為替ヘッジ有り」と「為替ヘッジ無し」の違いは何でしょうか。

為替ヘッジとは、為替の変動による外貨資産の円ベースの価値の変化を回避することです。ヘッジ(hedge)は直訳すると「避ける」という意味です。一般的に海外の株や債券などの資産に投資する場合、その国の通貨で運用が行われます。そのため、為替の変動により、円に換算する際に資産価値も変動することになります。

出典:為替ヘッジ SMBC日興証券株式会社

つまりアメリカの株や投資信託に投資をすると、日本の円ではなくアメリカの通貨で運用します。ドル安やドル高によって価値が上下するので、コストをかけてこの価値の上下を無くすことです。

【為替ヘッジ有り】
為替の影響を受けないが、コストがかかるので基準価額が下がりやすい

【為替ヘッジ無し】
為替の影響を受けるが、コストがかからないので円安ドル高の時に為替差益を得られることが出来ます。

構成されている株や債券の収益を求める方は、「為替ヘッジ有り」を選択。為替の動きをある程度把握できれば通貨分散投資として「為替ヘッジ無し」を選択するのが良いのではないでしょうか。

運用開始日は2003年、5年での運用はとても優秀

純資産額は1兆5550億円とマンモス投信です。前年比で+42.45%と資金が入ってきており、楽天のファンドスコアは3年で☆5と現段階で評価されています。楽天証券によると「同じ分類に属するファンドと比較して、より効率の高い運用を行ってきたファンド」を絞り込むための指標だそうで同じような他のファンドより評価が高いということです。

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出典:楽天証券

このファンドが始まったのが「2003年12月9日」です。償還日は無期限で特に何か起こらない限りは続くファンドです。リーマンショックで大幅に基準価額を下げてはいますが、他のファンドも同じなので気にする必要はありません。そこからの基準価額を見ていきましょう。

設定来最安値が2009年3月9日の「3,523円」です。毎月分配型ですので、決算日は毎月1回あります。

【2009年12月】6,236円
【2010年12月】6,011円
【2011年12月】4,780円
【2012年12月】4,957円
【2013年12月】5,217円
【2014年12月】6,535円
【2015年12月】5,571円
【2016年12月】4,647円

基準価額の上がり下がりはありますが、この間分配金は毎月70円から100円が出ています。分配金込みのリターンはここ5年で「20.10%」となっています。

2011年12月時点で「4,780円」で購入していると仮定すると、現在の基準価額からすると微減といったところです。そこへ毎月70円から100円の分配金が出ています。仮に最低の70円が5年間60ヶ月続いたとすると4200円分のプラスということで基準価額+分配金で9,000円近くになります。

しかしこれで喜んではいけないのが投資信託です、この投資信託は購入時に手数料がかかります。手数料がかからないノーロードタイプではありません。楽天証券では、この記事を書いている時点で500万円未満:2.16.%(税込)500万円以上1000万円未満:1.08%(税込)1000万円以上:0.54%(税込)となっています。

そして年間の運用会社へ払う運用管理費用、つまり信託報酬は1.512%となり、売却時にかかる信託財産留保額が0.3%とコストがかかります。前述した5年で「20.10%」からこれらのコストを差し引く必要があります。

買うタイミングが難しい

しかし2014年12月など基準価額が大幅に上がった場合、ここ2年での運用はかなり苦しくなっています。2009年に6000円超えで買っていても、7年も分配金をもらっていればプラスに転じますが、さすがに2年で基準価額2,000円近くの下げ幅はトントンといったところです。

つまり買うタイミングによって今後のリターンが大きく変わるファンドということです。もちろん為替ヘッジがありませんので、為替の影響をもろに受けるという事もあります。組み入れられている資産の状況(マザーファンド)も、オフィス・物流が4分の1を占めており、小売も多く入っています。

景気の流れを受けやすい構成となっているので、基準価額が下がってきたときに買うのがよいタイミングかもしれません。大きく基準価額が上がって6,000円に達するような場合には、買い増しは控えた方が良いでしょう。